■ EXIT
奇妙な空白2

「エ・カ・テ・リ・ナ・ちゃああああああああああん!」
静けさや神々しさが一気に吹っ飛び、エカテリナの目が点になる。
思いっきり甲高い、にぎやかな声。

「やあああん、かわいい!、見てた以上に、何倍も可愛い、可愛い、可愛いいい!!」
いきなり抱きしめられて、振り回され、 雨あられとキスを降らされ、エカテリナはとまどうばかりだ。

「んっ!、んんっ!、ん・・・、んふ・・ん・・・」
突然ディープなキスに変わり、 舌が熱烈に絡み合う。 一気に流されそうになるのを、逆襲して絡み帰し、 ピンクの唇が濡れてぬめぬめと光りあう。

華麗な指先が、エカテリナの胸をもてあそびだし、きゅううっと乳首が立ってしまう。
『やっ・・・、この人、上手っ!』
こういうのをライバル意識とでも言うのだろうか?。
性の遊びのテクニックでは、エリート教育を受けたエカテリナは、 負けないわよっ、と指先を走らせ、背筋をなぞりながらもう片方の手で乳輪の周りを責める。

ゾクゾクゾクッ

フェザータッチの指先に、 今度は相手も快感に身を震わせ、エカテリナの耳をなぞり出す。
『あっ、ああっ、まずいっ』

元々エルフは耳が敏感なのだが、エカテリナはそれが特に強い。
キスをぷはぁと解くと、相手の耳に唇を這わせる。
背丈は相手が高いが、もつれ合ってしまっているので、 耳の特に敏感な付け根付近から、舌と唇でもてあそぶ。

「あひっ!、あっ!、ああっ!、だめ、そこだめええっ!」
「んっ!、んふっ!、んんんっ!、んーーーーっ!」
それでもお互いに、絶妙のタッチと口使いを止めず、 快感の波にさらわれあい、身体を桃色に染めてヒクヒクと震えあった。

細く若木のようなしなやかさを持つエカテリナと、 スリムだが成熟した肢体を持つ女性が、脚を絡め、身体をこすりあい、 おびただしいしたたりを光らせてもつれ合う、 絶頂の波が、押し寄せてくる。

のけぞる身体が、最後の頂点を欲して、 お互いの秘所を激しくこすりあった。
クリトリス同士が、火花を散らすような快感を走らせた。

「すごいっ、スゴイイッ、あっだめっいく、いくいう、うううぅああああっ!」
「とまんないっ、あっ、ラえっ、だっ、あっ、はひっひいいいいいいいいっ!」
られつすら回らない二人は、 あそこを熔けるほど密着させ、痙攣を激しく伝え合った。

ガクガクガク、ガクガクガク、

ドロドロのミルクの中に、全身がとろけて落ちていくような、 終わりの見えないエクスタシーが、 二人をどこまでも落としていった。


「わ、わたし・・相手に、ここまでやるなんて、ヒイハア・・やるじゃない。」
「あ、あなたも、こんなに、イったの・・・・ハア、ハア、・・・初めて・・」
手をつなぎ、お互いの蒼い潤んだ目を見つめあいながら、 健闘を称えあう(?)二人。


状況の異常さとか、相手がレズビアンとか、 そういうことはすでに眼中に無いエカテリナ。 もはや彼女にとって、『SEXするのに理由はいらない』なのである。
ことSEXに関しては、別の境地に達してしまっているらしい。

『妖』は、二人の痴態をあきれたように見ていたが、 次第に恍惚とした視線となり、二人の淫らで美しいSEXに心底楽しんでいた。

『ミューン、ずいぶんと気に入ったようだね。』

へえ、ミュルス一族の崇める聖母様と同じ名前なんだ。
エカテリナは、美しいエルフの女性に、 単なる情愛だけではない嬉しさを感じた。

はるか古代、まだ国というものが無い時代。
エルフもまだ、大地にほんの一握りしかいなかった頃、 大地の女神を信奉する女性たちが、さまざまな祝福と奇跡、 そして種族を増やす喜びと技術、すなわちSEXと医療の技術と知識を広め、 エルフの繁栄に大いに貢献したと言う伝説がある。

彼女たちを統率し、指導し、 自ら先頭に立って世界を巡ったのが聖母ミューンという女性だった。

『産めよ増やせよ、地に満ちよ』
村々をめぐり、淫らだが喜びに満ちた宴を開き、 おおらかに性技を自ら教え、自分も無数の男性と交わった。
大勢の子供を産み育て、 または、子の無い親たちに欲しがられ、授けられた。 特異な力を持った子供たちは、祝福を受けた子として、 大切に育てられ、エルフの繁栄を支えたという。

