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帝国戦記 第二章 第19話 『南太平洋海戦:後編』


戦艦カイザー・フリードリヒ三世の見張員は、戦艦が装備するもっとも高精度の遠距離観測装置である距離測距儀を用いて艦隊に接近しつつある水平線に浮かぶ敵艦隊を監視していた。その見張員は敵艦にて発射炎と思われる閃光を察知すると間を入れずに声を上げる。

「敵艦発砲!」

戦艦長門の4基の95式50口径406o連装砲の射撃であった。
その報告に副官が狼狽の声を上げる。

「馬鹿なっ! まだ22000以上も離れているぞ!?」

「脅しだ、あの距離で届く筈がない」

インゲノール准将は副官を落ち着かせようと言い放つ。

しかし、長門は即応弾マガジン・ドラムを採用しており、
巨砲にも関わらず約10秒に一発という信じられないような発射速度で連続斉射を続けていく。

「敵戦艦、連続射撃中!」

その報告を聞いたインゲノール准将は再び双眼鏡にて確認して、日本艦が行ってきた長射程と高連射能力に気が付く。葛城級という異様な実例はあったが、それでも155o砲というサイズだけにまだ納得する事が出来たが、自分たちに向かって攻撃を仕掛けてくる船は船体から推測される砲塔の大きさからして、自分たちが使用している300o砲クラスはありそうだった。

「……あの戦艦の給弾装置はどうなっているんだ!? あの距離から戦艦砲サイズの主砲弾で砲撃となると、おそらくかなりの仰角を掛けたままだろう……しかし、そのような砲身状態で給弾が可能なのだろうか……?」

彼の疑問に答える者はいない。
提督の言葉に昼戦艦橋に居た誰にも判らなかったからだ。

「敵戦艦の給弾装置は化け物か!!」

誰かの声が響く。
確かに日本の超大型戦艦は化け物染みた存在にしか見えなかった。

また、蹂躙されようとしている側からすれば、悪魔と言っても過言ではない。更に苛立たしい事に、日本の超大型戦艦は自分達が乗っている戦艦と比べてデザイン性もよく、嫌味すら感じるぐらいに格好良く洗練されていた。

そして、インゲノール准将は嫌な予感に苛まされる。

カンに過ぎないが、
彼には、あの地獄の使者のような日本艦が闇雲に撃っているようには見えなかったのだ。

インゲノール准将のカンは正しかった。
そして、その正しさは幸運をもたらすどころか、不幸そのものと言えよう。

戦艦長門の探知装置が数世代以上も進んでおり、撃ち放たれた砲弾もそれに相応しいテクノロジーで固められているものが、ドイツ艦隊に猛然と襲い掛かるのだ。本来ならば対艦攻撃ならば45000メートルまでは対応可能だったが目視射撃を装うために、この距離まで攻撃を行わなかったのである。

また、修正可能な圏内ならば弾頭自らが誤差修正を行うキネティック弾頭型赤外線誘導弾にて狙われている事など想定外であろう。キネティック弾頭とは、本来はガス噴射によって姿勢制御と位置変換を行い、超高速で成層圏から飛来する弾道ミサイルを迎撃する兵器である。

最初の砲撃から20秒ほど経過した頃に
インゲノール准将は自分の艦隊の状況に気が付く。

「何故、各艦は散開して逃げぬ!
 先ほどの命令はどうした!?」

「無電は幾度も送っています、
 しかし僚艦からの返答が全くありません!!」

通信参謀が応じる。

悪魔の様な戦艦との戦いで被ると思われる、ドイツ東洋艦隊の全滅を避けるべくインゲノール准将は無電にて全艦散開を命じていたのだ。名案であったが通達されなければ意味はない。

「全艦そろって無線機の故障!? いや、偶然ではない、何かの妨害としか思えん。
 くっ……ならば手旗信号で代用するんだ、急げっ!」

「了解!」

イノンゲール准将にとって電子妨害という手段は知る由もなかったが、 彼は直感的に敵の妨害によって無線が使えないことを悟る。彼は史実に於いて、第一次世界大戦時と言う戦時下で大洋艦隊(ホーホゼーフロッテ)の司令官を務めるほどの英才であり、頭の回転は早い。また、大洋艦隊とはドイツ帝国領ヤーデ湾のヴィルヘルムスハーフェン基地を母港と定めていたドイツ帝国主力艦隊である。

