■ EXIT
ワイルド・ワイド・ウェスト 10

「とりあえず馬車は欲しいです。ほろつきの」
「あとは、水と食料か」
「着替えもほしいですね」

エカテリナとウェモン、そしてジジャが、 夜明け前の荒野を歩いている。
かなり空気が冷たいが、身体は元気で気にもならない。

昨日の水辺で、水浴をしたエカテリナの服のそばに、 なぜか乾し肉と、黒く硬い皮の下に甘い果汁を含むズリの実が、 たっぷり置いてあったので、お腹も満たされている。

エカテリナは困ったような笑いを浮かべ、 ウェモンとジジャは、不思議そうに首をひねったが、 3人は誰かの好意として甘えることにした。

早めに眠って、夜明け前に、 一番近い、8キロほど離れた所の街へ向かっている。
荒野の昼間は50度にもなるため、歩きでは移動時間も限られる。


歩きながら必要なものの相談や、これからの道筋などを検討し終わると、 今度はエカテリナがジジャに教えていく。

「たとえば、ジジャさんの場合、スタイルがすごくいいので、 それを露骨に見せるのではなく、相手の興奮を誘うように、 じらすように見せていくとか、胸元をはだけ気味にして強調するとか、」

かと思うと、

「ご存知みたいですけど、歯は絶対たてないように、 唇で柔らかくしごくのがメインで・・・。」

エカテリナは即席で、娼婦の心得や、テクニックの初歩を伝授する。
ウェモンは少し苦笑いした。


クーラーシティという名の、暑苦しい町は、 徒歩で入ってきた3人組に、ひどくざわついた。

極上のエルフと色っぽい砂エルフの女、それにひどく強そうな大男。

中年の恰幅のいい男が声をかけた。
「よう兄ちゃん、そりゃあ売りもんか?」

どうやらエカテリナとジジャのことらしい。
「いーや、彼女たちは売りもんじゃない。彼女たちのサービスは売るがな。」

ウフと、エカテリナが微笑むと、男は鼻の下が一気に伸びた。

「うお、い、いくらかな?」
エカテリナがそっとよりそい、耳元にささやくようにしながら、 舌先で脂ぎった耳たぶをチロチロと弄ぶと、 男の目の玉が飛び出し、ズボンの前が突き破りそうになる。

後はもう、エカテリナの思うままだ。

『うはあ、すごい見事な・・・』

ジジャは、エカテリナの男を思うままに仕向けるテクニックに舌を巻く。

『サービスしますから、お願いしますわ』

見た目、金持ちらしいのは分かったので、 男の持ってる貸家や色々を、安く借りることになった。
ただし、タダには絶対させない。
恩を売られるのは出来る限り避けねばならない。

あくまで、きちんとした交渉ごとという、最低限の一線を引いておくのが、 裏稼業の鉄則だ。

今は興奮して言いなりかもしれないが、 後で頭が冷めてから、激怒されては始末が悪い。


「ん・・・ん・・・」
馬小屋の薄暗がりの中、舌がからみつくようになぞり上げ、 だ液の淫靡な光が、ペニスをぬらぬらと彩っていく。

唇が幹を咥え、弄ぶように蠢き、翻弄する。
うめき声と共に、亀頭が膨張するのを、 陰嚢を軽く掴み、揉みしだいて、緊張を解きほぐす。

興奮と快感、絶頂をギリギリで解かれ、また興奮する。
最高の快楽は、拷問にも等しかった。

「もう、だ、だめだ、ださせてくれええっ!」
玉ぶくろを柔らかく揉み、口に深く咥え、 喉で何度も亀頭を飲み込み、捉え、すすり上げる。

男の雄叫びと痙攣が、喉を突いた。

ドビュグッ、ドビュグッ、ドビュグッ、

ねっとりと熱い体液を、ふくみ、飲み干し、嚥下する。

最後の一滴まですすり上げ、さらにていねいに清め、キスをすると、 男は、呆けてへたり込んだ。

これほどの快楽なら、貸家の一日分ぐらい安いものだ。


貸家を掃除し、シーツを家主のツテで数枚借り出した。
もちろん、「営業」するためである。


W・W・Wは、過酷な環境に加え、リヴァール中の犯罪者が逃げ込む場所で、 人間の女性の数が圧倒的に少ない。

また、環境が合わないのか、通常のエルフは病気になってすぐ死んでしまうため、 エルフを連れてくることも出来ない。

あふれる魔力で強力な代謝能力を持ち、 平気で過ごせるエカテリナは例外中の例外と言える。

砂エルフの女性は非常に開放的で、交渉すれば気軽にSEXをさせてくれるので、 交易で彼らが訪れるたり、街の近くに部族がいると、 血の気の多い住人たちもかなりおとなしくなり、治安維持に役立っているほどだ。

