よどみの底で
「これはフェリペ公爵夫人、ご無沙汰しております」
リヴァールの鉱山王にしてエカテリナの大のひいきガッハは、
映像電話ながら丁寧に礼をした。
「おひさしぶりですね、ガッハ・バルボア殿。」
艶然と微笑む公爵夫人は、虫も殺せぬような優しい笑顔を向ける。
だが、ガッハは公爵夫人のことをよく知っているので、
緊張は一切解かない。油断もスキも無い相手なのだ。
「実は先日、ある女性を見つけましたの。」
意味は分からないが、ガッハの胸に不安の黒雲が広がる。
「ハーフエルフかしら?、金の髪で愛らしい表情なのに、とても不思議な威厳があって。」
いやな予感がして、雲の間に稲妻が走る。
『ま、まさか?!』
「興味が惹かれましたので、調べてみたら、ルイーデの館のエカテリナという娼婦でしたわ。」
落雷が走った。ガッハの目の奥に怒りの火がともり、細くなった。
「あなたが、エカテリナの大のひいきと聞いたものですから。」
ガッハが酷薄そうな笑みを浮かべた。
「ひいき?、まあ、そのような見方をする者もありましょうな。
私としましては、養女として迎えたかったのですが。ハッハッハッ。」
ガッハは自分の情愛を包み隠さず示すことにした。
エカテリナを奪おうというなら、ただではすまないと示すために。
「ほほう、それはそれは、そんなにもお気に入り“でした”か。ホホホ。」
あなたのお気に入りだからといって、私になびかないとは限らないでしょ、
奪われて泣かないでね、と言外に匂わせる。
ガッハが少しだけふんぞり返るようにして、鼻をひくつかせた。
「いろいろ奇縁がありましてな、それでついつい深入りしまして」
あんたではエカテリナの何も分からんだろう、まして私のように情深く遊びにはいけまい。
とボディブロー。公爵夫人のこめかみがぴくりと動く。
「面白そうなお話ですわね、ぜひそのくだりも彼女から聞きたいですわ。」
エカテリナを奪ったら、彼女から聞いて楽しんであげるわと、
これまた相手のレバーへ打ち込むように容赦ない。
双方にこやかに笑っているが、どちらも目は少しも笑っていない。
横で会話を聞かされているダークエルフのメイドは、長い耳をふさぎたくなった。
はっきり言って、胃が痛い。
『ああ・・・また胃炎の薬がいりそう』
通話を切って、公爵夫人はものすごい不機嫌な顔をした。
ガッハがあれだけ入れ込んでいるとなると、
エカテリナに下手に手を出せば本気で敵に回るだろう。
顔が広く、産業界に大きな影響力を持つガッハは、怒らせるとやっかいだ。
同時に、それだけエカテリナへの執着も強くなってしまう。
ライバルがいるというのは、それだけで燃えるものだ。
「これはもう、正面突破しかないわね。」
一通の手紙がしたためられた。
爆裂焼夷弾よりも危険な手紙が、ルイーデの館へ転送された。
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夕暮れも終わりかけた、闇のとばりが降りてくる時間。
グラムリンクシティの一角に、街の再開発に失敗し、
廃墟と化したビルがいくつも残っている場所がある。
そして、そんな場所に、あても無くよりあつまる無秩序な集団ができる。
まるでよどみの底のような、ゴミの集まる場所。
頭からぼろ布をかぶった細い姿が、
ゆっくりとはきだめのような一角へ歩いていく。
家も家族も失い、あるいは逃げ出し、あるいはやる気も無くなり、
吹き溜まりのようにごろごろと薄汚れた人間の浮浪者が集まる場所。
「ん?なんだ、新入りか?」
無作法に伸びた手が、かぶったぼろ布を引っ張ると、
金色の輝きがあふれた。
「なっ、なんだ?!、エルフのメスがこんな所に何のようだ!。」
輝く金髪、蒼い深い目、白くきめ細かな肌。
怯えた表情が、むしろ生唾を飲むような色気を発していた。
「あっ、あの、わたし、どこも行く所が無くて・・・」
あるじの元を逃げ出すエルフはよくいる。
だが、こんな所に迷い込む馬鹿は少ない。