通信参謀が手旗信号を行おうとした頃に戦艦長門からの砲撃が止まった。

ドイツ軍将校達がようやく給弾かと思った矢先、再び戦艦長門の主砲が火を噴いた。短時間とはいえ砲撃を中断した理由は上空から散布させるWE弾の投射を終えて、本来の砲撃を行うために仰角を下げただけに過ぎない。

更には2隻の葛城級戦艦(巡洋艦)と3隻の巡洋艦(護衛艦)すらも射撃を始めている。
ドイツ軍の淡い期待は裏切られ、状況の悪化だけが進んでいた。

「くそっ!! 日本軍がいきがりよって!!」

インゲノール准将がそう言った瞬間、空気を切り裂く音と共に戦艦長門から放たれた8発の砲弾が飛来する。1発の砲弾に付き5400発の弾子が入っている砲弾群が戦艦カイザー・フリードリヒ三世の上空30メートルにて炸裂する。その進入角度は60度と垂直にかなり近く射出角度の高さと飛翔距離、そして砲弾速度の速さが伺えるであろう。

そして、WE弾の攻撃によって
インゲノール准将が居た昼戦艦橋は無事では済まなかった。

昼戦艦橋に飛び込んできた弾子によってインゲノール准将の隣に立っていた副官は上半身の大部分を欠損し、声を上げる間もなく絶命していた。被害は副官だけに留まらず、五体満足な乗員はだれ一人いない。

たった一撃で戦艦の指揮系統を司る、
ほぼ全員を絶命させている。

インゲノール准将も無傷では済まず、弾子の破片を腹部に受けていた。

(これ…は…青い光…?)

彼が出血によって遠退く意識の中で赤い炎に混じって時折に発生する青白い光で照らされる美しい光景を目撃する。インゲノール准将が見たのは特殊レニウム合金弾子の原子化・熱励起によって生じた炎色反応である。始めてみる幻想的な炎に心を奪われながら彼はゆっくりと混濁する意識を手放した。

被害は昼戦艦橋だけに留まらない。

WE弾はクレイモア地雷と同じく指向性散弾としての性質を備えており、更には適切な誘導も加わって29%(12528発)もの弾子が戦艦カイザー・フリードリヒ三世に降り注いでいる。つまり、戦艦の上部構造物は20o機関砲弾の雨に曝されたような状態になっていた。

その数秒の後に、戦艦カイザー・フリードリヒ三世の上部甲板にあった12門の8.8cm砲の砲弾が、特殊レニウム合金弾子の着弾後に生じた原子化・熱励起による2800度に達する高熱によって誘爆していく。また、前部砲塔にある司令塔のスリットから、熱い細粉と共に青白いイオン炎が入り込んで一瞬にして内部乗員を殺傷していた。主砲砲弾に誘爆しなかったのが度重なる不幸の中で輝く幸運と言えよう。

その損害は戦艦カイザー・フリードリヒ三世に留まらない。

続いて、戦艦カイザー・フリードリヒ三世の右後方を航行していた戦艦ブランデンブルクにも同様の被害が生じ、少しの間を置いて飛来したWE弾によって戦艦「クルフュルスト・フリードリヒ・ヴィルヘルム」「カイザー・ヴィルヘルム二世」の上部構造物は大打撃を受けていく。

戦艦長門が一斉射の度に砲塔を旋回させていたのは、戦術情報システムが定めた攻撃目標に従って攻撃を行った結果である。初弾で敵艦を沈める必要は無く、指揮系統を破壊するだけで十分であった。

ドイツ東洋艦隊に所属する全ての戦艦が戦闘困難ともいえる損害を受けてから15秒後に、 戦艦カイザー・フリードリヒ三世に対する本命の攻撃である戦艦長門が主砲の仰角を下げて放った主砲弾が飛来する。

