船ババア その3
『このバカやろおおおおっ!、どれだけ心配したと思ってるんだあっ!!』
携帯から凄まじい怒声が飛び出し、エカテリナは思わず片耳を塞いだ。
まだ寝てるかもしれないと思ったのだが、ウェモンはしっかり探し回っていたらしい。
『さすがにタフねえ。昨日はあんなにしたのに。』
昨日の夜のさまざまな痴態を思い出し、ふと何回だったかと指を折ってみた。
『えと、5、6、7、・・・やめよ』
でも、やっぱり数えるのが怖くなって止めた。
ちょっとしすぎたかしら、と冷や汗も。
目の下真っ黒、クマが酷いウェモンは、
電話の向こうでゼーゼー言っている。
「ごめんなさい、心配かけて。」
少し目が潤み、嬉しくなる。
「とにかく、すぐ戻って来い。」
ふっと、エカテリナは微笑んだ。
「もう少し待って、出港までには必ず帰るから。」
「いいのかい?、彼氏えらく心配してたじゃないか。」
他に数回電話をかけたあと、
老エシュは、ちょっとだけ複雑な表情をしていた。
先ほどまでの宴会で、最後は乱交パーティになって、
ふんだくれるだけふんだくったので、懐はあったかく、
さすがにエカテリナに気がとがめるらしい。
「でも、彼も少し寝かせてあげないとね。」
いたずらっぽく笑うかわいい笑顔だが、老エシュは意味を悟って青ざめた。
ほんの一日一緒にいただけで、エカテリナには畏怖すら感じている。
その彼氏となると、どんな怪物でも、絞られつくしてとても身が持つまい。
『は〜〜、彼氏が早死にしないことを祈っとこう。』
このとんでもない女神を恋人にしてしまった男性に、
同情すら感じてしまうエシュでした。
根は善人なのか、エシュはエカテリナにホテルを取ろうとしたが、
エカテリナの方が許さなかった。
エシュがお金を欲しがるわけを、カンで悟っていたからだ。
「その・・・汚い所だけど・・・いいのかい?」
掘っ立て小屋のような家に、エカテリナはちゅうちょ無く入った。
「お帰り、ばあちゃん。そちらは、お客さん?。」
ベッドから、細い姿が身を起こした。
「ただいま、ミルファ。こちらは仕事をご一緒してるエカテリナさんだよ。」
栗色の明るい髪に、ランプのような光を持つ目。
細く小さな、まだ12,3歳ほどの体格だが、その目を見てエカテリナは悟った。
『この人、年齢はかなり上だわ。』
「この子、小さいけど来年16なんだよ。」
部屋にランプをともすと、少年はエカテリナを見てポオッと頬を染めた。
痩せているが、ひどく可愛らしい。
先ほどの宴会の残りもあり、ひさしぶりの豪華な夕食に、
ミルファはお腹いっぱい食べて、ことんと寝てしまった。
老エシュが酒を飲みながら、ぼつぼつ話したことによれば、
この子は免疫異常の病気で、成長が一定に達すると、
高熱を発して体格が縮んでしまうのだ。
息子夫婦は子供のために苦労して、早く死んでしまい、
今はエシュが育てていた。
最近ようやく治療法が見つかったが、それには莫大な金がかかるのだった。
「16の男の子が、恋の一つも出来ないなんて・・・」
そこまで話して、エシュは酔いつぶれてしまった。
目がうっすらと光っていた。
エルファは、ふと目が覚めると、
今でも夢を見ているような気がした。
すごくきれいな女性が、目の前にいた。
『え、エカテリナさん・・・』
この家にはベッドは2つしかない。
一つにはエシュがいびきをかきながら寝ていた。
『なんて・・・なんてきれいなんだろう・・・』
美しい金髪、長いきれいなまつげ、
ドキドキするような柔らかそうな頬、
すっと伸びた鼻筋に、大きな青い目が閉じられている。
いい匂いがして、ドキドキした。
小さいとはいえミルファも青年期。
女性に対する憧れや欲情は人並みにある。
だが、自分の小さな身体と病気がコンプレックスになっていた。
『ごめんなさい、エカテリナさん』