まして、これだけの上玉は、全員が見たことが無い。
いやな笑いが連中の間に広がる。
社会からあぶれた最低の連中でも、エルフよりはましだという差別意識は根強くある。
「エルフがここに来ていいって、誰が言ったんだ、ええ?」
とたんに鳴きそうな顔をする彼女に、別の声が飛ぶ。
「エルフがいてえならそれなりの覚悟があるんだろな。」
「えっへへへ、そうだな、俺たち全員に『あいさつ』をしてもらおうか。」
おどおどしながらも、彼女は首をかしげた。
「あいさつ、ですか?」
「んっ、ん・・、んふ・・、んんっ」
異臭のする男根が、ピンクの唇に飲み込まれていく。
チーズのような匂いと、異様な味が、舌にひりつく。
だが、エカテリナは夢中でそれを味わい、口にまみれさせていく。
ぼろ布を脱いだ身体は、わずかな下着をつけているだけの半裸。
数人の精液を飲んだ唇は汚れ、滴りを喉へ走らせている。
汗と垢の匂い、恥垢の強烈な臭気、
それでもエカテリナはためらいも無く言われた『挨拶』を繰り返し、その興奮を搾り出す。
「ううっ!」
ドビュゥゥッ、ドビュッ、ドビュッ、
濃い粘りつく体液が、口に押し込まれ、喉に弾け散る。
目を閉じ、その体液を飲み込み、白い喉を幾度も鳴らした。
その口の動き、美しい肢体、ぞくぞくする快感が、解き放つたびに爽快に突き上げる。
『本物のバカだな、このエルフは』
男は丁寧に嘗め回されながら、愚かしく尽くすエルフをせせら笑う。
『どうせエルフだ、遠慮することは無い。』
別の男の物が目の前に突きつけられ、
それを咥えた彼女に、後ろから別の浮浪者が歩み寄る。
「俺らのあいさつも受けてもらおうか」
後ろを振り向けないエカテリナの、下着をぺろんとずらした。
瑞々しい桃のような尻があらわになり、ひくりと優雅な背筋が震えた。
尻肉に指が食い込み、広げられる感覚がぞくりと背筋をはう。
クチュッ
「んんっ!」
肉太の亀頭が、すでに潤っていた陰唇をぐいと押し開く。
「なんでえ、もう濡れてんじゃねえか、おおお、こりゃあきついわ」
ずいぶん長いこと、女を抱いていない男は、男を飲み込む妖しい蠕動に、
いきなり射精しそうになり、必死で歯を食いしばる。
ギンギンに張ったペニスが、深く乱暴に打ち込まれ、
エカテリナの細い身体は、前後に激しくゆすられる。
唇を動きに合わせ、飲み込む動きと舌をからみつけ、
すすり上げると、たまらず深く喉へ押し込む。
ドビュッ、ドビュッ、ドビッ、
濃厚な粘り気が、喉を汚し、あふれかえる。
細い喉はそれをためらわず飲み下す。
飲み込む蠢きがヴァギナをぎゅっと締める。
「うがっ!!」
たまらず、深く突き入れ、痙攣する。
ドビュウッ、ドビュウウッ、ドビュウウウッ、
煮えたぎったザーメンが膣底で沸き立ち、暴れ狂う。
びくびくとする膣の中で、脈打ち、まき散らされる男性の精液、
あえぎ、飲み込み、腰を震わせ、
エカテリナは深く注ぎ込まれる感覚に、全てを任せた。
「おい、今度は上むけや」
エカテリナは上向きにされ、濡れて泡立っている秘所を晒させられた。
上気した顔が、震える手で隠される、
だが、それがむしろ男の興奮を引き出すことを承知で。
「手をどけろコラア」
その手を別々の男が掴み己のペニスを握らせる。
唇に当てられたものが、押し込まれる。
指先が柔らかくいやらしく、興奮を高ぶらせる動きでからみつく。
犯されている唇が、ひろがり、吸いつき、しゃぶりまわす。
「んううんっ!」
無力なエルフの少女は、両脚を抱えられ、濡れた花弁は、欲望の固まりに深く突き刺された。
淡いふくらみに、いくつもの指が這い回り、弄ぶ。
のたうつ白い裸身は、群がる男達の欲望に、ただ貪られていく。
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エカテリナが無数の男たちに輪姦されているほんの1ブロック先で、
ウェモンは静かに車の中に座っていた。
「つれえな・・・」