エルフたちに性に関するタブーが少ないのは、 そういう伝説をおおらかに受け入れ、 むしろ誇りとする感覚があるからかもしれない。

「それにしても、ミューンさんすごいテクニックでしたね。」
今度はミューンが苦笑した。
「いえいえ、あなたも凄かったわよ。あやうく負かされちゃうかと思ったわ。」

『おやおや、両刀使いのミューンも、形無しだね。』
「やあねえ、博愛主義者と言って。」
可愛く頬を膨らませるミューンに、エカテリナも思わず笑い出す。
ミューンは蒼い目を、エカテリナに向けた。

「そろそろあなたも気づいてると思うけど、 ここは『妖』の想像の世界と言った所なの。」

周りに指差しながら、ミューンは話し出した。
「ただし、私は本体はいないわ。これは、」
美しいベル型の乳房にそっと手を置いた。
「“ミューン”のパーソナルデータ。」
言ってみれば、本体から知識や感情、個性を写し取ったコピーなのである。

『妖』が横から口を出した。
『私は奇妙な能力があってね、相手の同意があれば、丸ごと覚えておけるらしいのだよ。

「ということは、他にも?」
またも『妖』が苦笑する。
『他にも何名かいることはいるんだが・・・』

なんとなくその意識がミューンの方へ向いた。
ミューンはきまり悪げにあさってのほうを向いてしまう。

『彼女にもてあそばれ尽くして、もう起こさないでくれと眠ってしまったよ。』
快楽主義者で底無しの性欲を持つミューンがいたずらを仕掛けると、 ほとんどの相手はなす術も無くもてあそばれて、 再起不能に近いダメージを受けてしまうらしい。

実際彼女とSEXをして、相打ちに持ち込めたのはエカテリナが初めてだった。
『それに、データたちは眠ると起こされるまで起きないしね。』

パーソナルデータは肉体が無い。物理的、生理的な変化が一切無い。
そのため起きる必要性もない。


「私は海で漂流している所を、『妖』に助けてもらってね」
あせって急に話題を変えるところが何ともほほえましい。

「エカちゃんも見たかな?、触手の中に入れてもらって、粘液に包まれて、 あれってすごい気持ちいいのよね〜。 イキ狂っちゃって、一週間ぐらい連続で感じちゃったわ。 このまんま本体ごと愛人になっちゃおかなとか、一時は思ったわ。」

『え、エカちゃん・・・^^;』
今度はエカテリナが困った顔をしながらひきつった笑いを浮かべた。
あまりの刺激と快感に、発狂しかねない快楽では怖すぎる。

「でもまあ、色々やらなきゃならないこともあって、最後は上陸したけどね。」

だから、本体のことは以後はわからない。
ただ、一人でいるのも飽きたので、彼女も眠ることにした。
それを目覚めさせたのが、エカテリナの思念だった。

「なーんかあなたには他人の気がしないのよ。」

見ててHは好きだし、精液大好きだし、乱交大好きだし、 オークともSEXしまくっちゃうし、誰とでもOKだし、 『そ、そういう意味で似てるって言われても・・・』
エカテリナは、だんだん聞いてて恥ずかしくなってくる。

「もしかすると、血がどっかでつながってるのかもね。」
嬉しいような、嬉しくないような、何とも言いようが無い顔をするエカテリナ。

がばっとエカテリナを抱きしめると、 豊かな胸が顔をぷにぷにと刺激する。
「うっふふ〜〜、もっともっと、スキンシップしたいなぁ〜」

ざわっ、いやな予感がした。
「『妖』ぃ、あれちょうだい。」
青い世界の中に、シュルシュルと触手がのびる。
絡み合い、ねじれあい、細く固まっていく。

「え・・・え・・・?!」
黒い触手が、そりかえったペニスを二つつなぎ合わせた形になった。
ご丁寧に陰嚢(それもかなり大きめ)までついている。


「えっ、ちょっ、ちょっと、まって?!」
あたふたするエカテリナに、長い脚と、細い腕がしっかりとからみついて離さない。
「やだ、待たない。」
かなりデカイ、20センチを超えるそれを、ほんの少し眉をしかめて、 自分の中に押し込むと、エカテリナの可愛らしいお尻をぐいと引きずり寄せる。 男性並みに力があるらしい。

「ちょっとまってくださいいいっ!」

ズブッ

「ひぐうっ!」
蒼い目を潤ませ、エカテリナは悲鳴を上げた。

あそこが軋みそうなそれが、ギチギチと押し込まれた。
その上、

ビクッ、ビクッ、ビクッ、

「こっ、これっ、脈打ってっ、ひっ!、あひっ!、そんあっ、掻き回さ、ないで・・ひっ!」
強姦同然に犯され、激しく狂おしい律動が、 あっという間にエカテリナの抑制をぶち破る。