今回の砲弾は先ほどの上空からの精密な面制圧を主目的としていたWE弾ではなく無誘導タイプの徹甲弾であった。

高度生産技術を有する帝国重工と言えども、戦艦主砲射撃にて生じる21000Gもの急加速に耐える複雑なシステムを量産するのはコスト的に厳しいものがあったのだ。今回の砲撃は戦闘ドクトリンと実戦テストの確認の意味と、ドイツ艦隊の早期撃滅の必要があったために使用したに過ぎない。いわば、戦術と戦略にとっての必要性である。

誘導兵器の代表格である対艦ミサイルを投入すれば今回の作戦はより完璧であったが、現段階に於いて欧米諸国に実用的誘導兵器の存在を知らしめるリスクは犯せなかった。

しかし、通常砲弾と言えども日本側が使用する砲弾は欧米諸国が使用する砲弾と比べて4倍以上の射程を有する単弾頭弾(ユニタリー弾) 型である。射程からして30000メートル未満の距離は至近距離と言っても良い。

それでも、国防軍や帝国軍の基準から見れば通常砲弾である。

ただし、通常砲弾でありながらも戦艦長門からの砲撃は弾着修正を行わずして、戦艦カイザー・フリードリヒ三世に5発の主砲弾を直撃させ、ドイツ艦隊から見て異常すぎる命中率を叩き出していた。しかも外れた3発も超至近弾である。

驚異的な命中率と言えよう。

凄まじいのは命中率だけではない。
破壊力もそれに勝るとも劣らぬものであった。

戦艦長門から放たれた8発の主砲弾の内、直撃した5発は戦艦カイザー・フリードリヒ三世の側面に張られた304oに達するクルップ甲鈑板を易々と貫通すると、その0.03秒後に特殊レニウム合金製徹甲弾の内部に納められたTNT換算190%増の高性能爆薬であるCL-20爆薬系列の75kgの炸薬を炸裂させた。その瞬時に第二砲塔の下部から閃光が煌くと耳を突くような轟音が辺りに響かせつつ大爆発が発生する。

それが収まった時には既に、
戦艦カイザー・フリードリヒ三世の船体は海面から消え去っていた。

第二砲塔の下部に直撃した砲弾炸裂による衝撃によって、
弾薬庫が誘爆した結果の轟沈である。

帝国軍と同じ砲弾にも関わらず、この距離での砲戦が可能だったのは
国防軍が有する射撃システムにあった。

帝国軍は欧米諸国と比べて優れていたものも目視照準システムしか保有しておらず、 対する国防軍はNMPレーダーと電子演算装置の組み合わせによって出された射撃データを使用する事が可能であり、それらの要素によってここまでの砲撃精度を実現させていたのだ。

飛ばせても当たらない大砲には価値は無い。

また、国防軍は戦術目標の選択手順に関してもケタ違いであった。

国防艦隊の攻撃目標を定める 優れた戦術情報システムは戦艦カイザー・フリードリヒ三世の無力化を認識すると、 一瞬の時間すら無駄にせず、"さゆり"の指示に応じて次の目標に対する攻撃に移りつつあったのだ。

それだけに留まらず、戦艦長門が戦艦カイザー・ヴィルヘルム二世に対して 砲撃準備を進める間も"さゆり"とデータリンクによって繋がっている戦術情報システムは高野の命令を受けて次なる指令を下す。

伊吹が装備する155o砲による猛射を受けて大火災に加えて船体各所のリベット剥離による止めようも無い浸水に見舞われている装甲巡洋艦「プリンツ・ハインリヒ」の状態を戦術情報システムは各種センサーによって一瞬のうちに把握すると、伊吹の攻撃目標を鞍馬との交戦によって、既に中破の損害を受けていたフュルスト・ビスマルクに変更するように指示を下していた。

また、4隻のヴィクトリア・ルイーゼ級防護巡洋艦は
既に戦闘力を完全に喪失している。

元々は装甲巡洋艦であったヴィクトリア・ルイーゼ級であったが、127o砲弾を連続して被弾することなどを想定して作られておらず、護衛艦「秋月」「照月」「涼月」が有する凶悪的な連射性能を有する95式54口径127o連装砲の砲撃によって大打撃を受けていた。護衛艦は戦艦長門が撃ったWE弾と違って、最初から直撃狙いの猛射である。

