月光乱舞 後編
「ん・・・っ」
もぞりと、筋肉に覆われた巨体が起き上がる。
シャアアアアア
ウェモンが耳を澄ますとシャワーの音がする。
エカテリナはすでに起きてたのか。
「よお、シャワーか?」
どこか子供っぽい所があるウェモンは、
ひょいとシャワールームに顔を突っ込んだ。
これでエカテリナがキャッと黄色い声を上げるのが、
日課のようなものなのだが、
エカテリナは、ボーッとした顔で、冷たいシャワーを浴びていた。
魂をどこかにおいてきたような顔で、
しかも、シャワーは氷のようなそれを浴びている。
「おい、かぜ引いちまうぞ」
熱いシャワーに切り替えると、
水にぬれた顔が、ほんの少し小首をかしげた。
ぺたぺた、
下にタオルを巻いただけのウェモンに、
焦点の無い目をむけ、水滴に輝く身体を寄せた。
『どうしたんだ・・・?』
ひどく冷たいのに、どこか異様なエネルギーを感じた。
ウェモンにしがみつき、身体をこすりつけ始める。
「はああ・・・・ああ・・・んん・・・ああん・・・」
異様な艶のある声が、シャワールームに響き、
身体が痺れるような肌触りが、胸板からへそ、そしてその下に、
強烈な刺激となって、吸い付き、こすり付けてくる。
ドキン、ドキン、ドキン、
耳に響く声、心臓の高鳴り。
やわらかい内股が、強く締め付け、
濡れてトロトロの柔肉が、たくましい腿にこすり付けられる。
ウェモンの息が苦しくなり、
淫乱に悶え、体ごと異様な迫力でこすり付けてくるエカテリナに、
理性がドロドロに熔解した。
ブチャッ!
はちきれそうになった男根が、ギリギリと血管を浮き立たせ、
開きかけた花芯に、突き刺さった。
「んはあああんっ!」
軽い身体を、ヒザごと抱えられ、
背中をシャワールームの壁に押し付けられ、
あそこに、凶暴な男根が突き刺さった。
ゴリゴリゴリッ
柔らかい内側に、火花が散るような突入。
小さな足先がガクガクと、痙攣を繰り返す。
グチャッ、グチャッ、グチャッ、
たくましい腰が、根本まで突き入れ、
軽い身体を引き上げ、突き上げ、跳ね上げる。
「んはああっ、ああんっ!、あふうっ!、あっ、あああっ!」
脳天まで響くような律動、
身体をつきぬくピストンに、
次第に、エカテリナの声が変わってくる。
淫乱で、爛れきったような声が、
次第に、瑞々しい、心地よい声に。
「んはあんっ、深いっ、深いよおっ、ウェモンっ!、あっ、どっどうしてっ、ああんっ!」
ようやく理性が戻った声で、いつの間にかSEXしていたかのように、
だが、ウェモンの屹立したものが、底に突き当たる衝撃に、意識が砕ける。
興奮しきって、たたきつけるそれに、エカテリナの意識も持たない。
身体と身体が、深く激突し、欲情のみが絡み合い、貪りあい、深く突き抜けた。
「んはああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」
ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、
「朝からお盛んねえ・・・」
ルイーデは、ちょっとあきれたような声で、
朝っぱらからツヤツヤしているエカテリナと、
げっそり頬をくぼませたウェモンを、交互に見た。
もちろん、エカテリナは真っ赤になってしまった。
何でこうなったのか分からないまま、
気がつくと、シャワールームでウェモンから激しく責められていて、
奥にズドンッズドンッと、当たる衝撃に・・・
湯気の中で、真っ白い裸身が、激しく上下し、
濡れた背中がタイルの壁にこすれる。
可憐な淫花が、今にもちぎれそうに広がり、
巨大な男根が、深く、奥まで・・・・
さっきまでの痴態を思い出し、あそこがまた濡れる。