まるで男性の怒張しきったそれのように、 血管は浮き出しているわ、脈動はしているわ、 ひどく熱いところまで、ペニスそのもの。
それがエカテリナの粘膜を感じて、さらにギンギンにそりかえり、 ミューンは情け容赦なく激しく突き上げる。

「あんっ!、ああっ!、エカちゃん、いいっ!、すごく、びくびくしてっ!」

清楚で気高い美貌から、淫乱で淫らな笑みに変わり、 紅潮した頬が美しく染まる。これはもう強姦(レイプ)だ。

自分の中に突き刺した部分が、エカテリナの内壁のビクビクする動きを克明に伝えてくる。
レイプしながら、自分もレイプされ返す。
ミューンは凄絶な快感を楽しみながら、 ざっくりとエカテリナを突き上げ、探りまわす。

軽々と小柄なエカテリナを抱え上げ、M字型に脚を開かせて、 下から彼女自身の体重で貫かせる。

もちろん、性欲の奴隷となっているエカテリナに、 この攻撃を避ける術は無い。

「んはあっ!、はあっ!、ああんっ!、くるっ!、はあっ!、奥までっ、はひいいっ!」
涙を浮かべ、あえぎながら、 自分から、突き入れる動きに合わせ、腰をしなやかにくねらせ、 青の闇の中に、美しく伸びやかな裸身をはわせ、 悶え、のたうつ。

あそこを強く、弱く、複雑玄妙なリズムで締め付け、 ミューンの快感をも引きずり出す。

「ひあっ!、んぁっ!、こっ、こんなっ!、エカちゃんっ、あひっ!」
双頭のディルドーは、えぐり返す動きで、ミューンのGスポットを探り当て、 自分の快感に悶えながらも、ミューンのこをこね回す。

犯していた方も、いつしか犯され、 青い目は潤み、金髪が激しく震え、波打った。

金の髪が、打ち振られ、波となって広がる。
いつしか犯していた者は、犯され、 のしかかっていたミューンはのけぞり、そのまま後ろに崩れた。

「はひいいっ!」
エカテリナの細い裸身は、あそこをつなげたまま、しなやかに起き上がり、 身体を向きを変えた。
あそこがひねられ、ぬらりと滴りをこぼす。

「あひっ、あひっ、はああっ、はあっ、」
「みゅ、ミューンさん・・・、んはあんっ!」

腰がくねり、突き出される。
ミューンがのけぞり、わなないた。

「はひっ!、はひっ!、ひっ!、そっ!、そこはっ!、やめっ、いく・・ひっ!」
エカテリナは朦朧とした目のまま、ミューンの足を広げ、腰を激しくくねらせ、突き出す。
打ち付ける動きが、2人の女の声を蕩かせ、 こすれあう柔肉が、お互いの快楽をとめどなく引きずり出す。

肉が硬いものでえぐられ、えぐり返す。
襞が、激しくうごめき、その動きが、また伝え合う。

「こんなっ、こんなっ!、かんじ、るっ!、感じちゃ・・ううっ!」
美しい乳房がこすれあい、嬲りあう、 赤い唇がお互いを求め、滴りをすすりあい、銀の糸を引き出し、こぼしあう。
蕩けきった下半身が、快楽をむさぼり続け、 腰が求め合い、広がりあい、こすれあう。

白い火花が、2人の脳髄を沸騰させる。

「いくっいくっいくっ、いくわああああああああああああっ!!」
「いっちゃういっちゃういっちゃう、ああーーーーーーーーーーっ!!」

ドブビュウウウウッビュグウウッビュグウウッビュグウウウッ
ビュドバアアアアッビュバアアアッビュバアアアアッビュバアァツ

にえたぎるような放出が、2人の中に爆発した。

ビクンッビクンッビクンッ、

濃い粘液が、子宮を犯し、胎内を蹂躙した。


□□□□□ ディープ・リアクション □□□□□

ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、

2人は重なり合ったまま、荒い息を吐き続けた。
「これって・・・ほんものみたい・・・ですね・・・」
「うふふ・・よくできてる・・・でしょ・・・」

濡れた瞳が輝き、赤い唇が甘い息を吐く。
汗まみれの身体が、ぬらぬらと光っていた。

「精液も本物そっくりだしね、妊娠ぐらいできるわよ。」

エカテリナの顔がひくつく。

「じょ、冗談ですよね?」

「あらん、精子は作り物だけど、『妖』はきちんと核に私の遺伝子を詰め込んでるわよ。

海底で退屈してるから、凝り性なのよね。」
『ついでに、私も珍しい感覚を楽しむのは好きだ。 なにしろ、これは私の一部だからね。』

思わず、目が点になるエカテリナ。
さすがに人でないだけに、悪意も何もありはしない。
その分目いっぱいタチが悪いが。

「ええと、でもここは精神世界・・・ですよね。」
「心配しなくても、快感が本物に感じられるように、 本体の方で中に射精してるわ。だから、感じてるのはホ・ン・モ・ノ」
ミューンがにまーっと悪魔の笑いを浮かべた。

