■ EXIT      
娼婦たちから愛をこめて

「ううっ、たまんねえな・・・」
ソファに座った男は、おもわず呻いた。
さほど大柄ではないが、浅黒い鍛えた身体に、潮の香りが染み付いている。
体格の割りに立派な代物は、シアンの豊かな胸の間でもてあそばれ、 生々しい音をたてて、唇に吸い込まれる。
妖しい目線が、男の背筋をぞくりと舐める。

チャプ、チュブ、チュッ、チュッ、
乳房で挟み込んだ物を、こすり上げ、赤黒く膨らんだ亀頭は紅い唇に吸い付かれ、 いやらしい音を立てながら、快感を吸い上げる。

『うふふ、い〜かんじよ、メサド。』

男はメサドという、シアンのなじみ客で、 値段のわりに具合のいい彼女に、しょっちゅう通ってくる海軍の下士官だ。
シアンもけっこうにくからず思っているのか、サービスもかなり本気だ。

シアンの褐色の肌が、汗に光りだし、 ぐいと深く喉まで飲み込む。
金髪がきらめきながら上下し、舌が上から下まで這いまわり、蛇のようにからみついた。
亀頭の先が割られ、吸い出される強烈な快感に、 吹き上がってきた快感がペニスを突き上げようとした。


ピーッピーッピーッ!
「こっ、こんなときに緊急コールか?!、くそおおっ!!」

ブレスレット状の携帯通信装置が、ものすごい音量で鳴っていた。

非番の兵士や、予備役の者にまで強制的に鳴らされる緊急コールは、 海軍基地の第一級非常事態を意味する。
いかなる事情があろうと、基地へ駆けつけなければならない。

呪いの言葉を吐き散らしながら、 シアンにすまねえと言い残し、男はズボンをあげながら走り出した。


お店がにぎやかになる夜の7時過ぎたころで、 店中が騒然としていた。
店に来ていた軍人全員が、緊急コールで呼び出されたのだ。

「どうしたんだい?」
ルイーデが不穏な気配に出てくると、 何人もの娼婦が、急に客にすっぽかされ、不安げな様子でいた。

「あっ、あれ!!」
シアンが真っ先に気づいた。
東にある第4海軍基地の方で、空が真っ赤になっている。

「こりゃあ、えらいことになってるわね。」
基地は10キロ先にあるのだが、半端な火事ではなさそうである。


原因は極めて単純な作業ミスからだった。
本来二人組の安全確認作業をしている係官が、片方が急病で休み、 もう一人が、検査確認初期に事故で死亡し、 それに気づかないまま、タンカーの整備を開始、 タンカー上部にたまっていた抜き忘れの膨大な可燃性のガスが引火し、爆発炎上したのだ。

原油そのものは、可燃性はきわめて低い、 だが、発生するガスは一定濃度を越えると、火花一発で爆発する。

この基地は、企業と結んで原油精製施設も備えていた。

運悪く、タンカーはパイプラインの不調から、精製施設のそばに係留されていたため、 連鎖的に基地のタンクや精製装置も爆発し、稀に見る大規模火災を発生させた。

グラムリンクシティを挟んで、近いところにある第2陸軍本部基地、第1空軍基地も、 燃料供給ラインをもつ第4海軍基地の危機に、全力で消火に協力した。


三軍の必死の協力作業で、 これほど大規模な火災が、極めて短い時間で消火された。

だが、被害は小さくなく、けが人も大量に出ていた。

「メサド・・・」
ニュースを聞いて、シアンはひどく心配になった。
あの気のいい男が、無事だろうか。

「昨日のお客さんですか?」
横に居たエカテリナが、シアンの表情を読んだのか、心配げに話しかける。
「あ、うん、あいつ無理してないといいけど・・・」

気のいい、がんばり屋のメサドは、少しとろい所はあるが、 友達思いのいい男だ。シアンも気に入っているだけに、心配だった。

「シアンさん、行ってみませんか?。お見舞いに」



「エカテリナ、私らはボランティアやってるんじゃないわよ。」
ルイーデは厳しい経営者の顔を向けた。
エカテリナとシアンが、『ルイーデの館』で見舞いに行きたいと言い出したのだ。