『んもおおっ、どうしてこんなにHなんだろう・・・』
ますます、エカテリナの頬が赤くなった。
「まあ、ウェラの満月は、さかりやすいっていうから、私も経験あるしね。」
さすがはルイーデ、ケラケラと何事も無いように笑った。
年に一度だけ、二つの月が同時に満月になるウェラの月。
そのときは、色々不思議な事が起こると言われている。
非常にさかりやすくなるのも事実らしい。
誕生日を逆算すると、ウェラの月に仕込まれたらしい人間は異常に多いのだ。
「ただね、なんか変な事も起こってるから、気をつけてよ。」
「何です?、変な事って。」
ウェモンが目を光らせる。
本来ガードとして雇われてる彼は、さすがに生気を取り戻す。
「昨日ね、ゴロツキのグループ7〜8人が、素っ裸で転がってたのよ。
全員、今朝のあんたみたいな顔色だったらしいけど。」
ルイーデは、グラムリンクシティ歓楽街を取り仕切る顔役の一人、
いろんな情報は真っ先に入ってくる。
ウェモンは酢を飲んだような顔をした。
「あと、今日はご予約が入ってるわ。マーカー・ベッキム氏よ。」
「あのトラゼコ市のですか?。レムニングループのご子息でしたね。」
うふ、とルイーデは微笑む。
エカテリナと出会う前のルイーデだったら、
この予約だけで舞い上がっていたことだろう。
だが、客のインフレーションというのか、
あまりにすごい客ばかりを引き寄せてしまうエカテリナに、
大企業の御曹司で、実力のある議員という上客でも、驚かなくなった。
「議会中堅層のまとめ役か・・・」
ちらっとウェモンがルイーデを見た。
「だいじょうぶよ。誰の紹介かなんて、かえって気にしない方が安全よ。」
ルイーデは、あっさりウェモンの心配を読み取った。
最近議会筋の、やたら上客ばかりが来る。
ウェモンのカンが、妙なにおいを嗅いでいたが、
ルイーデは平然としたものだった。
エカテリナがハーフエルフと知って、目を丸くする客もいるが、
帰る頃には、みな呆れるほど溺れきってしまい、
ルイーデにいいように手玉にとられる羽目になる。
その上、エカテリナの大半を独占しているのが、
鉱山王ガッハと、フェリペたちときては、どんな偉い客でも、
すごすごと引っ込むしかない。
そのため、かえって引き込まれてしまう客が続出している。
妙なもので、上客ほど、困難な女に燃えてしまうらしいのだ。
煌々とした月が、恐ろしく巨大に見える。
二つの月は、お互いを照らしあい、
夜の闇は、異様な艶を帯びる。
青白い光が、闇を優しく照らし、
内側の自分が、外へ飛び出してきそうな夜。
少しぐらいおかしくなっても不思議ではない、
月の狂気が、夜をいっぱいに満たしていた。
ガサッ、ガサッ、ガサッ、
草むらの、激しい葉ずれの音。
「んはっ、はっ、ああんっ、んっ、んん〜〜んっ!」
淫らで、したたるようなあえぎ、
ジュブッ、ジュブッ、ブチュッ、グチュッ、
焦点を失った目の男が、
ペニスにあやつられるように腰をくねらせ、突き上げる。
白い羽が散り、肌を伝う汗が光る。
ズムッ、ズムッ、ズッ、ズブブッ、
肉襞のうごめきの中、硬く熱した男根が、
掻き分け、襞を削り落とすかのように、白い腹の奥で律動する。
細い足首を掴まえ、長い脚を折り曲げて広げられて、
むき出しにされた秘所に、2本の男根が、膣を突き上げ、尻の穴を突き広げている。
金髪の頭が、手に激しく揺らされ、
唇の滴りがプチュリと零れ落ちる。
広がった口の中に、生臭い体液がたっぷりと溜まり、
肉厚の亀頭が、喉をこすり、
唇を血管が刺激する。
とろんとした顔のエカテリナは、揺らされるままに、
口に受け入れ、なめずり、すすり上げる。