「エカちゃんを妊娠させちゃうかもって、ワクワクするわあ。」
ちょっ、ちょっとおおおっ!?

「それにねえ、本体を封じ込めてる粘液は、解毒、再生、回復、 何でも出来ちゃう万能液でね。 もちろん、避妊薬なんて無粋なものはさっさと分解しちゃってるはずよん。」

女性相手に妊娠?!、 さしものエカテリナも、これにはパニックにおちいった。

「ちょっ、ちょっとそれはあんまりですぅ!」
だがしかし、ジタバタあがこうとしても、 ミューンのしなやかな手足は、蝶を捕らえたクモのようにがっちりと捕まえて離さない。

すっぱだかの女性二人の絡み合い、それだけでも鼻血が出そうな光景だが、 あそこがつながったまま、ヌチャヌチャと卑猥な音がする。

『妖』の意識の光球は、面白そうに明滅していた。

「ふっふっふっ、だあ〜〜め。徹底的にやっちゃいまあす。」
急に手足を解かれ、エカテリナは反射的に身体をのけぞらせようとする。
だが、頭がしなやかな指に捕らえられた。
お尻ががっちりと掴まれている。

目の前にいて、頭を捕らえているのは、ミューンだった。
後ろからエカテリナのお尻を押さえているのも、ミューン!。
エカテリナをがっちり押さえ込んでるのも、ミューン?!。

「え??ええええええ!!??」
「あらん、そんなに驚かなくてもいいじゃない、単なるコピー体なんだから。」
パーソナルデータであるミューンは、 短時間なら、複数のコピー体を作る事ができた。

ぐいっと押さえ込まれ、抜けかけたディルドーが膣をずぶりと突き通った。

「あひいいいっ!」

ビクビクッ

肉感たっぷりのディルドーは、脈打ちながらエカテリナの奥までめり込んだ。
それだけで、彼女は軽くイッてしまう。
その感覚がミューンにもジンジン伝わり、 妖しく淫蕩な笑みを浮かべさせた。


「うふふふ、可愛いアナル・・いただきまあす」
「やっ!、だめえええっ!」
ピンクの舌が、細く伸ばされ、 ジタバタあがくエカテリナの尻を強い指先が広げて、 文字通り舌なめずりをしながら、ムニムニともぐりこませた。

「ひぎいいいいっ!」
すぼまりを丹念に嘗め回し、探りまわし、 次第に広げ、もぐりこんでいく。

嘗め回されるリアルな感覚が、身体を次第に束縛していく。
アナルがゆるみ、広げられ、舌先でレイプされていく。
しかも、ヴァギナは激しく突きまくられて、 そちらからも、理性はどんどん突き崩される。

「はひっ、はひっ、あああ・・・」
涙目であえぐエカテリナを、ミューンの分身体はいとおしげにキスする。

滴る精液をこすりつけ、巨大なディルドーは後ろからエカテリナを襲った。

「ひぎっ!、だっだめっ!、裂けちゃ・・あひいいっ!」

ゴリッ、ゴリッ、ゴリッ、

容赦も何もない突入で、アナルが無理矢理に犯される。
ゆるみかけた薄茶の愛らしいすぼまりが、今にも裂けそうに広げられる。

触手から作られたディルドーは、それ自体粘液を分泌し、 強引に押し通りながらも、すべりを良くしていく。
絡み合ったねじれは、ゴツゴツしていながらエカテリナの内部を傷つけぬ。
「はぎっ!、はっ、はあっ!、だっ、だめえっ!、いっちゃううっ!」
痛みより快感を強く引き出され、 涙目になりながら、尻を微妙に降り始めていた。


「もちろん、お口もちょうだいねえ。」
可愛らしい清楚な唇に、不似合いな巨大なものを押し込まれた、 が、ディルドーは口にいっぱいになるぐらいの太さに変わり、 ちょうど良く、口の中を犯していく。

