憂いととまどい
「ふう・・・」
白い幅の広い帽子に、優雅な薄桃色のドレス。
憂いを帯びた蒼い瞳。
デッキのチェアーに静かにたたずむ姿は、一幅の絵のようだった。
娼艦エメラルドの、女たちを見慣れたベテラン船員すら、
仕事をすっぽかさぬよう必死に見ないふりをしている。
見習いの船員たちは、しょっちゅう転倒や失敗で殴られてコブだらけ。
近くに寄らぬよう厳命されるほどだ。
だが、彼女の内心の呟きを聞いたら、さぞかし仰天することだろう。
『自己嫌悪・・・』
ふ・・・と軽いため息が漏れる。
『あんなに・・・、嫌なのに・・・、濡れちゃう・・・』
おぞましい豚の笑い、
臭いよだれや、さらにおぞましい臭気の体液、
背筋がぞっとする、
胎内に刻み付けられた、汚らしい脈動の痕跡。
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奇怪な人形のように膨張したペニスが、
ギチギチの粘膜の中で、激しく震えた。
『あうっ、はああっ!、いやあああっ!』
剥かれ、ひきちぎられて、無数の切れ端となったドレスが舞い、
太った腰が割り込み、広げられた足が、激しくばたつく。
涙に濡れた蒼い目が絶望に開かれる。
『ひい・・・・・・っ!!』
ドビュウウッドビュウッドビュウウッ、ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ
醜い胴体が激しくしゃくりあげ、
今にも裂けそうに押し広げた胎内の中で、
射精しながら、律動を繰り返す。
『いや、いや、いや、いやああああああああっ!』
豚の顔が笑い、さらに太った腰を激しく叩きつけ、
締め付ける肉の感触をえぐり、
嫌がり、のたうつ細く美しい裸身の蠢きを、さらに楽しみぬいていく。
プキイイイイッ
ぎゅっと締まる強烈な快感、からみつく襞の刺激に、
雄豚は、よだれを垂らしながら声を上げた。
『ひぃ・・・・・っ!!』
汚濁の脈動が、深く突き刺さった。
身体の中に絶え間なくぶちまけられ続けた射精の感覚、
嫌がる膣は、悲鳴を上げながら締め上げ、
汚濁の体液を搾り取って、子宮へと流し込んだ。
ゾクゾクゾクッ
震えが走る、
ジュンッ
濡れるのが分かる。
無理矢理押し込まれる感覚に、痛みと、そして悲鳴とともに噴出した愛液。
凶悪な暴行に、身体が守ろうとしたのか、
それとも・・・?。
泣き叫ぶエカテリナに、汚らしいペニスが次々と押し込まれ、突き刺され、ねじ込まれた。
無数のオークたちに輪姦され、
あえぎ、のたうち、痙攣した。
スラリとした白い足が、広がり、開き、抱え込んでいた。
手が握らされ、のたうち、しごいていた。
喉を落ちる生臭い強烈な臭気、それをどれほど飲み込んだか。
アナルにねじ込まれる焼け付く感触、
豚たちすら声を上げて痙攣する締め付けが、彼女自身もエクスタシーに落ちていた。
ガタガタガタと身体が震え、
思わず自分自身を抱え込んだ。
人間の数倍の精力があるオーク、
その豚のペニスは凶暴で大きく、陰嚢はカボチャのように巨大。
『はああああ・・・ふはああ・・・・・、あふう・・・』
声にならぬあえぎ、今にも溺れそうな吐息。
ゾグッ、ゾグッ、ズブッ、ズッ、ズブッ、ズンッ、
後ろ向きに跨らされ、
下からアナルを、前からヴァギナを、
でたらめに突き上げられて、ゴリゴリとした肉の小突きが深く当る。
両手には太い肉茎を握らされ、
口にはしゃぶり、飲み込み、ため息を吐きかけ、
もうろうとした蒼い目は、
正気を失いかけていた。
指に当たるゴツゴツと巨大な玉の感覚、
それがわななき、ぎゅっと絞られ、指におぞましい脈動を感じる。
ドビュゥ、ドビュウッ、ドビュッ、ドビュッ、ドビュウッ、
手のひらに、胸に、顔に、鼻に、臭い体液が分厚く飛び散る。
ドクンッドクンッ、ドクンッ、ドクッ、ドクッ、
