■ EXIT      


ここはリヴァール、エルフとエルフの血を引くものは、最下層の四級市民。
そしてグラムリングシティ歓楽街、市民ですらない女たちの、涙と吐息が金になる場所。
天涯孤独の記憶を失った娼婦、エカテリナは、そんな場所にいた。


「うっし、ありがとさん」

若く、贅沢そうな服を着た男は、ピラリと札をひるがえし、 タバコを買って来た女に、つり銭をチップ代わりに渡した。

夜も始まり、ルイーデの館はにぎわっていた。
そのごく当たり前の光景。

だが一人だけ、青ざめた顔をした女がいた。
優しげな顔つきがこわばり、蜂蜜色の長い髪が震えていた。

「ペリナ、どうしたんだい?」
目ざとく見つけたシアンの声に、ペリナはびくりと振り返った。

男は予約を申し出て、確認をとるとエカテリナの部屋へ向った。
いつもならエカテリナの方が迎えに出るのだが、 最近良く来るこの男は、なぜか部屋に待っていて欲しいと言っていた。

「あ・あの・・」

ひどくおどおどした様子に、ただ事ではないと察し、 使われていない小部屋へ連れ込んだ。

「あの男の人、『落とし屋』です・・・。」

シアンの顔色も青ざめた。



「僕の姫君、愛しのエカテリナ、お待たせしたね。」

長い腕に抱きしめられ、エカテリナは微笑みながらささやく。

「シホック、お待ちしておりました。」

甘いキスを軽く繰り返しながら、エカテリナの服をするすると脱がしていく。
白い喉に、青いような鎖骨のくぼみに、いくつものキスマークを散らしていく。

『くくく、今日こそは『落として』やるぜ。』
言葉とは裏腹の邪悪な笑いをこらえ、シホックは手馴れた手つきで、エカテリナを愛撫していく。


ペリナは以前は、豪商の2級市民の《市民管理扱い》だった。 《市民管理扱い》すなわち奴隷にも等級があり、彼女は一級レベルだった。
所有者は宝石を自慢するように、自分の奴隷にも自慢があり、 彼女は物扱いとはいえ、それなりに大事にされていた。

だが、彼女はシホック(その当時はギースと名乗った)の甘い言葉にだまされ、 SEXのテクニックで落とされて、言われるままに逃げ出した。

逃げ出してすぐ、彼女は売春宿に売り飛ばされた。
絶望するペリナに、催淫剤が打たれ、性欲に狂わされた身体に、無数の男が群がった。

もちろん、ギースと宿の持ち主はグルであり、たっぷりと仕込まれた後、 客を無数に取らされ、使いまくられた。
妊娠させられ、堕胎させられ、子供を作る機能もそのときに失った。


高価な一級の《市民管理扱い》を、だまして落とさせ(逃げさせ)、 裏稼業に売り飛ばす連中を『落とし屋』と言った。

もちろん、見つかればすぐに持ち主が取り戻すことはできる。
だが、売りつけるのは『落とし屋』、売春宿側は知らなかったと言えばすむ。
そして、大半の持ち主は『傷まみれになった宝石』に失望するのだ。

豪商は愚かなペリナに激しいムチうちを行い、さっさと宿に叩き売った。

その痕は、今でもペリナの背中に残っている。

落とし屋は整形で顔を変え、名前も変えているが、 その声も仕草も、ペリナは一日も忘れたことはなかった。



『しっかし、よお、さすがに最高級娼婦だあな。』
シホックはニヤケそうな顔を、必死にとどめ、花が開いていくような裸身の白さに目を奪われる。

肌の白さ、あたたかな輝き、めったにない気品に満ちた美貌。
それでいて、先日しなやかな爪先でペニスをつままれ、嬲られた快楽は、 落とし屋のプライドすら砕けそうになった。

まだ体つきこそ幼さがあるが、受け止める肌の潤いは、 溺れても溺れても、まだ深く潜りたくなる魔性がある。


乳房の可愛らしいふくらみに指が吸い込まれる。
なめらかな下腹の温かさに、噛み付きたくなるのを必死に堪える。

甘い、かすかな香りが、花びらから漏れ出し、その花弁を一枚一枚しゃぶり、味わう。
「ひあっ、あんっ、そんなっ、あああんっ!」

エカテリナも、お返しをしようとするが、シホックはたくみに身体をよけた。
「今日は僕にさせておくれ、エカテリナ」
『この間みたいに、先にいきすぎちゃあ、落としてしまえねえからな』

真珠をいくつも埋め込み、凶悪な快楽を女性に植え付けるペニスは、 シホックの一番の武器だ。
だが、それも入れる前に何度も何度もいかされては、女を狂わす武器にはならない。

実際、エカテリナの全てが、恐ろしい快楽の武器であり、 手で、舌で、ゆびで、腿で、爪先や乳房で、何度も先に射精してしまい、 いつも“あいうち”がやっとだった。


そろそろ依頼主であり、マツグランの敵対組織の「グーラス」もイラついてきていた。 ルイーデが傘下に加わって以来、どこの風俗もマツグランには勝てない。
そこのトップである最高級娼婦を落とし、奴隷にしてこき使えば、一石二鳥と思っているのだ。