ジュップ、ジュップ、ジュップ、

下から腰を跳ね上げ、膣の柔肉を貪るように貫いて、 エカテリナの頭を左右に振れさせる。

『うあ・・・な、なんで・・・匂いと・・味が・・・』
強烈な臭気が、口と喉に広がり、鼻へツンと抜ける。
しかし、それがゾクゾクするのだ。
「ん・・・んっ?!」

「ほっほっほっ、どおエカちゃん。あなたが一番印象深いチンポの記憶、 たぶんオークのそれだと思うけど?。」

ドロリとした、体液。
濃厚で醜悪な匂い、鼻にからみつくようなそれが、 背筋からアヌス、ヴァギナをゾクゾクと震わせる。

「あなたが一番感じたそれを、感じてちょうだい!」
ビクッビクッビクッ、
エカテリナの記憶の中から、一番狂おしい感覚が引きずり出される。
無数のオークたちから輪姦された記憶。
そのときの、凶悪な暴行の感覚。

凶器のようなペニスが、次々と押し込まれ、 連続する激しい射精と、貪りつくされる狂乱、 焼け付くような記憶が、のたうつエカテリナに突き入れられる。

「んうううっ!、んっ!、んっ!、んうううううっ!」
苦痛と快楽のギリギリの境界、 触手のディルドーはエカテリナの中を感じ取り、 みっちりと満たす形と大きさとなって、 動くたびに、うめきと、あえぎが零れ出す。

『なんて・・・なんてっ・・・・!』
可愛らしい乳首に、妖艶な唇を合わせ、 舌先がヒルの様に乳頭を嬲り、転がす。

ビクッ、ビクッ、ビクッ、

エカテリナの身体が、そのたびに震え、愛液がどっと噴き出す。

激しく腰を使いながら、 首筋から背筋を、嘗め回す。 ミューンはしなやかな身体をくねらせ、 骨が無いかのような柔らかさで、背中の快感スポットを責め立てる。

ジュコッ、ジュコッ、ズブッ、ズブッ、 上下から律動が突き刺さり、 エカテリナの秘所を徹底的に貪っていく。

「んううっ、んっ!、んううっ!、んんっ!、んっ、ん−−−っ!」
さしものエカテリナも、これだけのテクニックと、 容赦の無い快感責め、そして再現する狂乱の記憶に、自分を見失いそうになる。

もう理性も意識もドロドロで、失神しそうだった。

「ああ〜〜、いいわあ、いいわあ!」
「最高よ、エカちゃんんんっ、」
「ああんっ、いっちゃう、いっちゃうわあああ!」

だが、ミューンも無事ではいられない。 何しろ入っているのは双頭のディルドー。

アナルに突き入れる粘膜の感覚は、ミューンのヴァギナにも突き刺さってくる。
唇と舌で絡み付いてくる蠢きは、胎内をざわざわと這いずり回る。

エカテリナの子宮を小突き上げるたびに、 小突き返されるのも、からみつく粘膜の蠢きも、彼女自身に跳ね返ってくる。
赤らめた美貌を、激しく振り乱し、 美麗なラインを描く腰を、下品なまでに激しくしゃくりあげ、 今にもイキそうな顔で、エカテリナと絡み合う。

「んんううっ!、んうっ!、んんーっ!、んーっ!」
エカテリナが激しくうめき、身体を突っ張らせる。

「あひいっ!、だめえっ!、いくぅっ、いくうっ!」
咥えられているミューンが、指を噛み、腰をわななかせる。

「止まんない、腰があっ、止まんあいいいいっ!」
アナルを突きまくって、真っ白い尻肉を掴んだまま、悲鳴を上げる。

「あたるうっ!、あたっちゃうのおおっ!、だめえっ!、だめええっ!」
ばね仕掛けのように、腰を振りたて、エカテリナの子宮を突きまくり、 飛沫が、腿までたれて、のた打ち回る。
その淫乱極まりない表情は、よだれすら垂らし、 舌を犬のように出してあえぎまくっている。

4つの悲鳴と、あえぎが、ドロドロに蕩けあい、 美麗な肉体が、汗と愛液と体液で輝き、のけぞり、痙攣した。


「んううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」

「だめえええええええっ!!」
「いぐっ、いぐっ、いっ・・・くううううっ!!」
「もうっ、もうっ、ああっ、止まらないいいぃぃぃぃっ!!」

ドビュウグウウウゥゥゥ、ビュグウウウアアアァッ、ドビィィィィィッ

エカテリナの身体を、激しい脈動音が串刺しにしていく。
のけぞった金髪が激しく震え、しなやかな四肢が今にも壊れそうにわなないた。
ミューンの美しい肢体が桃色にそまり、 金髪の波が激しく揺らめいた。

