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帝国戦記 第二章 第38話 『日本海海戦 13』


日本統合艦隊は長門級戦艦を先頭に条約軍艦隊の第二列と第三列の中間への針路を進んでおり、条約軍艦隊もそれを阻止しようと行動に移っていた。

高野が率いる日本艦隊もただ黙って阻止されるつもりはない。
直ちに阻止行動を行うべく命令を下していく。

命令を受けた各護衛艦群の一つ、第二護衛艦群にて見張員が接近する敵艦を報告する。
見張員の報告を聞くと鈴木大佐は採るべき戦術を瞬時に決めて命令を下す。

「針路、面舵15度、第四戦速! 用意………発動!」

航海員が舵輪を切り、雪風は右へと針路を取る。
雪風に続く第二護衛艦群の各艦も、それに合わせて動く。

攻撃位置を確保したのを確認した鈴木大佐は次の命令を伝える。

「反航戦、目標敵装巡、制圧射撃後に一番砲塔弾薬庫を狙え!」

「宜候!」

鈴木大佐が率いる第二護衛艦群は、日本戦艦隊の突撃を阻止しようと向かってくる敵戦隊の先頭艦である装甲巡洋艦ヴァレーゼに対して猛射を加えて近接火力の封殺と昼戦艦橋の制圧を行いつつ単縦陣にて接近する。その過程で邪魔な3隻の防護巡洋艦「カラブリア」「エルバ」「エトルリア」を沈めていた。邪魔ものが居なくなると右側から大きく回りこむようにして第二護衛艦群の各艦が一斉に回頭し、その側面を装甲巡洋艦ヴァレーゼに向ける。

各護衛艦の主砲が動く。

「修正角マイナス2、諸元情報入力良し」

「砲撃始め!」

砲術長の報告を聞いた鈴木大佐は即座に命令を下した。

命令を受けた砲術長が射撃キーを押すと装甲巡洋艦ヴァレーゼの一番砲塔の直下から 喫水線の区画間にある主砲弾薬庫に向けて127o砲弾を次々と浴びせかけていく。

護衛艦の主砲弾は例のごとく特殊レニウム外郭徹甲弾であった。

5隻で95式54口径127o連装砲が15基、つまり毎分70発の性能を有する30門にも上る127o砲からの凶悪な弾種による一点集中攻撃である。先ほどよりも更に接近し外しようもない距離からの連続射撃。その砲撃の大半が目標区画に直撃していく。雪風級の倍の基本排水量に達する装甲巡洋艦であっても、そのような攻撃を食らえば一溜まりもなかった。

日本艦は全てが長砲身で初速が速い。その貫通力の高い連続した砲撃によって、大きな炸裂音を共にリベットが吹き飛び、衝撃と熱で装甲板が剥離し、その次の瞬間、閃光と凄まじい轟音と共に一番砲塔が台座から吹き飛び、そこから船体が二つに分断され沈んで行く。

特殊レニウム外郭徹甲弾が発生させる熱励起によっての誘爆ではない
純然たる弾薬庫の直撃による爆沈である。

この連続離射法による大型艦の弾薬庫を直接攻撃する方法は、魚雷と比べて遠距離から攻撃が可能で、かつ連続攻撃が可能で敵艦にとって回避が難しい連続離射法による近接攻撃はこの日を境に列強海軍にとって恐怖の的になっていくのだ。

他の2つの護衛艦群も同様の攻撃方法で条約軍艦艇を蹴散らしていく。

見張員が新たに報告する。

「方位95度45分、距離8500、敵艦3……
 先頭艦はシャルル・マルテル級戦艦と思われる!」

「面舵15度、第四戦速! 目標、先頭の敵戦艦、上部構造物!
 沈めなくて良い、まずは目と耳を奪え!」

鈴木大佐が第二護衛艦隊の目標として選んだのは仏露の親善セレモニーで活躍した準シャルル・マルテル級戦艦ジョーレギベリである。5隻の雪風級護衛艦は、それぞれ搭載している前甲板にある2基の砲塔をスムーズな動きで旋回させ、戦艦ジョーレギベリを捕捉すると即座に射撃を開始した。