手に握らされたペニスを、乳にあて、乳首に押し付け、
細い指が絶妙の動きでしごき上げる。
脇の下にも押し付けられ、柔らかい肌に、精液の匂いがプンプンする。
柔らかい羽が散り、
あたりを幻想のように照らす。
白い背中には、柔らかそうな肩甲骨の動きが淫らに陰影をつけるだけ。
背中の白いなめらかな筋に、ねじつけられたペニスが跳ね、痙攣し、ドクドクと精液をかけ散らかす。
突き入れられた膣に、何度も痙攣が走り、子宮になだれこむ。
アナルが震えるたびに、濃いザーメンが腸を犯し、あふれる。
搾り出したペニスが、唇に、舌に、指に、乳房に、
きれいにされ、すすられ、刺激され、さらに興奮する。
交代する男に、足が広がり、尻を広げられ、突き上げられる。
揺れ動く。
「んはんっ、あんっ、あああっ、あっ、あっ、ああっ!」
喘ぐ口に押し込まれ、交代した男が狂ったように突き上げ、
何度も何度も、注ぎ込んだ穴に、また突っ込む。
脇の下に、ビクビク感じるペニスが、
乳首を何度も犯す亀頭が、
膣を犯し、子宮口を突きまくる感覚が、
尻を掴み、広げ、こねまくられる快感が、
「んうっ!、ううっ!、ううんっ!、んっ!んっ!、んふううんっ!」
何度も、何度も、声を上げて、
腰をくねらせて、胸をすりつけて、舌を絡みつかせて、
エカテリナは、ただ無心に、セックスの極地へ堕ちていく。
ルイーデの館で夢中で搾り取り、眠ってしまった客。
自分がなぜここにいるのか、そんなことはどうでもいい。
うめき声と、息が止まりそうな脈動が噴き上げる。
「んはああああああああああああああああんっ!!」
ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、
うめき声と、突き上げる快感が、意識をバラバラに砕きつくす。
尻をこねくり、突きまくり、身体が、折れそうにのけぞる。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
そりかえった背筋に、精液の槍が突き抜ける。
中に、いっぱい出てる、出てる、出てる、出てる、
ガクガクする腰めがけて、突き入れ、射精する。
精液がお腹にいっぱい泳ぎ、
中がドロドロにあふれて、
白い身体を、桃色に染めて、
エカテリナは快楽をただただ、月光を浴びながら貪る。
押し倒されて、腿を広げられて、また両方に突っ込む。
「んふああああっ!」
身体が草むらに這い、草と土にまみれ、体液がつんとにおい、
中にめり込む感覚が、ビクビクと肌を震わす。
白い肌に月光が跳ね返り、
反りかえる裸身を、さらに美しく照らし、肌についた草が、青いにおいを放つ。
蹂躙される、突き上げられる、尻がきしみ、膣がわななく。
口に押し込まれ、喉まで串刺しにされて、
喘ぎ、悶え、のけぞって。
狂う、狂う、月光に狂う。
「NNNっ!ンっ!、うっ!、ううっ!、んぅっつ、んっんっ」
愛しい男たち、愛する男たち、かすかに犬歯が光る。
首筋に赤い刻印を刻まれ、真っ白な意識のまま、性欲をふるいまくる。
彼女を追ってきた『リヴァール魔道監査員』たち、彼らはもう、何も覚えていない。
ただ、己の欲望を、主に満たさせるだけ。
「うふふふ・・・かわいい、かわいいわあ、あなたたち。」
この数日、異様な波動を感知し、グラムリングシティを探索していた彼ら。
白と黒の羽を生やし、彼らの前に現れた魔女。
その姿は、性をすすり、人間を奴隷とするサキュバス。
金色の目にとらわれ、唇を受け、首筋に打ち込まれた快楽。
脳髄は蕩け、理性は失われ、ただ愛する主につかえる。
腿の柔らかな肉、それに引き込まれる悦び。
何を思いわずらうことがあろう。