「でも、昨日も大勢のお客様が飛び出して行かれましたよ?。 これだけの大事故です、放っておけば、客数に大きく響くでしょうし。」

さすがのルイーデも言葉に詰まる。

確かに、風俗関係は軍人のお客様も多い。
しばらく客数の減少は覚悟しておかなければならない。
手をこまねいているのは、確かにうまくない。

「・・・・ボスに聞いてみるわ。」

ボスのマツグランは、ここ一番という時のツキがすごく、 突発的な事態に対する直感は外れたことが無い。

館として見舞いか何かした方が良いだろうかというルイーデに、 むしろやれやれとけしかけた。

「それに、あのビデオディスクも海軍から広めてもらったんだろうが、 お見舞いぐらい行かなけりゃばちが当たるぞ。」

シアンとエカテリナのAVディスクは、海軍の売店に納めたのがきっかけだった。 ただし、裏組織の上役が行くのはむしろ迷惑をかける、 女たちが、なじみの客たちにお見舞いに行く形が一番いい。

ボス公認となれば、やらざる得ない。
シアンに、女10人を引き連れさせて、お見舞いと訪問をさせることにした。 しかし、シアンがエカテリナも同行させて欲しいと願い出る。

「ちょっと、何を考えてるのよ?」
エカテリナまで見舞いに引っ張り出す理由が分からない。

「言葉が自在なのはエカテリナだけです、 それに、基地司令官に挨拶できる器量を持っているのも、彼女だけですよ。」
ルイーデは、基地指令がエカテリナの客だったことを思い出した。
確かに、女10人引き連れてルイーデの館として行くなら、基地司令官に挨拶をするべきだろう。



「えらいことになっちゃったわねえ・・・」
ボスの公認とはいえ、女たちの方が自分も行くと言い出し、 結局総勢25人の大部隊になってしまった。

自分が娼婦だったころを考えると、こんな光景は想像がつかない。
「女達が、本気で客を大事に思い始めている、ということか・・・」
複数の言語が交錯するリヴァール、 この辺で通じにくい言葉を、エカテリナに習っている女たちには、 言葉で苦労している男たちがよく通ってくる。情も深くなろうというものだ。

階級差別の激しいリヴァールで、最下層の虐げられている女達が、 『奴隷』ではなく『女』としての力を思い出し始めた。

女たちの思いが、男たちの心を揺さぶらない訳が無い。

『まったく、エカテリナ、あんたって娘は・・・・』

ルイーデ自身が夢想していた領域すら超えて、 エカテリナは何かを動かそうとしていた。
軽い嫉妬と、そして成長した愛娘を見る母の目を、全員が乗ったバスに向けた。


海軍基地指令ベノッサ・マグガイヤーは、海軍本部から調査に来た監察官に、 細かい事情説明を続けていた。

顔には疲労の色が濃く、苦悩がひどく老けさせて見せた。

説明そのものは終えたが、基地司令官の失点を是が非でも広げようとする、 悪意に満ちた隅をほじりまくるような質問に、げっそりとしていた。
そのとき、連絡が入った。

「指令、負傷者のお見舞いをしたいと、すごい数の女性たちが来ていますが」
「女性だと?」
「代表者は、ルイーデの館のエカテリナと名乗っております」

疲労しきっていたベノッサの顔に、驚きと喜びが浮かぶ。
「そうか、一言お礼を言いたい、こちらに通してくれ。」

監察官たちに、急に血色の良くなった顔を向けた。
「すまないが、女性を迎えねばならん。少し時間をいただけるだろうか?」
間を開けられて、責任を追求しきれないことにむすっとした顔をしながら、 監察官たちは不承不承うなずいた。

重厚なドアが開くと、その顔が、あんぐりと口を開けた。

「ルイーデの館の娼婦エカテリナにございます」
輝くような薄桃色のドレスを着た女性が、優雅に、気品に満ちたしぐさで礼をする。

「日頃ご寵愛いただいております、海軍基地の皆様の難事を聞き、 恥ずべき身の上ながらも、お見舞いに参上いたしました。
ご無理をお聞きいただき、心から感謝いたします。」