心の中で必死に謝りながら、突き上げてくる衝動に耐え切れず、
自分の身体を慰め出した。
ミルファを責めるわけにはいかないだろう。
今日一日でおびただしい男性の精を吸ったエカテリナの身体は、
エロスが芳香となって立ち上るほど妖しく美しい。
うぶな少年にとっては劇薬に等しかった。
だが、その手が柔らかい優しい手に握られ、心臓が跳ねた。
優しい慈愛に満ちた、蒼い蒼い目が、にこやかに見つめていた。
「え・・あ・・・」
涙目になって声を出そうとするエルファに、
美しい目が大きく写った。
甘い柔らかい唇が、そっとエルファの口を包み込み、
香りのいいだ液が、絡まりあい、流れ込んできた。
柔らかい、ため息が出そうな身体に包まれ、
優しい手が、そっと膨らんだペニスをさすった。
全身が、快感で痺れ、甘いキスに意識がドロドロに蕩けてしまう。
ようやく、甘美の檻から解き放たれた耳元に、
ゾクゾクする声が忍び込む。
「私はね、ミルファへの贈り物なのよ。」
その言葉が、脳髄に杭の様に打ち込まれる。
「今夜だけは、私はあなたの物。でもね、私は喜んであなたに贈られたの。」
ミルファの身体ががくがくと震えた。
あまりに凄まじい歓喜は、全身を縛り震わせた。
「あなたで、本当に嬉しいわ。」
エカテリナは心からそう思いながら、ぎゅっとミルファを抱きしめる。
その気持ちが、ミルファにしみこんでいく。
幼くして両親を失い、祖母以外の誰からも必要とされなかった自分を、
本心から抱きしめてくれる人がここにいた。
ミルファは、必死に歯を食いしばりながら、
優しいふくらみの間に、顔を埋めた。
涙を見せたくなかったから。
先ほどまでの老エシュの言葉から、
エカテリナは、その奥の気持ちまで見抜いていた。
愛情に飢え、年齢相応の性欲に苦しみ、
どこにもそれを話せず、悶え苦しんでいるのを、エシュは知っていた。
それもあって、最初エカテリナを泊めるのをためらっていた。
だが今は、エシュの涙と祈るような気持ちがわかった。
ミルファのコンプレックスも、痛いほど分かった。
そしてエカテリナは、ミルファの目をひどく気に入ってしまった。
ランプのように明るい、聡明な知性と力のある目、
これを開かせてあげたいと。
気に入ったとなると、もう止まらない。
胸の奥から、熱いものがどっとあふれて、たまらなくなってくる。
可愛らしい少年をぎゅっと抱きしめ、
激しく、情熱的なキスを交わした。
舌が絡み合い、甘いだ液が激しく流れあう、
ミルファは、それだけで意識が遠のくほどの強烈な快感を味わう。
可愛らしい首筋から、細い鎖骨の浮いた胸へ、
エカテリナのピンクの唇が、いくつものキスマークを散らしていく。
「ひ・・・あ・・・」
快感の虜となり、惑乱と興奮にどうしていいか分からないミルファ、
その上気した顔がひどく愛しく、
また、ぎゅっと抱きしめる。
「かわいいわ、ミルファ。感じる?、私もドキドキしてるの。」
桃色のふくらみに抱きしめられて、
エカテリナも裸になっていることに気づいた。
興奮のあまり、息が苦しい。
そして、自分の分身が痛いほど張り詰めている。
ただ、ふくらみの中から、エカテリナの鼓動も早く打っていた。
「え、エカテリナも、ドキドキしてる?!」
こっくりとうなずく優しげな微笑、
汗ばんできた肌が、溶け合うような熱さになる。
膨張したミルファの分身が、エカテリナのお腹に密着して、
その脈打つ感覚に、ため息が出そうになる。
身体に似合わぬサイズのそれは、明らかに青年の物。
「ミルファ、男の子も女の子も、初めてはちょっと痛いの。がまんしてね。」
ぐっと包皮を引き下ろされ、ミルファはほんの少し呻いた。
「うん、良くがまんしたわ、ご褒美よ。」
え?と問い返す間もなく、強烈な快感が走った。
「く・・・・は・・・・え、エカテリ・・・だめ・・・」
柔らかな唇が、包み込み、