流石の条約軍艦隊も雪風級の危険性に気が付き、長門級に向けていた火力の一部を向けるも、雪風級の高い速度と機動性から散布界はまばらでなかなか命中しない。

戦艦を守ろうと防護巡洋艦「ダサス」「デュ・シャイラ」が前に出るも、雪風以下の4隻の護衛艦がそれぞれ備えている4基の62口径57o単装速射砲、6基の70口径40o連装機関砲のうち、射界に収めていた門の全てから猛射を受けて炎上する事となった。使いようによっては速射砲や機関砲とはいえ巡洋艦クラスを火達磨にすることは難しくはない。むしろ甲板上の有様は砲撃を食らったときよりも大参事と言える有様になっていた。史実における日本海海戦でも速射砲が大きく活躍している。

鈴木大佐は次の命令を言う。

「次いで後部砲塔射撃準備、すれ違いの際にあの2艦に止めを刺せ!」

「あの状態なら見逃しても良いのでは?」

鈴木大佐の言葉に一人の参謀が言う。

それに対して鈴木大佐は彼らが白旗を掲げておらず、
また機関が停止していない事を理由に攻撃免除を認めなかった。

鈴木大佐は表情を厳しくして口を開く。

「敵は応急対応に忙殺されてか、
 あるいは交戦の意思が今だ挫けていないのかどちらかだろう。

 ここで情けを見せて見逃し、もしこの海戦を生き延びたあの敵艦によって友軍艦艇が、
 民間船が沈められた場合、どうするのか?

 知っているだろう、佐世保湾開戦の後に沈められた民間船の悲劇を!
 くだらん感傷で将来に禍根を残す訳にはいかぬ」

一旦言葉を区切って鈴木大佐は笑みを浮かべて言う。

「それに海軍の本分は商船を守ることにある。
 一隻でも多くの敵艦を沈めることが商船の安全に繋がると思わないか?」

そこで議論は終わった。
攻撃の理由、海軍の本分を思い出した彼らに迷いはない。

第二護衛艦群は半ば沈みかけたダサスとデュ・シャイラを横切る際に、各艦の後部砲塔による砲撃によって満身創痍だった2艦に止めを刺していく。

戦艦ジョーレギベリも無事ではなかった。主砲たる1887式305o単装砲は2基とも無事だったが、2基の1887式270o単装砲は半壊し、8基の1891式140o連装速射砲より以下の砲は第二護衛艦軍からの攻撃で大破炎上していた。一連の攻撃はここまでうまく運んだのは、鈴木大佐の指揮能力に加えて、砲のみならず機関砲などに於いても日本側の方が優れた性能を有していた事も大きい。駆逐艦の襲撃を防ぐ速射砲や機関砲を無力化されれば、大型艦と言えども唯ではすまない良い例と言えよう。

鈍重な305o単装砲では高速で動き回る日本護衛艦は捕捉できず、先ほどの装甲巡洋艦と同じく喫水線の付近にある弾薬庫に向けて集中砲撃を受ける。流石に装甲巡洋艦よりも厚い装甲で簡単には爆沈しなかった。しかし450oに達する弾薬庫周辺に張り巡らされた水線面主装甲であっても、0.8秒の毎に5隻の護衛艦から30発に達する127o砲弾が連続して打ち込まれては無傷ではすまない。

衝撃で装甲の繋ぎ目が緩む。 その状態で特殊レニウム外郭徹甲弾が発生させる熱励起に耐えられなかった。 戦艦ジョーレギベリは轟音と共に身を震わせながら 弾薬庫の誘爆によって大爆発を起こす。

また先ほどから大破炎上していた「オリンピア」「モンゴメリー」「デトロイト」「コロンビア」 「プロテ」等のアメリカ防護巡洋艦群は護衛艦群の速射砲による攻撃によって止めを刺されていく。狙われたのは満身創痍の船ばかりではない。