その結果、防護巡洋艦としては充実した装甲防御にも関わらず、「ヴィクトリア・ルイーゼ」「ヘルタ」「フライア」は沈没しかかっており「ヴィネタ」が鎮火しようもない大火災に見舞われていた。

どちらにしても、沈没は時間の問題である。

また、国防艦隊が満身創痍の相手に対しても攻撃の手を一切も緩めないのは、ドイツ東洋艦隊が白い旗を掲揚して機関停止を行うという戦時国際法による降伏の意を示してないからであった。どちらかが欠けていれば戦時国際法の観点から降伏とは認められないのだ。









「フュルスト・ビスマルク爆沈!」

戦艦長門の戦闘指揮所(CIC)にてレイナの声が響く。
最初の砲撃から1分半が経過している。

砲術参謀という職務が無い国防軍では艦長職に付いているレイナが
砲戦結果を総司令官である高野に直接報告していた。

準高度AIと高性能電子装置のお陰で多くの参謀職が統廃合となっている。これが、国防軍における人件費の抑制と省力化の根幹を成していた。また、軍部派閥増大に伴う利権拡大を防ぐ意味もあったが、帝国重工の完璧とも言える管理下にある国防軍では暴走などは起こりようも無く、帝国軍の手本になるように示すのが大きな目的と言える。

戦闘の流れを見て上村は言う。

「先ほどの溜弾は凄まじい効果だな……
 しかし、本当に凄いのはあれほどの命中率を叩き出す射撃システムだろうよ」

長距離砲撃にもかかわらず、上空から散布するような命中を実現させたWE弾の砲撃技術に上村は感心していた。 そして、電探装置と電子計算機を組み合わせて実現した長射程攻撃によるワンサイドゲームと言える戦闘の進展に上村は事前知識はあったが、それでも驚きを隠せない。

「全くです…」

上村の言葉に答えたのは、先ほど戦闘指揮所(CIC)に入ってきた軍令部諜報課員として中国東北部で活躍していた経歴を持つ、秋山真之(あきやま さねゆき)中佐であった。

彼には私費留学でアメリカへ留学し、軍事思想家であるアルフレッド・セイヤー・マハンの師事を受けた経験すらもっていた。史実では七段構えの戦法の立案や第一次世界大戦の結果を正しく予見すらしている。

彼は高野と上村の働きかけもあって日本国防軍との関係を深めており、次世代の戦争を学ぶ意味でこの長門に乗り込んでいたのだ。史実では作戦を練り始めると入浴せずに数日過ごすなど身なりを気にしない性格であったが、帝国重工との交流によって大きく影響を受けた秋山はかなりの綺麗好きになっていた。

高野の目的は将校交流によって帝国軍に近代戦の目を芽吹かせるだけでなく、後に秋山が小池張造らと起こすであろう、清国の孫文が行う革命運動を援助支援する「小池部屋」の結成阻止の意味も大きい。

また、台湾総督を勤めていた児玉源太郎も陸軍参謀総長の大山巌(おおやま いわお)に誘われ、参謀次長として帝国軍へと復職しており、高野や山縣の働きかけもあって秋山と同じように次世代の戦争を学ぶべく強襲揚陸艦「飛鷹」に乗り込んでいた。

児玉は史実に於いて、彼は後藤新平と共に台湾平定を行ったのを始め、日露戦争全体の戦略の立案と戦闘指揮、情報戦を優位にすべく海底ケーブルの整備、戦費の調達、アメリカを始めとした各方面への講和依頼、欧州での帝政ロシアへの革命工作、といったあらゆる局面で活躍した名将軍である。

今回の戦いで大きなものを得るであろう。

レイナの報告が続く。

「ブランデンブルクに主砲弾直撃4、
 速度7.5ノットまで低下、傾斜増大中」

既にドイツ艦隊は戦艦1隻、装甲巡洋艦1隻、防護巡洋艦3隻が沈没し、更に戦艦1隻、防護巡洋艦1隻が傾斜を増しつつ大火災に見舞われており沈没は時間の問題であった。残存戦力の戦艦2隻と装甲巡洋艦1隻も船体上にある中央構造物基部の大半が破壊されており戦闘力は激減している。