エカテリナはどこからともなく現れた8匹のオークにさらわれ、犯された。
性欲の権化である連中の猛烈な欲望は、
エカテリナの全身を精液まみれにし尽くしてなお終わらなかった。
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のしかかった男が、深く押し込み呻く。
「だっだすぞおおっ!」
なぜか、エルフの女は激しくうなずいたように見えた。
ビュグウウッ、ビュグウウウッ、ビュグウウウッ、
美麗な長い腿が強く締め付け、膣が目いっぱいふくれきったペニスを締め上げる。
のけぞる腹の奥へ、最高の快感で射精する。
熱い、強烈なほとばしり、
震え、あえぎながら、その波に意識を溺れさせる。
『もっと、もっと、もっと中に、口に、身体中に、いっぱい出してえっ!』
エカテリナの心の絶叫が、膣襞を妖しく蠕動させた。
搾り取られる快感が、陰嚢を激しく震わせた。
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エルフのオークへの嫌悪は、遺伝子レベルと言っていい。
その嫌悪が身体中を犯し、汚し、飲み込まされた。
その感覚が異様なまでに全身に焼きつき、胎内の奥底にまではいずっている。
エカテリナの天性の感性が、逆に嫌悪を異様なまで強く感じさせてしまった。
『消して、お願い、身体中を這いまわってる、いや、いやなの、いやなのおおおっ!』
絶叫し、身体中をぶつけてくるエカテリナ。
しかし、ウェモンは精力のある限りを使ってもなお、
エカテリナの身体にまといつく嫌悪を消しきれなかった。
『人の、誰でもいいです、女性に餓えた男性のいっぱいいるところへ、連れてって下さい。』
暗い、闇の底に落ちたような目のエカテリナに、ウェモンは何も言えなかった。
下手をすれば舌でも噛みかねないのが分かる。
彼女が普通のエルフなら、とっくに疲れ果てて眠り込むか失神していただろう。
その方が幸福だった。
エカテリナは、身体の奥底に危険なまでの魔力を無意識で押さえ込んでいる。
その漏れ出る力が、彼女を疲労させず、幸福な眠りの救いは無かった。
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「んううっ!」
下から深々とヴァギナを貫かれる。
「んうんっ!」
後ろからアナルをえぐられる。
口にも咥えさせられ、両手は別々の男をしごかされている。
跨った男のペニスが、後ろから突き上げる男根が、
身体を跳ね上げ、えぐりこむ。
口にはまるペニスが、今にも火をふかんばかりにふくれあがり、
亀頭の肉が喉を強姦している。
指先に震えを感じ、ほとばしりが顔を激しく叩く。
『はう・・・』
男くさい、生臭い香り、それに顔中が汚され、吸い込み、震えるような快感を覚える。
ジュグッ、ジュブッ、ズグッ、ズグッ、
荒れ狂う律動に、音が深く、熱と圧力を持って、お腹を犯している。
アナルを嬲っている。
二つの欲望が、同時に、交互に、突き上げ、えぐり、穿ちぬいていく。
ペニスが子宮を小突き、髪が揺らぐ、
蒼い目が潤み、感じて震える。
アナルから奥がえぐられ、背筋を突き上げ、丸く白い肩を震わす。
えぐられて、食い破られて、ずたずたになって、
「んううんっ!、んっ!、んっ!、ぷああああっ!!」
引き抜かれたペニスが、目も開けられないぐらい精液をぶっかける。
鼻に、口に、その粘液が入りこみ、エカテリナを犯している。
飲み込む苦い体液が、あそこを熱く震わせる。
「ああっ、あんっ!、ひっ!、あっ!、くはああああああああんっ!!」
ドビュウウウウウッ、ドビュウウウウウウッ、ドビュウウウウウッ、
子宮口に押し込まれて、中にモロに浴びせられ、腰がひくんっひくんっと痙攣している。
「あひいいいいいっ!!」
アナルがガンと突き上げられ、
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
猛烈な射精音が、槍の様に身体を突きぬいていく。