大破炎上した防護巡洋艦の近くに居た、健全だった戦艦バベンベルクや装甲巡洋艦フランチェスコ・フェルッキオもまるで鯱の群れに襲われるシロナガスクジラのように護衛艦からの猛襲を受けていったのだ。



















3つの護衛艦群は奮戦するも少なくない条約軍の艦艇が護衛艦群の阻止攻撃から逃れていたのだ。ただこの状態は作戦の不備ではなく、高野にとって織り込み済みの事である。

完全に抑えようとすれば護衛艦群の被害が悪戯に広がるだけだと理解している高野は、不自然が無いように欺瞞しつつ防御が薄い箇所を作り出していたのだ。

また高野は戦略上の必要性からあえて2発の魚雷を長門にて受けていた。

無計画に受けるのではなく、魚雷攻撃に備えた準備も抜かりない。

長門級は二重殻構造で作られており、
その区域は戦闘航海中には各種隔壁によって厳重に守られているのだ。

更に先頭艦の長門と2番艦の陸奥、国防軍の戦艦のみであったが、アクティブフェイズドアレイの原理で水中衝撃波を作り出して自艦に接近する敵魚雷・機雷を撃破する対雷撃システムが試験的に搭載されている。ただ、出撃前に判明した問題により連続使用が出来ない状態で、現在は待機状態に置かれており、この戦いでは使われないだろう。

対魚雷防御の本命は対雷撃システムではなく、次のシステムにあった。

そのシステムは、魚雷被弾により浸水が発生するとその被弾箇所に有機高分子化合物を混入させ、非共有結合性により海水中の水分子を結合させて被弾箇所を塞ぐと同時に弱いながらも浮力材として使えるアクアマテリアル系結合材を作り出す装置の事である。

海水がそのまま修復材と使われていることなど条約軍艦隊には分かるはずも無く、彼らには魚雷攻撃をものともしない脅威の不沈艦としてしか見えなかった。もちろん長門級は浮沈艦ではなく連続した攻撃により船体フレームが破損し、二重殻構造が崩壊すれば流石のこの船でも沈没してしまうし、有機高分子化合物の搭載量も限りがある。また同じ箇所に魚雷を食らえれば装甲材に比べて耐久性に劣るアクアマテリアル系結合材は簡単に崩壊し、内部隔壁が損傷してしまえば結局は浸水してしまう。しかしそれを踏まえても極めて沈みにくい戦艦には間違いない。

しかし、このシステムも同じ長門級であっても長門と陸奥のものは特別のもので、 他の4艦が同系列のシステムを搭載しているとはいえ、長門のように魚雷を食らえば速度低下は避けられなかったであろう。

このように長門が先頭艦を務めていたのは他艦のダメージを抑える目的がある。現段階で長門が受けた攻撃が艦隊に等しく降り注いでいたら、葛城級や雪風級の被害が甚大なものになっていただろう。また攻撃吸収の他に二つの大きな目的がある。一つに要約すると、主力艦であり旗艦が損害を受ける事によって日本の軍と民の間に慢心が広がらない様にする予防措置であり、また旗艦を先頭に突撃する事で海戦模様を伝説的なものとし、宇宙進出に伴う際の発言力に繋げるべく活用する事だった。

また、高野があえて許容範囲に留めているとはいえ確実に損害が発生する魚雷攻撃を受けたのは戦略上の理由に加えて、敵艦を勇気付けて誘き寄せる戦術的な理由もあったのだ。被雷後にわざわざ速度を少し落とす演技すらもしている。

そうとは知らずに火達磨になりつつも長門に対して魚雷攻撃を成功させた友軍艦艇に勇気付けられるように、条約軍艦隊は先頭を進む長門に猛烈な攻撃を敢行していく。

長門に攻撃を行おうとした艦艇には代償と言うには余りにも大きな損害が待っていた。

長門級がそれぞれに有する近接防御火器である95式54口径127o連装砲、95式62口径57o単装速射砲、95式70口径40o連装機関砲からの攻撃を受けている。もちろんただの砲撃ではない。長門と陸奥からの砲撃は他艦と比べて完全に次元が違っていた。各砲塔は完全に無人化となっており、これらが火器管制システムと繋がる事で各砲塔がCIWS(近接防御火器システム)と化している。しかも、その火器管制システムと"さゆり"がデータリンクを行うことによって性能を飛躍的に高めていた。