よろこび、喘ぐ主に、己の全てを注ぎ、突き入れ、かき回す。
「んああああっ!」
声よ、快楽の声よ、歓喜の声よ、
忘れよ、忘れよ、何を追ったか、何を探したか、
グラムリングの闇に、聞こえた波動は、何も無い。
ただ、裸の腰を振り、悦びあえぐ瑞々しい裸身に、
突き刺し、飲み込ませ、浴びせかける。
一人、また一人、失神していく男たち。
またがる腰が、淫らにくねり、淡い茂みがこすれあい、濡れた雫が糸を引く。
絞り上げるペニスが、膣内で沸騰して、ほとばしらせる。
「んはああああんっ、熱いっ、熱いっ、すごく、熱いのおおっ!」
エカテリナは、淫らに、奔放に、声を月光に広げ、
精液に底までまみれて、悦び、悶える。
全員の記憶を吸い尽くすまで。
明日には、数日の記憶を失い、誰も何も知らぬ。
もはや彼らは、彼女を見ることも感じることもかなわぬ。
最後の一人が、失神した。
だが、周りにおびただしい気配が寄り付く。
しなやかな裸身が、うっとりと、よってくる男たちに、
淫らな視線を投げかける。
月光に誘われ、エカテリナの体臭に引き寄せられ、
茂みの奥に掻き分けてきた獣たち。
ベルトを下ろし、ペニスをむき出しにする男たち。
彼女の体臭が、媚薬の効果を持ち、男たちを性欲の奴隷としていた。
赤い舌が、唇をヌラリとなめた。
唇を開き、脚を広げ、膣をさらけ出して、
無数の男たちに、貫かれて、
濁液が、穴という穴からあふれ出す。
「んうっ、んうっ!、ううっ!、うぶっ!、んっ!、んうっ!」
いい、ああ、いい、何もかも、忘れる。
忘れられる。
嫌な事、忘れたい事、何も見えなくなる。
オチンチンが、底に、お尻に、喉に、胸に、身体中に。
ガクガクする美麗な肢体、
突っ張る足先、
精液が、顔に、身体に、胎内に、情け容赦なく射精される。
消えて、消えて、嫌な記憶消えて。
ペニスにしがみつくように、男にしがみついて悶えまくるエカテリナ。
涙すら流し、歓喜に震え、伏して犬のように犯されて悶える。
「んはああんっ、あんっ、ああっ、してっ、してっ、もう、もう、壊してっ!」
誰でも、誰でも、していいから、犯していいから、
声を上げて、男を引き寄せ、
奴隷のごとく服従して受け入れ、
前も後ろも、口も手も、胸も髪も、ドロドロの白濁にまみれ、
なお男に跨り、咥え込み、腰をくねらす。
快楽の火花が、白く輝く。
悦楽の波動が、嫌なことを突き放す。
暗い雨の記憶が、何かの赤い記憶が、落雷とおぞましい記憶が、
消えて、消えて、消えて、
口にあふれる精液が、とてもたまらない甘美、
アナルに、痙攣とともに打ち込まれる、ばらばらになりそうに感じる。
ヴァギナを、子宮まで突き刺して、中に撃ちまくられる精液。
「んはああああああんっ!!、あんっ!、ああっ!、すごい、すごい、すごいのおおおっ!」
忘れさせて、忘れさせて、何でもしてあげる、
誰でも飲んであげる、いくらでも輪姦して、嬲って、メチャクチャにして・・・。
草に寝転がり、手を開くエカテリナに、次々と、男たちがのしかかり、突っ込み、犯し続けた。
どことも知れぬ男たち、無数の欲望と暴力的な陵辱、
それだけが、エカテリナの忘却の薬。
入れ替わる男たちに、腰を突き上げ、手を伸ばし、ひたすらすすり続ける。
「んっ、んうっ、んうっ、んっ、んうぶ!!、んん〜〜っ!!」
この三日、毎夜のように続く魔宴。
強烈な二つの満月が、エカテリナの何かを揺さぶり続け、
ただひたすらSEXに狂い続けることで、
サキュバスと化してまで忘却を繰り返していた。
『ウェラの満月』狂気の三日間が、ようやく終わろうとしていた。
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