目頭が熱くなるような言葉と、救いの神のようなタイミングに、 抱きしめたい気持ちを必死に抑えながら、ベノッサは静かに応えた。

「なんの、その気持ちだけでもこの上なく嬉しく思います。 兵たちも喜ぶことでしょう。」

監察官たちは完全に気を飲まれ、気品に圧倒され、呆然としていた。

「この女性を、野戦病院に送っていくよ、しばらく待っていてくれたまえ。」

監察官たちが返事が浮かばないうちに、さっさと部屋を出て行った。
しかし、洒脱な司令官は廊下に出ると、すぐに隣の部屋に移った。

「エカテリナ、よく来てくれたね。」
白髭の司令官は、細い身体をひしと抱きしめた。
エカテリナも、すがりつくように司令官を抱きしめた。

慈愛の視線と、優しい香りが司令官を包んだ。
昨夜からの疲労が、うその様に溶けていく。

「事故の話を聞き、ベノッサ様のご心痛がいかばかりかとたまりませんでした。」
エカテリナはキスをすると、キラキラした目を向けた。

「でもベノッサ様、まけないで下さいませ。」

その目を見ていると、心から力が湧いてくるような気がした。
「ああ、まけないとも。私も海軍の男だ。」

「はい。」

耳にジンとくる、銀の鈴を振るような声。
優しく甘いキスは、男の威厳と力を取り戻させる。

部屋に帰ってきた司令官を見て、監察官たちの方がげっそりとした。
いきなり10以上も若返ったような力に満ちた顔をしていた。

野戦病院は、 緊急の大型天幕に、無数のベッドが並べられ、 うめき声を上げる大勢の男たちが寝かされていた。

基地には女性の軍人も相当数いるが、さすがにけが人は男ばかりだ。


「だいじょうぶかい」
背中に広範囲のやけどを負ったメサドが、 その声を聞いて、うめき声を止めた。
「し、シアン?!」

美しいルビー色の目が潤んでいた。
その輝きに、メサドは背中の痛みも、思わず忘れてしまった。
「よくがんばったね。」
優しく頭をなでられ、涙ぐんだ声をかけられると、 男の胸は誇りでいっぱいになった。

女達が、馴染みの客を見回り、 あるいは呻いている患者に声をかけ、優しく手を握ってやると、 うめき声は見る見る少なくなっていった。


水を与えたり、痛いところをさすったり、希望を看護婦たちに伝えてやった。
始めは眉をひそめていた看護婦も、小さな声で感謝を始めた。

何しろ20以上の言語が交錯し、共通語すら通じにくいリヴァール王国連合、 言葉の問題には手を焼いていたのだ。


「手当て」という言葉のように、 人の手には、何らかの癒しの力があるという。 まして、女性たちから称えられ、励まされては、 酷いけがすらも、誇りと喜びが痛みを押しのける。

女性たちが帰るころには、うめき声は感謝と歓声に変わり、 驚くほど元気になった男たちに、女たちは手を振って帰っていった。

後に、この大火災に遭遇した男たちは言う。

『どんな勲章よりも、駆けつけた女たちの優しい励ましが誇らしかった』と。

さて、この話には後日談がある。


火災から4日ほどたち、 ごった返す店に、3人の士官が訪れた。

陸・海・空軍基地の、遊び人で知られた男ばかりだ。

「出張サービス・・・でございますか?」

例の火災の時、酷いやけどやケガを負った連中は、まだ退院できずにいる。 家族や恋人がいる男は帰宅して世話を受けられるが、独り者は哀れなものだ。 背中や肩、腰など手の届きにくい部分や、利き腕、両手を焼いた者も多く、 他人が世話をしないと、治療もうまく行かない。

けが人のほとんどは、消火や救助に全力を尽くした者であり、 それは各部隊の全員が知っている。

この世界、医療技術は非常に進んでいるが、火傷は通常の傷より長くかかる、 だが、身体は持て余す。

海軍基地内の酒場で、 同じ男としてかわいそうではないかという声が上がった。

もちろん、反対の声はほとんど無く、 最初はささやかな差し入れ(エロ本やビデオディスク)でもしようという話から、 予想外に我も我もと声が上がる。

『おもしれえ、俺も協力するぞ』
酔った真っ赤な顔の、力強いだみ声に、全員が驚いた。
請われて復旧に力を貸していた空軍基地の総合整備責任者ヴァン・マツウラである。

整備の神様とまで言われ、 神業的な整備と復旧の技量に、全軍の技師たちは無条件に心服していた。
設備を守ろうとした技師のけが人も多かったのが、 ヴァンの気持ちを動かしていた。

