遭遇
銀色の車体が、猛然と急斜面を駆け上がる。
枝が折れ、石が踏み潰され、
今度は急斜面を凄まじく下りていく。
バキバキバキッ、
グオン、グオオッ
「きゃ〜〜、きゃ〜〜、すごおおおい!」
エカテリナが頬を紅潮させ、思いっきり楽しそうな声を上げた。
これならだいじょうぶだな、とウェモンは笑うと、
アクセルを踏み込み、さらに加速する。
巨大なランドクルーザータイプの、四輪駆動車"ベヒモス”は、
400馬力を超える強力なハイブリッドエンジンを咆哮させ、
道とすらいえないような道を、平然と突き進んでいく。
つい先日、初めて生理を迎えたエカテリナに、
ルイーデは無理やり一週間の休暇を与えた。
エルフは自然の精気を吸うと、体調が良くなる。
生理も終わり、ベヒモスでどこか山へでも行っておいでと言われたのだ。
ウェモンが向っているのは名も無い山だが、けっこうけわしく、
師匠と自分しか車の通れそうな道は知らない。
おんぼろトラックで、これに近い道を何度も駆け抜けた彼には、
ベヒモスを駆って走るのは、らくらくとしたものだった。
それにしても、エカテリナはどんどんハイになっていく。
風、緑、山、光、
それらがエカテリナの肌に吸収され、
目に吸い込まれ、
呼吸となって身体中にみちあふれ、
今度は全身から輝きとなって放出されているようだ。
エカテリナは身体の中から湧き上がるものを、
歌として、高らかに放った。
『歌おう、われら森の子、歌おう、大いなる大地、
風が光り、森がささやく、水が輝き、全てが流れゆく、
おお豊か、満ちあふれる世界、
母なる大地よ、われらをまもりたまへ』
古い、古い、いにしえの歌。
古代エルフたちが、歌い継いできたという、大地への賛歌。
たぶん、人として聞くのはウェモンが初めてだろう。
この歌もまた、秘密の楽器ウェルサンダルスに隠された秘曲だった。
力が、車の周りに集まる。
歌い手と、聞く者がその力に満たされ、身体が浮き立つ。
濃い緑の中、ひと筋の滝がなだれ落ちていた。
20メートル近い落差と、深い滝つぼ。
緑と水の香りが、イオンと化して鼻腔をくすぐる。
巨岩がごろごろしているが、意外に広い川原もあり、
ベヒモスは静かに身を横たえた。
静かな空間に、高ぶった神経だけが、ピリピリと興奮していた。
「だれも、いないんですね。」
滝の音だけが続く秘境で、エカテリナはためらうことなく服を脱ぎ、下着をはずした。
光の下で、目を見張るような美しい肌が輝く。
すんなりとした裸身が、恥じらいと興奮に染まり、
優しい美貌が、美しい深い蒼の目を潤ませている。
ウェモンももうたまらなかった。
身体中がかっかとほてり、興奮が自分の物に集中している。
服を脱ぎ捨てると、裸のエカテリナを軽々と抱え、
5メートル先の冷たい滝つぼへ、一気に飛んだ。
「きゃああああああっ!」
興奮していたエカテリナは、嬉しそうな悲鳴を上げ、染みとおるような冷たい水に落ちた。
歌の力が、二人の身体を興奮させ、熱がかっかと全身を駆け巡っている。
激しく唇を交わし、エカテリナのしなやかな裸身が、
岩のようなたくましい身体に抱きつく。
もう、言葉はいらない。
滝の音が、水の刻むリズムが、
二人の身体を突き動かす。
澄んだ水に、エカテリナの白い肌が揺れる。
無骨な指が、柔らかい肌をなで、折れそうな首筋を、唇と舌が嘗め回す。
滴りを吸い、水に混じる香りを嗅ぎ、
淡いふくらみを吸い上げ、赤くわずかに痕を残す。
恥じらい、悶えるエカテリナを差し上げ、可愛らしいへそから、
淡い茂みへと、濡れた肌をなぞり、
濡れた茂みを、口がかき分け、歯がくしですくようにそれをなぞり、咥える。
「ひっ、あっ・・」
いやいやするエカテリナの、真っ白な腿の間、
何度嗅いでも、たまらない香りが、水の澄んだ香りと混ざり合い、淡くはじけた。
可愛らしい尻を押し上げ、唇を吸いつかせ、
震える陰核を口にする。
「ひぐ・・・っ!」
指を噛み、身体を震わす。