また陸奥に関しては無人管制モードで大部分が運用されており、乗員は万が一に備えて乗り込んでいる30人の電子知性体に過ぎない。それに彼女たちならば艦が爆沈でもしない限り生き残れる技能と能力を十分に有しており、万が一の際でも安心である。

最大効率をもってしての最高精度を伴う砲撃。
これが条約軍艦隊の艦艇にとって最大の災厄に違いないだろう。

高野が掲げた敵軍にダメージコントロールに関する
正しい戦訓を与えないを事を考慮した、さゆりの調整を受けた攻撃は徹底的であった。

さゆりは長門と陸奥、そして上空の銀河が搭載しているIRST(赤外線捜査追跡)システムにて敵艦の乗員位置を把握し、瞬時にシミュレートを行い殲滅に最適な攻撃オプションを採っていたのだ。接近を図った駆逐艦には魚雷発射管に40o機関砲弾、主砲弾薬庫に57o機関砲弾が同時に打ち込まれ、瞬時に爆沈していく。防護巡洋艦には127o連装砲の攻撃が加わり、目標が装甲巡洋艦ならば各種弾薬庫に対して127o連装砲がつるべ撃ちのように撃ち込んでいった。戦艦ならば速射砲、可能ならば魚雷発射管に機関砲弾を掃射し、中間砲に対して127o砲弾を撃ち込み、その戦艦の主砲弾薬庫に向けて406o砲弾を叩き込むだけである。

長門の砲撃により叩き潰され轟沈する敵艦。

長門にもっとも接近した戦艦であるレ・ウンベルトは勇敢であったが、
その運命は過酷としか言いようがない。

測定器とそれを扱っていた水兵には40o機関砲弾が降り注ぎ一つの体が数十個のパーツになった。更に昼戦艦橋に対しては57o機関砲が掃射され、艦の動きが鈍ったときに406o砲が叩き込まれた3発が船体内にある重要区画に直撃する。その3発の406o砲弾のうち、1発が当たった艦橋部分は爆発時の衝撃で船体から引き剥がされ粉々に砕けて人と艦橋を構成していた物が、その後方を進んでいたアメリカ艦の装甲巡洋艦カリフォルニアに降り注ぐ程であった。致命傷となったのは残る2発である。この砲撃は狙い済ましたように第一砲塔と第二砲塔の直下にある主砲弾薬庫に一発ずつ直撃し、1万5000トンの戦艦レ・ウンベルトを轟音と共に船体を3つに折って爆沈していく。

システムと同調しているさゆりは次の行動に移っていた。

攻撃圏内でかつ脅威目標順が高い艦を捕捉し、
その情報を戦闘指揮所(CIC)のメインモニターに回す。

「提督、ロシア艦隊の主力艦に対する攻撃は可能な限り控えますが、
 宜しいでしょうか?」

「ああ、可能な限りで頼む。
 だがアメリカ艦隊の主力艦は一隻たりとも逃してはならん」

「もちろんです」

高野の言葉にさゆりは頷いた。

長門の戦闘指揮所から簡略されているも非常に判りやすい。
指示がさゆりの手によって艦隊全体に伝えられていく。

「帝国艦隊に対するデータ送信完了」

「よし、我々はペンシルベニア級装甲巡洋艦を叩く」

「了解しました。
 戦術ネットワークの同調率問題なし!
 いつでも攻撃可能です」

「始めろ」

「アイ、最適針路に向けて航路変更します」

高野は長門と陸奥の目標を定め、艦長のレイナがさゆりと高野に応じた。

ペンシルベニア級装甲巡洋艦はこの時代の標準的な戦艦と同等サイズを誇る大型装甲巡洋艦であり、史実における第一次世界大戦でも活躍した有力な艦である。その航行性能からして下手な戦艦よりも戦力価値が高いと言えるだろう。