お陰で、空軍、陸軍の技師や兵士たちまで、 この陰謀(?)に協力を申し出た。

豪快なヴァンは、酒で赤い顔でにやっと笑った。
『同じ抜くなら、本物の方がいいんじゃねえか?』


このひと言に、洒脱な所のある海軍司令官は、笑って快諾したそうである。

当然、こうなるとルイーデの館以外は出番は無い。

現在、入院しているのは52名、 重傷者の2人を除けば、後は全員OKだ。

「やさしくヌイてくれる女性を、10名ほど都合して欲しい」
出張費用を含めても、十分採算の取れる金額を提示された。


が、ここでも予想外の申し出があらわれる。
女たちの方が、安くていいから人数を増やせないかと言い出した。。
「あんたらが提案したの?」
思わずシアンに聞き返したが、彼女は首を振った。
「アタシも含めて基地見舞いに行った女達は、指名率がすごく高くなったんですよ。」

けが人たちが、見舞いに来てくれた女たちをほめるので、評判になったのだ。

あの見舞いから、覚悟していた客数がむしろ増えたのも意外だったが、 そういう一面があったのは気づかなかった。

「相手はけが人なんだから、あんまり無茶しないのよ」
ルイーデは苦笑いするしかなかった。



けが人たちは、まとめて大型テントで作られた野戦病院に入れられている。

ほとんどが火傷、最長で14日、ほとんどは12日で退院できるので、 通常の病院への移動は必要ないというのが表向きの理由だが、 問題は別の所にあって、元気になって、精力がありあまってきた兵士たちを、 抑えきれる自信が無いというのが正直な所だ。

特に体調がよくなってくる7日目以後が、一番危ない。
4日目以後は看護婦の見回りも無くなり、たまに医療知識のある衛生兵が見回るだけだ。
はっきり言って味気ない。

だが、8日目のこの夜は全員、押し殺した声でぼそぼそと期待に話を弾ませていた。

すでに話は通されている、 テントには衛生兵すら朝まで来ない。

密やかに訪れる娼婦たちを思い描き、興奮で目は血走っている。

暗闇に等しいテントで、どんな女が来るか、息が荒くテントは雄の匂いでむんむんしていた。

『うっふふふ・・・、お待たせしました。』

ハスキーな女の声が、大きくテントに響き、全員ぎょっとした。
とたんに大音量で、にぎやかなサンバが鳴り響き、 こっそり仕掛けてあった小型のミラーボールが強烈に光りながら回りだす。

『ルイーデの館の女たち、お慰めにきましたわよおおっ!』

マイクロの白いビキニをつけ、頭と腰にでっかい羽飾りをつけて、 金や銀のリボンでぎらぎらの女性が二人、 サンバにあわせて腰を振りながら入ってきた。

続けて、清楚なスカートと可愛らしい赤い帽子(チロリアンハット)をかぶった女性が二人、 白いソックスをひらめかせるように、足を高く上げながら踊るように入ってくる。

次ぎは、黒い軍の帽子に片目をアイパッチ、長い腿まである黒のラバーブーツに 黒皮のムチ、肩当てだけをつけて、胸からへそ下は透ける網目というボンテージルック。
入ってくるやムチをぴしりと鳴らし、ポーズをつける。

次々と入ってくる女たちは、それぞれに趣向を凝らした服をつけていた。
要するに全員が色々なコスチュームプレイをしているのだ。


男たちは口笛を鳴らし、手を叩き、大喜びだ。


マイクを持ったシアンは、黒と赤のぴったりしたチャイナドレスに、金髪を高く結い上げ、 腰まで入ったスリットから、脚線美を見せ付ける。
もちろん下着はオフ、胸がゆれるゆれる。


「今宵は、ルイーデの館をご指名いただき、ありがとうございます。 本来なら全身全霊でサービスさせていただきます所でございますが、」
と、ため息をつくようにして、胸をぐいと押し上げる。

「なにぶん、皆様お怪我をなさっている方ばかり、あまりに過激ですとお怪我に触りますぅ」

どっと一同笑った。
舞台度胸があるのか、シアンの司会はうまかった。

「今日はピンクサロンルイーデということで、 ビールまでなら良いと、許可もいただいております、存分にお楽しみください。」
本来酒は傷に触るのだが、 リヴァールの医療もかなり進んでいる、ビールぐらいまでは許可が下りた。