おびただしい体液が、粘膜を襲い、犯し、蹂躙した。


『ま・・・まずった・・・』
ミューンの誤算は、 分身を使うと責めるのも3倍かもしれないが、 自分の快感も3倍、つまり自分も耐え切れずにイッてしまう事だった。

美貌にはっきりクマを作って、ゼーゼーあえいでいるミューン。

『こ、これは想定外だったわね・・・気持ちいいけど・・・腰が立たない・・・』
体液まみれで、二人とも抱き合ったまま、ゼーゼー言っている。
エカテリナはエカテリナで、 妊娠の可能性大というSEXに、あえぎながらもうろたえていた。

『ど、どうしよう・・・出来ちゃったかも・・・ミューンさんの子供・・・』

女性に妊娠させられるというのは、何か根本的に衝撃が違った。
うろたえと不安が伝わったのか、『妖』があきれたような声を出した。
『ミューン、ちょっとからかい過ぎではないか?。エカテリナどのが不安がっているぞ。』

実を言えば、触手が作り出す精液は、 単なる遺伝子のマイクロカプセルが無数に入ってるに過ぎない。
精子の移動のための尻尾も無ければ、卵子にもぐりこむ機能も無い。
妊娠は不可能と言っていい。

「ひどいいっ、ひどいですううっ!」
本気で泣きながら、ぽかぽかと叩くエカテリナに、 ミューンもごめんごめんと、思わず苦笑する。
「だってえ、うろたえるエカたんが、あんまり可愛いんだものぉ。」

まだ涙目のエカテリナをナデナデしながら、 豊かな胸の間に抱きしめる。

「それに、マイクロカプセルは別の必要性もあってね。」

今、エカテリナの身体には、 ミューンの遺伝子を入れたマイクロカプセルがたくさん入っている。

「私が遺伝子レベルで刻み込んだものを、伝えるには一番いい方法なのよ。」
美しい手のひらが、エカテリナの優しい顔を包み込んだ。

「あなたが、生きていく為には必要な事なの。」

上気し、淫蕩な笑みを浮かべていた表情が、 急激に変わっていく。
優しく上気した顔が、急速に色を失い、 美しい唇の端がキュウとつり上がる。

冷たく、凶暴なアルカイックスマイル。

「あ・・・」
エカテリナは、背筋に氷が走った。

蒼い瞳の奥に、金色の闇が現れ、 淫乱で、奔放で、若く美しいエルフだったものは、 無数の歳月を重ねた冷徹な魔物の目をしていた。

深い深い、金色の闇に、意識がすわれていく。
力を帯びた燐光が、金色の目から放たれた。

強力な精神暗示がかけられ、エカテリナの身体から、かくんと力が抜けた。

しなやかな腕が、美しい手のひらが、 金髪を、柔らかい頬を、細い首筋から淡いふくらみを、 エカテリナの全てをなでまわし続ける。

「我ガ愛シキ娘ヨ、」

まるで機械が話しているような、抑揚の無い平板な言葉。
それでいながら、ぞっとするような優しさでなでまわす愛撫。

「汝ノ背負イシ呪イニ、我ガ『力』クレテヤロウ。」

妖しく金色に輝く目が、さらに光を増す。
今エカテリナが目覚めたとしても、彼女をミューンとは思わないだろう。

「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

巨石がきしみあうような呪文がつむぎ出され、 横たわるエカテリナを中心に、巨大な魔方陣が現れる。

「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

深海底に横たわる『妖』の触手という触手が一斉に立ち上がり、 ナノメートルサイズの細かな泡を吹き出す。
『妖』の発する気体を封じた、特殊なサイズの泡は、 重力波以外のあらゆる電磁波や波動、光を封じ込める。
ありとあらゆる物を隠してしまう泡の封印だった。

電光が青い闇の中を走り、 ミューンの裸身からあふれ出た力が黒い影となって渦を巻き始めた。


聖母として崇められたミューン、彼女はかつて魔道師だった。
それも、エルフの歴史上、最大最強レベルの。

「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

彼女と『妖』には、最初に彼女がこの海域に現れたときから、 エカテリナが己の全てを賭けて、封じている力が見えていた。

二人にしか見えぬほどに封じられてはいたが、 秘められた力の巨大さから見れば、あまりにはかない封印だった。


それは、エカテリナががイリナ・ラングレーと呼ばれていた頃、 運命としか言いようが無い、魔法の暴走が起こった。

日食と、星の力の連鎖、そして凶悪な空間制御魔法、 膨大な力が収束し、イリナは空間を歪めて飛び出した。
彼女は大惨事を招きかねない力を、無理矢理に押さえ込んだ。
自分の記憶をも巻き込み、全てを失って、敵対しているリヴァール連合の地に堕ちた。