冷たい肌の中の、熱く震える豆粒。
容赦なく吸い出し、嘗め回し、愛する。
薫り高い愛液が、痙攣と共に噴き出し、ウェモンはその雫をさらに舐めた。
エカテリナの裸身が、腰まで水に入る。
立ち上がったウェモンの、隆々とした身体が、その細い裸身をぐいと引き寄せた。
「く、はああんっ!」
脚が割れ、そそり立った逸物が、狙い済まして突き刺さる。
冷たい水と、熱がびくびくとめぐる陰茎、
身体の芯に、それが、のめりこむ。
ザブッ、ザッ、ザブッ、
ゆっくりと水音が動く、エカテリナの胎内を動く。
動きが身体を縛り、水音が脳髄まで響いてくる。
それは、まるで重さが無いかのような、森の妖精。
濡れた髪がきらめき、動きに喘ぎ、蠢く肌が、妖しく水滴で輝く。
エカテリナの身体は、強烈な快感に支えられ、
水が浮かばせる感覚が、ゆらゆらと全身をゆすり上げる。
ゆっくりとした動きが、次第にウェモンの強烈な意思に代わっていく。
身体が次第に激しく、あそこが強烈に突きあげられる。
ウェモンの腕に、細い指が食い込む。
喘ぎ、くねる細い裸身。
妖しい喜びと、妖艶なまでの微笑、
絡み合う快楽の蛇が、幾重にもペニスをはいずり、飲み込み、すすり上げる。
エカテリナの蜜壷も、熱く濡れ、興奮で締め上げ、
こすりつけるいやらしい腰に、さらに加速する。
「ひぐっ、あっ、あぐっ、ぐっ、あっ、すごっ、いいっ、あっ、ああっ、あっああっ」
ザブッ、ザッザッザアッ、ザブッ、ザッザッ、ザブッ、ザッ、
熱と水がからむ、快感が二人をつなぎあい、はじけた。
「ウェモンッ、いっ、いっちゃうううううううううっ!!」
後ろに折れんばかりにのけぞる。
ドクウンンンッ、ドクウウンンッッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
ウェモンの腰を締め付け、ほっそりとした脚は幾度も痙攣した。
身体が、噴き上げる熱い生命に、痺れる。
エカテリナは、何度も痺れ、達した。
水に身体を投げ出し、ゆらゆらと揺れる裸身、
それはとても淫靡で美しかった。
滝の音と、興奮で二人は気づいていないが、
滝の上に大きな岩があり、その上で、じっと見ていた女性がいた。
広い額に、結い上げた濃い金髪、
30前後に見える美人だが、目元の酷薄さは近づきたくないような雰囲気。
水浴びをしていたのか、意匠を凝らした下着姿で、濡れたそれはすけて、
ほとんど裸と変わらない。スタイルも胸と腰が豊かで非常に美しかった。
うっとりと二人の愛しあう様子を見入っていた。
「いいわねえ、あの二人。」
おおらかなSEXと、優しくキスをしあう様子、
それでいて、不思議な緊張感がある。
自堕落な愛欲に溺れるだけの恋人同士とは、何か違う。
特に女性の方は、とんでもない宝物を見つけた気分だ。
「うふふふ・・・」
周囲をうかがっているダークエルフらしいメイド二人は、
ほんのわずか眉をしかめる。
あの笑いは、あるじがイケニエを見つけたときの特有の笑い方。
「フェリペ様、そろそろお時間でございますが」
一人が勇気を出して、いわれていた時間を告げる。
「あら、もうそんな時間?。まあ、この後はたいした用じゃないから、
今日は全部キャンセルなさい。いいわね。」
いいわね、がついたら最後、反論するのはトラの尻尾を踏むより怖い。
「う〜ん、たしか滝の下流に特殊生物試験機関の研究施設あったわねえ。」
二人が青ざめる命令が告げられた。
誰もいなかったはずの周辺に、無数のメイド姿の女性たちが現れ、数名が即座に走り出した。
直後にまたメイドたちの姿が消える、明らかに特殊部隊以上の実力者ばかりらしい。
エカテリナがお昼のしたくを始め、
ウェモンは近くにおいしいノイチゴの群生地があることを思い出して捕りに行った。
袋にノイチゴを詰めだしたウェモンは、びくりと手を止めた。
ドスンッ、ドスッ、
飛びのくと、ウェモンがいた場所へかなり大きな石が飛んできた。
藪の中から、さらに数個、顔ほどもある石が次々と飛んでくる。