「くっそお、俺たちも参加したいぜ」
念のために、カメラでのぞいていた企画した連中は、本気でうらやましがるぐらい、 場は盛り上がっていた。

ミラーの光で、客席に当たるベッドはむしろ暗く沈み、 そこへ女達が回っていく。

真ん中にベッドを9個つないだ即席の台が作られ、スポットが当たり、ショーが始まる。
妖しい音楽の中、 ボンテージに軍帽をかぶった女性が、チロリアンハットの女性にムチを鳴らし、 白いストッキングの足を踏みつけ、いたぶりながらその服を剥ぎ取っていくSMショーだ。

「うっふふふ、おまたせぇ」
シアンは、メサドを見つけると、さっさとよりそった。
「おおっ、シアンすげえなこれは。」
シアンはにんまりと笑った。
「この間の続き、たっぷりやってあげるからね。」
ビールを一口含むと、メサドに口移しで飲ませた。

ショーでは剥かれて、むき出しになった乳首に、ムチの先が押し付けられ、こねるようにもてあそぶ。
白いレースの下着が濡れ、淡い肉の色が透けて見え出す。
恥じらいながら、緑の髪を震わせ、のけぞった。

メサドの少し恥垢のついたペニスを、おいしそうにしゃぶり、指先で嬲るようにしごく。

陰嚢を指でもてあそびながら、亀頭を咥え、唇でなでまわす。
「ううっ、こっ、こいつはいい。」

胸をぐいとはだけ、どんと飛び出すボリュームのあるバスト、 これにはさまれ、こすられると、どんな男もたまらない。
ペニスがギチギチと音をたてんばかりに興奮する。

亀頭はシアンの唇に包まれ、肉茎は量感のあるバストに挟み込まれ、 メサドはこの間中断された苦痛を、何倍もの快感で取り返す。
腰が思わず動き、シアンの口を突いた。
それにあわせ、頭を動かし、唇をすぼめ、胸をこすり合わせた。

紅い唇の蠢きが、亀頭の先をもてあそび、 舌先が何度も尿道を広げ、その奥を吸い上げる。
肉のあたたかで痺れるような刺激が、まといつき、すりあげ、もみしだく。

溜まりに堪ったものが、身体の奥底から噴き上げてきた。

「うっ、んううっ!」

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、

シアンはためらいも無く、それを飲み込み、喉を鳴らした。
最後の一滴まですすり上げられ、メサドは死んでも良いぐらい気持ちよかった。

丁寧にきれいにしてくれるシアンに、また元気が出そうだ。

「ちょっと他の人を回ってくるから、待っててね。 もっと搾り取ってあげるから。今度は私のあそこで。」

耳元にそっとつぶやかれ、即座にメサドは元気になりそうだった。

ショーは透けるレースの服をつけた双子の姉妹が、 妖艶なレズビアンショーを始めていた。

元々Hが大好きな女たちは、一対一でも一対多でも、 嬉々としてお相手を始めていて、頼まれれば、喜んでベッドに上がって跨っていく。

「あんっ、ああんっ、元気ですうっ!」

嬉しげに声を上げながら、ベリナの蜂蜜色の髪が激しく上下する。
両手がやけどして、溜まりに溜まった物を、 濡れた襞で優しく包み込み、その欲求を飲み込んでいく。

「私には、気にせず、おもいっきり、出してくださあいっ!」

彼女は子供を作れない、だから、気軽に深く受け入れていた。 背中に小さな羽根をつけて、天使のコスプレをしているベリナは、 淫らに腰をくねらしながらも、どこかとても優しく見えた。

「どお、気持ちいい?」
「ああ、すごく気持ちいいよ」
にこっと微笑むと、優しい顔を下げて、再び丁寧に愛撫し始めた。
ベリナの隣で、肩を怪我した男を優しくしゃぶっているのは、人間の高級娼婦フェリンだった。
見舞いも、出張サービスも、何人もの人間の娼婦が参加していた。

指名率向上のために参加した娼婦もかなりいたが、 けが人を見て、愛情がわきあがらない女はほとんどいなかった。
フェリンも、高級娼婦ながら、本気で男性たちを慰めていた。

今や、店ではエルフと人間の垣根はかなり少なくなっているようだ。

「シアン、こっちもたのむぜ」
以前来たことのある軍曹が、嬉しげに声をかけた。
「はあい、すぐ気持ちよくしてあげるからね。」

この後、ルイーデの館は創業以来の最高売り上げを更新することになる。
次の話
前の話