だがそれでも、その力は完全には押さえ込めていなかった。

彼女の呪文とともに、 渦巻く黒い力は、電光を帯び、形を変えた。
龍と呼ばれる、巨大な幻獣の姿に。

閃光が、ミューンの魔方陣と、泡の封印の中に広がる。
光の龍が、封印を出ようとのた打ち回る。

ミューンが、エカテリナの両脚を掴み、腰を抱き、あそこを開いた。
散々に注ぎ込まれたあそこが、おびただしい白濁を噴き出す。
光の龍が、咆哮を上げ、襲い掛かってきた。

魔法結界が、エカテリナという生贄に龍をみちびいていく。

ゴキッ、ゴキッ、バリバリッ、

「ひぎいいいいいいいいいいいいいっ!」

白い腿の間を、鮮血が彩り、 凶悪な肉の裂ける音が、青い闇の中に響いた。
エカテリナは光の龍に犯された。

「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

弾け飛んだ血と肉の匂いの中から、 妖しい呟きが漏れた。
「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

エカテリナの閉じられた瞳が開いた、真紅に輝きながら。
「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」
「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku」

エカテリナの唇が、まがまがしい呪を唱えながら激しく動く。

「za-za-do、za-za-do、sukuro-no、ronosu-ku、zerude,vageru,zedoulinndasu」

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、

青い闇が巨大な地響きを立て、 超マイクロバブルと、ミューンの魔力、二重の結界が激しく鳴動した。
『これは・・・さすがにすごい』
『妖』の発光体がぼそりとつぶやく。
ミューンは何もいわず、ただ妖しく笑っていた。

そして、傷ひとつ無い象牙細工のような裸身のエカテリナが、横たわっている。

あの龍は、ミューンの持つ全ての魔道知識そのもの。
それがエカテリナ、いやかつてイリナだった時の真の知性と融合し、 全てを受け入れようとしている。

エカテリナ自身が唱える呪が、その身体に無数の文様となって浮かび上がり、 さまざまな文字や、記号が、美しいふくらみや、なめらかな腹部、 スラリとした手足、柔らかな頬、ありとあらゆる所を埋め尽くしていく。

数十の光球が、その周りを旋回し、おびただしい雷鳴を発し、 螺旋となって彼女のへそを中心に渦巻いた。

ドンッ、ドンッ、ドンッ、
激しい地響きが、闇の中に轟いた。

マイクロカプセルに封じられた遺伝子の転写システムが、 エカテリナの遺伝子の中に、力の道を作り出していく。

龍が、ミューンの全ての魔道知識が、エカテリナに同化していく。
これがエカテリナに封じられた力を安定させる唯一の方法だった。
エカテリナの中のイリナは、それを理解し、そして必死に力を安定させようとしていた。

失敗すれば、身を滅ぼすどころか大都市ひとつぐらい軽く焼き払うほどの力だ。

魔道のためにあらゆる情愛を捨て去ったはずの魔物は、 いつしか金色の闇をひそめ、穏やかな蒼い目を向けていた。

ミューンと妖は、エカテリナが始めてこの海域に現れたとき、 二人とも、その不安定な力と巨大な歪みに気づいていた。
いつかその歪みは暴走し、彼女は死ぬ事になる。
そして、それを安定させられるのは、ミューンの膨大な魔道知識だけ。

興味を引かれ、いくつもの触手の分身を走らせ、 じっと観察し続けたその娘は、次第に二人を虜にしていった。

深い情愛、素直さと優しさは、 他人には容易にはなつかぬミルラ族のキャナル・ミレサをはじめ、 心細い思いをしている買い取られたばかりの娼婦たちが、 まるで子供のように慕っていく。

不思議なまでの威厳と実力は、 年かさの娼婦たちすら目の色を変え、 船の男たちや、恋人のウェモンですら決して軽く見ようとしない。

淫乱と多情でありながら、恐ろしく魂は強い。
あれだけの淫乱症でありながら、それに飲まれることもなく、 多くの男性を愛し、たっぷりとした愛情で包み込んでしまう。
事があれば、先頭に立つことを少しも恐れない。

多くの傑物たちが、彼女を求めてくるのも、 無理のないことと言えた。


気がつくと二人とも、うろたえた。
この少女を失いたくないと思っている自分に。


理由などいらない。
何もせぬまま彼女が失われたら、どれほど後悔するか、 二人はこの気持ちをくれたエカテリナに、何かしてやりたかった。

だが、それがどういう意味を持つかも、 二人には良くわかっていた。


『力』がゆっくりと、エカテリナの本質と融合していく。
肌が中から光を発する。
全身が、星をばらまいたかのように発光している。
やがて、背中に強い光が大きく羽を広げ、 青い世界を圧するほどになった。
あらゆる宗教画に、『光輪』あるいは『光背』として描かれる力の象徴。