「はあんっ、あんっ、あああっ、かんじるううっ!」
舌先がクリトリスの粒を味わい、嬲りまわす。
指が、襞を掻き分け、中をもてあそび、陰唇をこすり上げる。

あふれ出る甘露が、シホックの指と舌と顔を濡らす。

存分に濡れ、わななく膝を抱え、ぐいと反り返った男根を押し当てた。

凶悪なふくらみがいくつも盛り上り、そのでこぼこが、期待に震えた。

ズブズブズブッ、

「ひあ・・・・・っ!、あっ、くううう・・・・!」

シーツがちぎれんばかりにつかまれ、引っ張られる。
白い肌が汗に光り、色香を帯びてのけぞる。

凶悪な感触が、陰唇を広げ、肉を開き、犯していく。

目を閉じて、その感触に必死に耐えた。

ゾクンッ

いくつも浮かび上がる、硬く丸い感覚、それが中を無数にこすり、からみつかせる。

「あたるっ、あたるううっ!、あうっ、ひっ、やっ、ああああっ!」

のたうつエカテリナに、ようやく征服の喜悦を味わい、シホックは邪悪に笑う。
『どうだ、どうだ、俺様の物は、おめえも奴隷だ、すぐに売り飛ばしてやらあ!』


ジュブッ、クブッ、ジュブッ、ズブッ、ズチュッ、ズチュッ、 激しい濡れる音と、ベッドのきしみだけが部屋に響いていた。

金髪を振り乱し、気も狂わんばかりの律動に乱れる。
背筋を駆け抜ける快感が、火花のように広がる。


美しい両腿が、突き入れる乱暴な腰を挟みつけるが、 細い足首は珍しく絡み合わず、嬲られ、突き上げられるままに揺れていた。 閉じられた瞳が、涙に潤んだ。



シアンとペリナが、ルイーデの部屋に駆け込んだ。 彼女たちの話を聞いても、ルイーデは静かにシガーをくゆらせていた。

「ルイーデ、心配じゃないの?!」

「ありがとう。でもね、エカテリナからも『聞いてる』のよ。」
驚愕する二人の前で、暗い顔でルイーデは紫煙を吐いた。


丸い小ぶりな尻が、噛み付きたいような欲望をそそり、 それを広げ、突き刺し、こね回す快楽はたまらない。

バックからエカテリナの全てを貪り、突き上げる。

細い背筋がわななき、肉を押し広げ、えぐりぬくたびに、 ため息と喘ぎが、耳に心地よい。

女を犯しているという快感が、このポーズが一番感じられる。

顔を見られないよう用心しながら、シホックは下品な笑いを浮かべる。
「愛してるぜ、愛してるぜエカテリナ!」

ぐいと身体を寄せ、深く奥まで、その腹を突き刺し、 耳元で甘くささやいてやる。

「あ、あひいいっ!」
耳が震えていた。

自分の技量にうぬぼれているシホックは、これで間違いなく落ちたと確信する。
搾り取られそうな蠕動に、何度も快感を堪え、耐え抜き、 女を絶頂へいかせながら、甘くささやく。

のけぞり、震える裸身が、赤く染まり、 快感とささやきに痺れ、服従していく。
これで何人の女を落とし、売りさばいたことか。
だが、シホックもさすがに限界だった。
腹の奥、子宮の入り口を何度も責め立て、引き抜くや突き刺す。
がくがくと震える尻に、指を食い込ませ、アナルにもぐりこませ、 腰を何度も叩きつける。

「ひあっ、やっ、だめっ、だめええっ、いっちゃう、いっちゃう、いっちゃうううっ!」
「おれも、おれもだあっ、いくぞおおおおおっ!」
目を閉じ、涙を流し、エカテリナがのけぞる。

全身がびくびくと痙攣する。
興奮が男根を走り抜ける。

ドビュウウウウウウッ、ドビュウウウウウッ、ドビュウウウウッ、

「く・・・・・・・・!!」
腹の奥で痙攣する物に、異様な冷たさすら感じる、 エカテリナは、ただ耐えて、涙をこぼした。

快楽を求め締め付ける体は、なんども絞りあげ、すすり上げた。

女の快楽だけを求める身体が、ひどく悲しかった。



「なあ、エカテリナ。ERって知ってるだろう。」

「はい、聞いたことがあります。」

激しく交わった後、エカテリナを腕に抱いて、シホックは切り出した。
「あそこなら、エルフも人間も差別は無いそうだ。・・・一緒に行こう!」
エカテリナの蒼い目を見つめながら、真剣な面持ちで言う。

戸惑いの目に、脈ありと見たシホックはさらにささやく。
「長いこと俺も悩んだんだ。だけどな、お前しか考えられない。 だけどこの国じゃ幸せになんかなれないのも分かってる。俺はお前の為なら何でもできる。 だから、一緒にERに行こう!。そのために用意までしてきたんだ、俺は本気だ!。」