ザッ
疾風となって走るウェモンに、4つの大柄な姿が意外な俊敏さで飛び出してくる。
『オークだとっ?!』
ウェモンとあまり変わらない図体で、
毛深い人間の身体に、豚のような顔をした裸のオーク。
枝に石をくくりつけた、武器とも呼べないようなそれを、ぶんぶん振り回しながら襲ってきた。
藪の中にはまだいるのか、次々と石が飛んでくる。
オークは知能は低いが繁殖力がきわめて旺盛で、凶暴。
リヴァールの絶滅政策ですらも、完全には退治し切れていない。
とはいえ、こんな所に残っているはずは無かった。
陰茎をおったて、豚のような声を上げながら襲ってきた。
ガサリ、ガサリ、
無用心な足音に、エカテリナはようやく昼食の支度を終えかけて振り返る。
「ウェモンさん、もう少しでできますから・・・ヒッ!」
そこには、8匹のオークがよだれを垂らしながら立っていた。
ウェモンは容赦なく、巨木をぶち抜く抜き手を放った。
心臓をえぐられ、喉を突きぬかれ、6匹のオークは即座に全滅した。
ウェモンは青い顔で、そのまま走り出す。
オークの悪質な習性が、悪い予感を増幅させた。
オークは凶悪な繁殖力を持ち、メスと見れば襲う性欲の権化なのだ。
オークどもは、知能は低いが本能的に逃げ足は速い。
エカテリナをひっさらうと、滝つぼから川筋をかけくだり、
深い森に飛び込んだ。
忘れ去られたような、崩れかけた小屋があった。
「ひっ・・や・・・ウェモン・・」
怯えて声も出ないエカテリナは、恐怖で身体を震わせていた。
けだものの匂い、醜い顔が欲望によだれを垂らし、
エカテリナはエルフの本能的な恐怖が、全身をこわばらせる。
容赦なくガウンを剥ぎ取られ、無理やりに脚を広げられる。
凶暴に屹立した陰茎が、泣きながら首を振るエカテリナに突っ込んだ。
「いやああぁぁぁぁっ!」
か細い、泣き声が上がった。
ガスッガスッガスッ
「いやっ、いたっ、痛いっ!、やあっ!、やっ、やめてっ!」
エカテリナのことなど考えもしない。
乾いた膣に、無理やりにねじ込まれ、激しくこすれる痛みに、悲鳴が上がる。
だが、オークにとってはのたうつ女の動きが、たまらなく興奮する。
プキイイイイッ
豚の声を上げ、腰を震わすと、巨大な陰嚢を震わせた。
ドクンッ、ドクンッ、ドクッ、ドクッ、
「ひいいいいっ!!」
オークの陰嚢は巨大で、量がすごい。
最初の射精をエカテリナの中に放ち、そのまま腰を振り出す。
子宮が一発であふれる。
泣きながら、逃れようともがいても、
それはオークを喜ばせるだけ。
プキイイッ
豚の声が上がり、腰がぐいと深くねじ込まれる。
子宮がえぐられる感触と共に、けだものの濁液がシャワーのように吹き上がる。
「いっ、いやあああああああっ!!」
オークの繁殖力は凶悪で、たいていの種族と混血が可能。
泣きながら悲鳴を上げる彼女に、嬉しげに腰を振り、締め付ける膣をドロドロにこねくる。
ドクンッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、
射精し続けながら、腰を繰り返し突き込む。
エカテリナを突き上げ、その中を穢し、ねじこみ、突き入れる。
オークに捕らわれたエルフの女性は、ほとんどが自殺する。
孕むまで犯されて、全てに絶望して。
よだれを滴らせ、豚の声を上げながら腰を振るそれが、
エカテリナを徹底的に貪り、強姦していく。
のけぞり、腰を激しく震わせ、脈動が再びほとばしる。
ガクッガクッガクッ、
蒼い目を見開き、のけぞった顔が声もなく喘いだ。
白い腹がフルフルと震え、射精され続ける感覚が、深く、深く焼きついていく。
「くそっ、どこだっ、」
ウェモンは必死に川面を走り、川岸の微妙な変化を読もうと必死だった。
石が不自然に濡れているのを見つけ、岸に躍り上がった。
「ひっ・・・あっ、あひ・・っ、あ・・・・」
ホコリだらけの頑丈なテーブルに、
エカテリナはうつぶせに縛られ、後ろからオークが激しく突き入れる。