人間が、「力」を持つ事を許される。
それは、「神」を作り出す行為。

『私たちは、彼女を救ったのだろうか?。 それとも、更なる罪に落としたのだろうか?。』

ミューンの心にわいた疑問が恐れになる。
エカテリナが、目を開けた。
蒼い瞳の中に、赤い輝きが揺らめいている。

「ああ・・・ミューンさん、『妖』さん。」
今や、エカテリナはミューンと『妖』がしてくれた事全てを理解していた。
いつか訪れるだろう破滅と、それを防ぐ唯一の手段。

「ありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げるエカテリナに、 ミューンは裸であぐらをかいたまま、頭をかいた。

「すまないわね、いちいち説明するのは面倒くさくて。」
ふっと、エカテリナは優しく微笑む。

「命を助けていただいて、ありがとうございます。」
彼女の知性は、数段高みに登り、 封じていたイリナの記憶も、手を伸ばせば届きそうな所にあった。

だが、同時に自分がどんな存在になったかも理解した。

「ただ私は、どんな時も人でありたいと思っています。」
ミューンが辛そうに目を閉じた。
『妖』が激しく明滅する。

人であるにはどうしたらいいか、それも今のエカテリナならわかる事だ。 それが、二人が愛した娘ならばなおの事。

エカテリナの目が、激しく輝いた。

ジャカッ、ジャカッ、

まるで機械が動くような音がし、 背中の光が、一つ、また一つ消えていく。
それは、彼女の力の象徴。

この力があれば、彼女は元の世界に戻り、あらゆる権力も、豪奢な生活も、おもうがままだろう。
だが、同時に彼女は人間ではいられなくなる。
彼女をめぐって、世界が争う事にもなりかねない。

エカテリナに、そんな力は必要なかった。

力と知識、それが同時に閉じていく。
手の届く所まできたイリナの記憶も消えるだろう。
封じてしまった力を、自身で取り戻す事は、まず出来まい。

それでも、エカテリナはためらいも無く、力を全て封じていった。
溶け合った力は、肉体が死んでも暴走する事はない。

すべての力を封じ込め、 小さな小さな自分ひとりに戻った時、 エカテリナは、激しいめまいを感じた。


キューキュー

海鳥が長い声をあげて飛んでいく。

「あ・・あら・・・」
気がつくと、エカテリナは岸壁に一人座っていた。
なんだか、長い長い夢を見ていたような気がする。
良く思い出せない、不思議な夢。

来ているドレスは、少し古めかしいデザインだが、 深い青の上品なロングだった。 ただ、その繊維は誰も見たことはあるまい。
下着はオフで、ドレスだけを直接身につけていた。

少し離れた所に、エメラルドが停泊していた。
どこから夢で、どこから現実だったのだろうか。
少しぼーっとした頭では、良くわからなかった。
潮風が気持ちよかった。
自分の身体から立ち上る潮の匂いには気づかないままに。




コポポポポ・・・
10キロ沖の6000メートルの深海底。

光すら届かぬ青い闇のなかで、 かすかな燐光が瞬いている。

『妖』の意識体と、ミューンがよりそい、 静かに眠るエカテリナのパーソナルデータを飽くことなく見つめていた。

『穴をいくつか開けていたようだな』
『妖』がぼそりとつぶやく。

「ああら、気づいていたの?」
ニマッと笑うミューンに、意識体が明滅する。

『元は私の力だしな。』

このミューンはパーソナルデータでしかない。
彼女を再現するのも、その使える力の総量も、 『妖』の力次第ということになる。
だが、『妖』はやすやすとミューンの全能力を再現してみせた。

『10万年も生きていれば、多少はりこうになるさ。』

静かに眠るエカテリナを見つめながら、 「簡単に死んでもらっては困るのよね。身勝手な願いかもしれないけど。」
ミューンらしくない、うしろめたい感覚を秘めた声。

『身勝手か・・・そういう感覚もあるのだな』
エカテリナが完璧に封じたはずの封印に、ミューンはいくつもの穴を開けていた。
それが何を引き起こすか、ミューンの予知はおぼろげに感じていたようである。

『生きなさい、エカテリナ。何があろうとも・・・・』
時がすぎ、エカテリナの本体が消えた時、そのデータを起こそう。
二人はそう決めて、眠るエカテリナを静かに見守っていた。
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