「そろそろ頃合いだな…」

高野はそう言うと、"さゆり"の方に向いて最終確認を行う。

「降伏手順を行っているドイツ艦は存在するか?」

「カメラ上には白旗の存在は確認できません」

「判った……降伏しない以上、敵は殲滅しなければならぬ。
 全艦、攻撃を継続せよ!」

普段の高野は物静かで優しい紳士であるが、戦争となれば別であった。
祖国の敵と戦う事に躊躇はしない。

傾斜横転が確実な戦艦ブランデンブルクには目もくれず、戦艦長門は戦艦クルフュルスト・フリードリヒ・ヴィルヘルムに対して砲撃を行う。WE弾によって昼戦艦橋に居た操舵手は既に死亡しており回避行動を取るどころか、見張員も全滅しており砲撃の察知すら困難なドイツ戦艦は連続して撃たれる主砲弾の着弾によって沈没していった。史実と違い、この船がトルコ海軍に買い取られバルバロス・ハイレディンとなる事はないであろう。

また、装甲巡洋艦プリンツ・ハインリヒも二隻の葛城級の砲撃によって沈没を迎えつつあった。

戦艦長門は次なる目標として戦艦カイザー・ヴィルヘルム2世に砲塔を向ける中で "さゆり"は敵艦上に何かを探知する。

「待って下さい! カイザー・ヴィルヘルム2世の甲板上にて白色のハンカチを振っている士官らしき存在を確認。熱源反応により機関停止を確認しました」

「攻撃停止!」

高野は"さゆり"の声に即座に反応した。

最高指揮官である高野の命令によって戦艦カイザー・ヴィルヘルム2世に対する攻撃シークエンスは一斉に停止する。あと10秒遅ければ長門からの砲撃が行われていたであろう。全システムを掌握している"さゆり"ならではの探知能力と言える。

「賢明な判断だな……
 降伏を受け入れると発光信号で答えよ」

高野は迅速に判断を下す。

その姿に"さゆり"は、普段の優しい高野さんも良いけど、凛々しく指揮を取る姿も良いと見惚れ、胸の動悸が少し速くなった。ただし戦闘配置という状況から副官としての責務を果たすべく、"さゆり"はその感情を内面へと必死に押しとどめる。そうでもしないと湧き上がる愛おしさを抑えようがなかったのだ。

彼女はコンマ一秒にも満たない時間の間に心の中で2回ほど深呼吸して
心を落ち着かせてから、次の言葉を放つ。

「高野閣下、ドイツ艦の監視と敵艦の生存者に対する救助活動は
 2隻の護衛艦を残せば十分だと判断します」

「少将の言う通りだな。
 よし、「照月」「涼月」を残して我々は作戦を続行する」

こうして、南海における艦隊戦はドイツ東洋艦隊を構成していた最後の一隻の降伏により、 国防艦隊の圧勝という結果で終結した。

しかし、全体の流れとしては本作戦の1フェイズを終えただけに過ぎない。そして、戦力、国力共に条約軍と彼らを支援する勢力を合わせれば並々ならぬ規模であり、日本帝国を巡る戦略環境は薄氷の上を歩く程の危険性に満ちていると言えるであろう。
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【あとがき】
帝国重工上層部しか知りませんが、戦艦の主砲弾クラスでありながらキネティック弾頭型赤外線誘導弾というゲテモノ兵器は趣味に生きる真田中将の肝いりで開発が行われたものです(笑)

性能はともかく、対費用効果からミサイルの方が安上がりと言う意味不明な要素から、今後の量産は行われません。

帝国海軍では上村中将の他には、東郷平八郎(中将)、島村速雄(少将)、加藤友三郎(少将)、秋山真之(中佐)を活躍させたいなぁ。


【ユニタリー弾ってそんなに射程があるの?】
2010年の段階で対地目標ならば有効射程が70kmに達しています。
史実における戦艦長門の有効射程が37900mだったので、その桁違いの射程が判ります。

【ヴィクトリア・ルイーゼ級って装甲巡洋艦では?】
建造時ではそうですが、1904年には二等巡洋艦(防護巡洋艦)指定となっています。


意見、ご感想を心よりお待ちしております。

(2010年02月06日)
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