『うぐっ!、うっ、んぶっ、うっ!、んんぅっ!』
ぼたぼたと唇の端から滴り落ちる、黄色みを帯びた汚濁、
細い喉が、痛々しく嚥下し、気が遠くなりそうな匂いも味も飲み込んでいく。
腰が震え、深く、奥まで、唇が離れて雫が跳ねる。
『ひぐううううううっ!!!!』
豚どもの腰が、根元まで一気に押し込む、
ビュブウッビュグウッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、
ドクウウウウッ、ドクウウウウッ、ドクウウッ、ドクッ、ドクッ、
ガクガク、ガクガク、
力ない肉体が、壊れた人形のように、豚どもの腰の上で揺れ動いた。
理性も正気も失わせる脈動が、
エカテリナの胎内に、叩きつける。
ジンジンと熱い灼熱、
狂おしい血管の脈、
ズルリ、それが動き出す。
がくり、がくり、
エカテリナは自分から、腰を、手を動かし出す。
SEXの間中、射精を繰り返し、
エカテリナの胎に、膣に、子宮の奥まで精液であふれさせ、
逆流する感触に、思わずのけぞった。
それが、繰り返し、繰り返し、
呻き、のたうつエカテリナに、際限なく続けられる。
『私の・・・身体は・・・、奥の・・・奥まで・・・』
精液で溺れたようなありさまで、全身がその体液に穢され、犯しつくされていた。
前後を貫かれたまま、際限なく逆流した精液が、腿を、尻を伝い落ち続けた。
だが、何より彼女が否定したいのは、
『感じてた・・・、そんな・・・、いや・・・』
エルフの血の持つオークへの嫌悪と、
身体が覚えてしまった快楽への渇望、
それがぶつかり合い、快楽への渇望に屈した。
そして、屈し、狂い、淫乱に自分から腰を振って、しごいて、嘗め回して。
帽子の日陰の下で、
可愛らしい小さな舌が、無意識に唇を舐めていた。
顔から唇に滴った、おぞましい匂いのするそれを、思い出しながら。
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「ふう・・・」
軽いため息。
『前に犯されたときは、あんなにも狂いそうなほどいやだったのに』
以前、数匹のオークに拉致され、強姦されたとき、
絶望と嫌悪で狂ったように大勢の男性の中に身体を投げ出した。
数十人の浮浪者に、徹底的に犯され、それでようやくバランスを保つほどショックを受けた。だが、馴れた身体は、意識すら変えてしまう。
ただ、思いたくは無かった。
自分がオークでもいいから、誰かに身体を沈めて欲しいなどとは。
いつも背後にいるウェモンは、
昨晩絞りに絞られ、今朝は死んだように寝ている。
巨漢で精力絶倫のウェモンでなければ、とっくに腹上死しているだろう。
いたずらな風が、急に吹き上げ、
エカテリナのスカートをひるがえし、幅の広い優雅な帽子を飛ばした。
「あ・・・」
そばに止まっていた小さな船が、まるで狙ったかのようにその下に進み、
帽子を甲板に受け止めた。
折りたたみ式の電動タラップの下に船が止まった。
「すいません」
タラップを下ろし、もらいにいくと、
日焼けして、シワを干し固めたような老婦人が、ニッと笑った。
「あんた、身を持て余してるようじゃね。」
帽子を返しながら、いわくありげな顔をしてきた。
「どうじゃ、ちいと乗らんか?。」
下卑た笑いを浮かべながら、ずいと手を伸ばした老婦人に、
反射的に手を取ってしまい、
ひらりと白い姿が移った。
とたんに小船は湾の奥へ動き出す。
「ええ小遣い稼ぎをさせてやるからのう、フェフェフェ。」
「え?」
きょとんとするエカテリナを乗せて、小船は意外なスピードで走っていった。
エカテリナの方を見ないようにしていた船員たちは、彼女が降りた事に誰も気づかなかった。
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