ドクッ、ドクッ、ドクッ、
射精しながら、しりをあざがつくほどにぎりしめ、何度も突いた。
痙攣するエカテリナの震えにいやらしく笑い、
恐ろしく心地よく絡み合う粘膜めがけ、陰嚢を思いっきり震わせる。
原始の悦楽がけだものを喜ばせ、ギュウッと締め付ける中に、
何度も突き入れ、まき散らして満足げに喘いだ。
細い裸身がのけぞり、のたうつ。
あふれた精液がぼとぼとと零れ、腿を白く汚していく。
がまんしきれない別のオスが、手でしごいていたものを、エカテリナの顔に向けた。
ビュウウウッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、
もうろうとする顔に、生臭い精液がたっぷりとかかり、口にも鼻にも入ってくる。
ガスッガスッ、ガスッガスッ、
よだれが、だらだらと白い美しい背筋を汚し、のしかかる腰が再び痙攣する。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
縛られた手が白くなるほど握られる。
「ひ・・、や、め・・・、いや・・・・」
子宮が生臭い精液で熱く沸き立っていた。
おぞましいそれが、中に深く染み込んでいく。
その意味を、理性が拒否し、意識が遠のく。
弱々しく喘ぐ口に、思いついたようにオークがペニスを押し込む。
「んう・・・んっ、ぐ・・んうっ、」
やたらとデコボコしたペニスが、口を犯す。
胎内を突き上げ、こねくるそれが、ひどくこすれて、襞をひっかけ、胎をこねる。
口が、教え込まれた動きになぞり、
舌先の動きで、あっさりと射精する。
ドクッ、ドクッ、ドクッ、
子宮口をえぐるそれが、脈動する。
ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、
押し付けられた乳首が勃起していた。
射精される感覚が、ぞくりとする快感となって、中を貫いていた。
口に押し込まれるそれを、無意識に飲み干していた。
前からも、後ろからも、オークに犯され、表情すらなくなっていく。
がまんしきれぬオスが、後ろのオスを突きのけ、新たな、固く濡れたペニスを、
精液を噴き出しているエカテリナの膣に突き入れる。
「んふうんっ!」
ビクビクッ、
軽いエクスタシーが、犯される感覚に走る。
この世でもっともおぞましいペニスに、身体が勝手に快感を生む。
肉が割られ、粘膜がこねられ、
考えたくない相手と、一体になる感覚に閉じ込められ、
無理矢理にエクスタシーを引き出されていく。
縛られた身体が、のたうち、のけぞる。
オスの性器が、深くエカテリナをうがち、
粘膜に、襞に、精液を漏らしながら突進し、律動を繰り返す。
顔に再び射精が浴び、大量の精液の感触にぞくりと痺れが走る。
身体が揺さぶられ、脳髄が崩れそうに貫かれ、あそこから裂けていくかのように犯され続ける。
オークたちの底無しの欲望は、止まることを知らない。
「んうううっ!!」
ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、
激しく噴出したかと思うと、すぐさまガスガスと腰を突き上げだす。
子宮がパンパンになるぐらい、精液が詰め込まれ、掻き出される。
異種族のメスでも、平然とさらい、
意識が壊れても、生きている限り犯し続ける。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
『やめてえ・・・もう、もう、やめて・・・いや・・・』
かすかな理性が悲鳴を上げても、際限ない欲望が無理やりに快感を引き出し、
エクスタシーで締め付ける膣に、精液をぶち込む。
絶望の中で、エカテリナはただ犯される快感に落ちていった。
白い裸身は壊れた人形のように輪姦されながら、
次第に、生気を失っていく。
「エカテリナ、しっかりしろ、エカテリナ」
ウェモンの優しい声、太くて強い腕。