のけぞった裸身が、前後から噴き上げる精液で、ヒクヒクと痙攣し、
あぶられるエクスタシー、えぐられる快感、
満たされる肉体に無上の笑みを浮かべ、エカテリナは何度も腰を振り、絞り上げる。
「くへへ、もうどろどろじゃねえか。」
脚を開いてあえいでいるエカテリナに、容赦なくのしかかった男が笑う。
だが、吸い込まれるような感覚に、すぐさま歯を食いしばらねばならなくなる。
「こんだけ出しまくってんだ、孕んだって、誰のかわかりゃしねえな。」
口に押し込もうとして、エカテリナは自分から首をのべて咥えた。
「この淫乱エルフめ!」
咥えられた先を、ぞろりとなめあげられ、ぞくんと快感が走り、男は呻いた。
エカテリナは熱心に嘗め回しながら、わずかに微笑む。
『そのときは、喜んで生んであげますよぉ』
赤ちゃんが出来たら・・・、そう考えるとむしろ不思議なぐらいあそこが熱く潤んだ。
「うおっ!、あんだ、すげえ絞めや、がってえええっ!」
ひさしぶりの女とはいえ、ぎゅうぎゅう絞めつけてくる美しい裸身に、
からみついて、引きずり込まれるように脚をひきつけられて、
最奥の空間に、目いっぱい突き入れた。
「んふううんんんんっ!!」
ビュグウウウッ、ビュグウウウッ、ビュグウウウッ、
子宮がびくびく痙攣している。
そりかえった肉体の奥で、それが渦巻き、なだれこんでくる。
男は呻きに呻き、何度も腰をたたきつけて、ありったけの精液をぶちまけた。
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、
飲み込む音が、いやらしく響き、嬉しげに飲み干していく横顔が妖艶に染まっている。
どんどん、欲望がエスカレートしていく。
エカテリナが、欲して、興奮が渦巻いて。
群がる男たちを、むしろ味わい、受け止め、狂おしく求めていく。
目がかすかに赤みをおびたことに、誰が気づいたろうか?。
舌が二本同時に嘗め回し、
前後から突き入れられる快感が、狂おしく秘所を貪りつくす。
「んはっ、はあんっ、あんっ、ああっ、いいっ、」
ヌチャッ、ジュッ、ヌチャッ、グチャッ、ジュッ、ズブッ、ズッ、ジュブッ、
絶望からエカテリナの底にある掛け金が外れかけ、
何かが、おぞましく巨大な何かがちらりと目をのぞかせたような気がした。
「すっ、すげえっ、このエルフっ」
「だっ、だすぞっ、腹んなかに出してやるっ!」
ぎゅっと、突き上げてくる物にからみつき、身体をうねらせて締め上げた。
「出してっ、中にっ、いっぱい、できていいからっ、中にいっぱいいいいいっ!!」
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ、
絶頂が駆け抜ける。
ドブッ、ドブッ、ドブッ、ドブッ、ドブッ、
鈍く重い音が、膣内でいっぱいはじける。
「いいっ、ああっ、いいよおおっ!、もっと、もっと、もっとおおおおっ!」
狂ったように男を求めるエカテリナに、
全員が狂気に走り、群がり、輪姦し続ける。
ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ、
ズブッ、ズブッ、ズブッ、ズブッ、
「んっ、んうっ!、ふううんっ!、んうっ!、んっ!、んんっ!」
膝に抱えられ、前から突き上げられ、口に次々と押し込まれながら、
痙攣と脈動に繰り返し蹂躙されながら、
エカテリナはようやく、おぞましい嫌悪を忘れていった。
『ああ、いい・・・すごく・・・すてき・・・』
ヌルヌルの乳房に、後ろから指が食い込み、乳首をつまみあげる。
下から突き上げられるアナルとヴァギナが、びくびくと今にも爆発しそうにふくらみ、
エカテリナの胎の奥で目いっぱいぶちまけようとしている。
うつろな目と、無残な快楽の中で、何もかも忘れきった顔で、
今はただ律動に身をまかせ続けた。
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