進路変更を終えた長門と陸奥が間を置かずして攻撃に移る。

長門と陸奥の主砲砲身は俯角が掛かっており、戦艦の水線面主装甲の奥にある主砲弾薬庫が狙いであることが一目瞭然であろう。残る4隻の長門級戦艦の主砲はアメリカ艦隊の戦艦隊に対する攻撃を続行していた。砲戦に必要な情報の多くがさゆりから送られており、その命中率は驚異的な数値を見せている。

しばらく途切れていた長門と陸奥からの砲撃が再び始まった。

長門と陸奥の主砲が連続して火を噴くと、ペンシルベニアに2発、ウェストバージニアに3発が命中し、それらの主砲弾の半数以上が弾薬庫を貫く。次の瞬間、ペンシルベニアとウェストバージニアは凄まじい爆発音と共に船体を二つに折って沈んでいった。あまりにも呆気ない主力艦の末路であろう。

ウェストバージニアの後方を進んでいたカリフォルニアには長門と陸奥からの127o連装砲による掃射という言葉が相応しい猛烈な連射速度による制圧射撃によって上部構造物と非装甲部分が徹底的に破壊されていた。無論、攻撃はそれで終わらず、やや遠距離にも関わらず戦艦ジョーレギベリと同じように127o連装砲の一点集中砲撃による弾薬庫に対する攻撃が行われ爆沈し、その船体を海中へと没してゆく。

残る5隻のペンシルベニア級装甲巡洋艦も矢継ぎ早に長門と陸奥からの砲撃によって先に沈んだ同型艦と同じような結末を歩んでいた。もちろん5隻の装甲巡洋艦は回避行動を取るも、ミサイルのコースですら容易く計算してしまう"さゆり"からすれば、なんら問題の無い行動に過ぎなかったのだ。

戦艦の主砲が反対側を向いている間に アメリカ艦が叩かれている間に、ロシア艦隊からなる戦艦「ナワリン」、装甲巡洋艦「リヴァダヴィア」「モレノ」、防護巡洋艦「ヴィーチャシ」「ゼムチューグ」「オリョーグ」「バヤーリン」「アルマース」「ジェムチウグ」「カグール」の計10隻がアメリカ装甲巡洋艦群の反対側から日本戦艦隊に迫る。低乾舷で低速の戦艦ナワリンが最後尾と言う変わった陣形であったが、支援用の砲艦として運用しているので問題は無い。

これはマカロフ大将が差し向けた別働隊であった。
同レベルの艦艇が相手だったならば見事な連携攻撃になったであろう。
戦艦の主砲が使えない状態で一方的に叩けるのだから。

しかし、この連携に関してもさゆりは冷静に対応する。

速射砲と機関砲にて戦艦ナワリンの艦橋部の乗員を無力化し、
徹底的に測定器を破壊していく。

ただロシア艦隊も黙ってやられてはいない。

戦艦ナワリンは精密測定が無力化される直前に主砲を放ち、長門にある127o連装砲の1基を撃破していた。装甲巡洋艦「リヴァダヴィア」「モレノ」の砲撃も機関砲の一部を破壊ないし無力化している。だが、彼らの活躍も長くはない。長門と陸奥からの速射砲と機関砲によって行動を牽制している間にアメリカ装甲巡洋艦群は全滅してしまい、それに伴ってアメリカ装甲巡洋艦群に向けられていた火力が投入され、彼らもまた爆沈の運命を決定付けられた。

無駄が全く無い"さゆり"は近接してきたロシア艦の全艦の撃沈を確認すると、ペンシルベニア級装甲巡洋艦群の周囲に居た13隻の防護巡洋艦に対して長門と陸奥の残余の127o連装砲、57o速射砲が砲撃を放ち始めたのだ。
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【あとがき】
条約軍艦隊の被害は次回にはっきりします。
しかし…近接戦闘でここまで被害を受ければ、列強は多少なりとも戦艦の設計思想に影響を受ける事になるだろうなぁ…


意見、ご感想を心よりお待ちしております。

(2010年08月16日)
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