潤んだ蒼い目が開き、ウェモンの心配そうな顔を見て、手を伸ばしかけ、止まった。
身体中がけだもの臭かった。
青い顔で、自分の身体を抱くエカテリナ。
下腹から、おぞましい体液がたっぷりと子宮にざわめいている感触がした。
吐きそうだった。
「滝つぼに・・・つれてって・・・」
滝つぼに入ったエカテリナは、ウェモンが心配するほど、浮かんでこなかった。
ゆっくりと白と金の裸身が浮かんでくる。
水に仰向けに浮き上がった裸身。
それは幻想的なまでに美しく、死者のように静かだった。
細い手足も、白くきめ細かな肌も、愛らしい胸の膨らみも、
ウェモンが愛したそれだった。
オークどもの下に組み敷かれ、前後からドロドロに汚されていたそれに、
怒りが沸騰したのを思い出す。
だが、その光景すらもはや目の前の美には色あせる。
ふっと蒼い目が開き、悲しげに笑った。
「そっか・・・ばかみたいですね。」
「何が?」
ゆっくりとエカテリナが起き上がる。
「考えたら、わたし生理の直後でした。オークと交配なんて、まだあるわけなかったです。」
いかにも平然として、何事もなかったかのような言葉。
だが、ウェモンはその奥の痛みを感じた。
目から、耳から、顔から、胸から、首から、
滴る水が、赤く血に染まっているような気がした。
岸へ上がろうとするエカテリナを抱きとめた。
ビクッ、少女は震えた。
身体を縮め、首を振る。
「やっ・・・だめっ、私っ、汚いです、だめっ!」
もがくエカテリナを、強く熱い腕ががっしりと抱きとめ、
泣いている顔をとらえ、強く口を吸った。
エカテリナのお腹に、隆々とそそり立ったペニスが熱く当たった。
無抵抗になったエカテリナは、草むらの上で、次第に熱く、そして甘い声を上げて、
絡み合っていった。
近くの木の枝から、
一羽の目の大きな鳥が、じっとそれを見ていた。
「うっふふふ、すごい絵が撮れたわね。」
高性能カメラを仕込まれた人工の鳥は、
二人の甘く深いSEXのありさまをじっと撮り続けている。
今やエカテリナは、ウェモンの上に跨り、それこそ全身をぶつけるように貪りあっていた。
「あの男性も、何て情熱的なんでしょう。そして女の子は、まるで宝石みたいに輝いてる。」
女性は股間をたっぷりと濡らし、取れた映像に満足しきっていた。
「こうもすばらしいものが取れるなんて、思わなかったわ。」
特殊な無音ヘリの中は、無数のディスプレイが設置され、ウェモンの闘いも、
エカテリナが輪姦されているシーンも、全て撮られていた。
つまり、あのオークはこの女性が狙って放したものなのだ。
ただひたすら、面白い映像を撮りたいがためだけに!。
二人のダークエルフのメイドは、声に出さず静かにため息をついた。
『この鬼畜ババア・・・』
メイドが心の中でののしるこの女性、フェリペ公爵夫人と呼ばれる、
リヴァールでも非常に危険きわまりないことで知られた女性だった。
リヴァール貴族階級に隠然たる勢力を持つ大貴族で、
『女皇』『吸血の姫君』『血と遊戯の夫人』などのあだ名を持ち、
権力闘争の泥沼のような貴族階級で、権謀術数の限りを尽くし、不動の権力を得ている怪物である。
特殊生物試験機関から借り出したオークは、絶滅させる研究用に子種だけを殺したしろもので、
万一生き残って逃げ出しても、繁殖することは無いし、
襲われた女性が妊娠することは無いが、
やっていることの鬼畜さは、変わるわけではない。
この鬼畜なあるじに、目をつけられたのが災難という他無い。
「うっふふふ、ぜひともこの次の映像にも、参加していただきたいわあ。」
二人の行く末に、メイドたちは祈らずにはいられなかった。
フェリペ公爵夫人は、エカテリナのあとをつけさせ、
彼女がルイーデの館の娼婦であることを知った。
「ほほう、あのルイーデの・・・うふふふ・・・」
不気味な笑いが、豪奢な広間に響き渡った。
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