あたたかな舌が、赤い亀頭を転がすように舐めまわす。
チーズのような匂いも、エカテリナには気にならない。
愛しげに、その隅々まで愛撫し、すすり上げていく。
何かが熔けて弾ける、白い閃光が走った。
「出ちゃ・・出ちゃう・・・あ・・・・ひ・・・・・っ!!」
ドビュウッ、ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、
激しいほとばしりに、エカテリナは一瞬、動きを止めたが、
ためらいも無く、頬を染めて飲み下す。
コクッ、コクッ、コクッ、
目を潤ませながらあえぐミルファの分身を、丹念にきれいにしていく。
「え・・エカテリナ、その、いやじゃないの?」
おどおどと聞くミルファ。
「どうして?。ミルファのだもの、私はすごく好きよ。
ただ、これからはここは、自分で洗ってね。」
ちろちろと舌先が、亀頭のカリ首を撫でて、また赤いペニスはビクビクする。
エカテリナが身体を上にずらす。
真っ白な肌が、柔らかいふくらみと曲線が、漂う香りが、
ミルファの男性を直撃する。
『なんて・・・なんてきれいなんだろう・・・』
見てはいけないと思うのに、目がエカテリナの全てから離れない。
エカテリナは、そっとヒザをずらし、息づくピンクの秘所がヌラリと光った。
「これがね、女の子の大事な所。」
また、胸が苦しいほどドキドキしてくる。
「あなたのおちんちんを迎え入れたくて、ほら、こんなに濡れてるのよ」
そっと指先が柔らかな陰唇をなぞると、トロトロと透明な雫があふれた。
時間がスローモーションになって流れていく。
エカテリナが頬を染めて、
ゆっくりとミルファの上に乗っていく。
淡い茂みと、露に濡れた柔らかそうなふくらみ、
自分の醜い欲望が、その間に、入り、広げ、刺さっていく。
「あ・・・・あ・・・・ひ・・・・」
息が止まりそう、ドキドキが脳髄の中を駆け巡ってる。
エカテリナが、びくんっとのけぞる。
「あんっ、おっき、い、んんっ!」
きもち・・・・いい・・・・
ズブブッ
・・・・ハッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・・
身体中の神経が、そこに集まってしまったように、
今にも弾け飛んでしまいそうな、それでいて、狂おしく叫び出したいような、
エカテリナが、ゆっくりと身を起こすと、
それだけで、火花が走った。
エカテリナの身じろぎ、手の動き、腰のくねり、
じんっ!、じんっ!、じんっ!、
快感が今にも爆発しそう。
「いいのよ・・・がまんしないで。」
優しい、淫靡なささやきに、
獣が、唇を震わせる。
柔らかな粘膜を貪り、狂って、突き上げて、
エカテリナは、ばら色の頬をのけぞらせて、
「・・・・・・・・・・!!」
「く・・・あんっ・・・・!!」
ドクンンンンンッ
自分の全てが、エカテリナの中に撃ち出された。
その腰を掴んで、引き裂かんばかりに引いて、
ドクウンンンンッ
厭らしいもの、薄汚いもの、自分の恥ずかしいものが、
嬉しそうなエカテリナの中に、
ドクンンンンンッ
「エカテリナ・・・・アァァァァ!!」
エカテリナは、何度も、ミルファにキスを繰り返した。
まだ半立ちのペニスは、エカテリナの中に入ったまま。
ミルファも、今にも意識が途切れそうになりながら、必死にキスを返した。
不安と歓喜をこらえるように、抱きしめて。
何度も、何度も、たぎり立つマグマをエカテリナの中に放ち、
自分のなまなましい体液が、ペニスを伝い落ちて来る。
「すてきよ、ミルファ。」
優しい微笑みに見守られながら、ミルファは眠りの中に落ちた。
「ありがとよ、エカテリナ・・・」
小さな小さな呟きが、酔いつぶれているはずの老エシュの唇からささやかれた。
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