めったに見ないエルフ、それも極上の美少女と、砂エルフの美人の女性。
それが「営業」するとなると、何も言わないのに、夕方の営業開始前には、 飢え切った男たちがずらりと並ぶ事になった。

ちなみに、真っ先に並んだのは、家主のオヤジだったりする。
町の男どもにも、相当宣伝してくれたようだ。


「うお・・・二人かよ。」
小さなランプの明かりの中、 胸元と腰にタオルを巻いた二人が、 瑞々しい肉体を寄り添わせてくる。

「うふふ、忘れられない夜にいたしますわ。」
家主のオヤジは、ジジャの盛り上がった胸をさわり、 可愛らしいエカテリナの尻をなで、 服を脱がせられ、身体を摺り寄せられて、両方から攻め立ててくる。

二人が別々に客を取るより、 多少高めに料金を設定し、二人がかりで搾り取り、 時間を早める作戦だ。

もちろん、娼婦テクニックの無いジジャの教育も兼ねている。

ジジャの豊かな胸で挟まれ、柔らかい肉でしごかれる。
上気した顔から、赤い舌が伸びて、膨れ上がった亀頭をチロチロと舐める。

ペニスがパンパンになり、今にも弾けてしまいそうだ。

のけぞる男の根本をぎゅっとエカテリナが締め、 危うく暴発しそうになるのを止める。

高く掲げられた尻が、タオルの影から覗き、 その間の濡れた花びらが、生唾を飲むほどいやらしい。

思わず吸い込まれるようにそこへ押し込む。

プチプチする感覚が、まきつくように絡まり、 蠢く濡れた襞が、ピンク色すら感じるほどの刺激で、 中へ、奥へ、誘い込む。

「はあんっ、すてきっ、ですうっ、ああんっ!、」
若い、瑞々しい肉体の、強烈な快感と刺激、 のしかかり、強姦するようなポーズで深く突き入れるたびに、 征服する喜悦が、ペニスの全てを満たし、さらに奥へ、奥へ、 口まで突き通してやる、と叩きつける。

頭が真っ白になり、のけぞる白い背中が目にちらついた。

ドビュグッ、ドビュグッ、ドビュグッ、ドビュグッ、

「あはあああああんんっ!!」
陰嚢がカラッポになるほど、ほとばしっていた。


強欲で知られたオヤジが、魂も抜け果てたような至福の顔で出てくると、 高めの料金に不満げな顔をしていた男たちも、 目の色を変えた。

「お、おいオヤジどうだった?」
「二人同時プレイだ、もう天国だぜぇ」

その場で数人、鼻血を噴いた。

これでウェモンがいなかったら、我を忘れて押しかける男たちに、 さぞや面倒な騒動になったことだろう。


「そうそう、お客様には出来るだけ体重をかけないのが礼儀よ。」

ジジャの浅黒い肉体が、男の上で激しく躍動し、 目の前でゆれる乳房に、夢中で吸い付き、柔らかな味わいを堪能し、 キュウキュウ締め上げてくる、締りのいい肉感に一気にせりあがってくる。

「はんっ、はんっ、ああっ、すごいっすごいっ、いいっ、いいっ!」
ジジャは唇から銀の筋を引き、 人間のペニスに、感じてしまい、腰が止まらない。

毛深い陰部が、濡れて光り、ピンクの肉がいやらしく割れて広がり、 男根が深く奥まで突き刺さり、こね回す。

「だめっ、もう、もうっ、いく、いくっ、いくううううううっ!!」

ドビュウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥッ

のけぞった濡れた肌が、びくびくと震えた。

「ジジャさん、もう少しセーブしないといけませんよ。 私たちだけが満足しては、お客様に気の毒でしょう。」
ちょっと照れながら、ジジャは素直にうなづく。

濃い目のミルクティと、クラッカーにチーズやハムをのせたもの、 缶詰の果物をあわせたものなどをぱくつきながら、一休み。

何しろ娼婦は肉体労働。お腹もかなりすくのだ。


ちなみに、砂エルフの調教用に使われる砂走りのエキスは、 元々は砂エルフたちの薬の一種。ごくごく少量なら、強力な殺精子剤になる。 おかげでジジャは中出しバンバンオッケー。


「ウェモン、次の方をおねがいしま〜す。」

ジジャは、ぞくぞくする悦びに浸りながら、唇をぺろりと嘗めた。
ひどく淫らな眺めだった。
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