ここでわずかな戸惑いや、不安があっても、押せば必ずついてくる。

だが、エカテリナは真剣な目で首を横に振った。

手がベッドの脇のボタンを素早く押す。
断られた驚愕で、シホックは全く気づかない。

「な、なぜだ。俺じゃだめなのか?!」

「私はエカテリナ。ルイーデの館の娼婦です。」

シホックがたじろぐほどの光が、その目にあった。

驚愕から激怒が沸いた。今日失敗すれば命がない。注文主の我慢も限界だった。 だが、さすがに仮面ははずさない。
「だめだ、お前をここに居させる訳にはいかない。」

ぎらぎらと血走った目で、エカテリナの身体を押さえつけ、 もがく手足と口に、ロープとさるぐつわをしばった。 「俺についてきたら、もっともっと、いい目にあわせてやる」

暴れるエカテリナをシーツにくるみ、発信機を押す。
トラックが、部屋の窓の下に来て、荷台のクッションに飛び降りる仕組みだ。

ドカッ


窓を開けようとした尻を、ものすごい蹴りが襲った。

「ぎえええええええええっ!」

肉が裂ける感触がはっきりあった。
明らかに狙って蹴り、肛門が裂けた。

褐色の肌の娼婦が、恐ろしい目で睨んでいた。
手早くシーツからエカテリナを抜き出し、素早くロープをほどく。
ルイーデが抜け出したエカテリナを優しく抱きとめる。
素早くガウンを着せた。

「きゃ、客になに・・・する?!」

バキッ

ヒールが顔でものすごい音を立てた。
頬骨と鼻の骨ぐらい折れているだろう。

「エカテリナをひっさらうのが客のすることかい?」

ドカドカと用心棒たちが踏み込み、血まみれのシホックをひったてる。

「エカテリナ、嘘だろう、お前がこんなことするわけがない!」

半分演技、半分本気、まさか自分がこうもあっさりつかまる事が信じられないのだ。

「シホックさん、あるいはギース、あるいはマペットとでもお呼びしましょうか?」

ルイーデの言葉は丁寧だが、凍りつきそうな冷たい声。
シホックはびくりと硬直する。

「な、なんのことだ」

「いくら顔を変えたって、指紋や声までは変えられないわよね、落とし屋。」

落とし屋はもちろん犯罪であり、警察に登録されている。
ただ、真剣に追われないだけで、コネがあれば指紋ぐらいすぐ検証できるのだ。
「あんたが最初に来た後、エカテリナが教えてくれたわ。
『あの人、私をさらう気のようです』ってね。」

エカテリナは静かに、悲しい目で見ていた。
今度こそシホックは顔色を変えた。プライド全てがガラガラと崩れた。

用心棒の一人が、エカテリナを別室へそっと連れて行く。
これから先は、彼女に見せるものではない。



シアンは憎しみと怒りで、落とし屋の首を引きちぎってやりたかった。
ルイーデの話は、それほど彼女を怒らせていた。

『あの娘ね、セックスしてる相手の気持ちが、ある程度読めるの。 だからここのナンバー1なのよ。私がもう相手をしなくていいって言ったら、 何て言ったと思う?。』

一流の女が男の気持ちを読む名人なのは、言うまでも無い。
シアンも、時折言われてもいないことを、先に感じることがある。

『私は娼婦です。お客様のご要望がある限りは、どう思われていてもかまいません。』

だまし、だまされるのが歓楽街だが、 最後は、誠実無くして成り立たないのもこの街だ。

無数の嘘の泥沼に、まれに、ハスのように白く清浄な花が咲く。
それが男女を引きつける、それが無くては成り立たぬ。

ルイーデの顔色の暗さがよく分かった。
シアンだからこそ、その意味が分かる。
今の生き方にひたむきなエカテリナに、何が言えただろう?。

全てを知って、なおも己を曲げまいとする。
それが、『エカテリナ』という大輪の花だった。

シアンは本気で泣きたくなった。


そして、ルイーデはシアン以上に怒っていた。

「けっ、ばれたいじょ、ぐぶっ!」

たわ言を吐かす前に、ルイーデは早業でタオルをその口に突っ込んだ。 渡されたワイヤーを素早く動かし、男根の根元をぎりぎりと巻いた。 それこそ身動きする間もないほど早く。

「うぎーっ、ぎぐうううううっ、ぎいいっ」

豚のように泣き叫ぶ男の前で、 大きなハサミを受け取り、一度だけ、シャキンと鳴らした。

ジャキッ

くぐもった悲鳴と、肉が落ちる音が鈍く響いた。

「あとは任せたわ」

そのとき、ペリナがふらりと歩み寄る。
落ちたハサミと、醜い血まみれの男根に。

ドスッ

ペリナは無言で、ハサミを男根に突き刺した。
優しい顔を、人形のような無表情のままで。

ドスッ、ドスッ、ドスッ、

何度も、何度も、ハサミを突き刺した。
呻く落とし屋の見ている前で、涙だけを流しながら、何度も。



「困ったことになったの・・・」
豪奢な車の中で、鉱山王バッハはつぶやいた。

その足元にひざまづき、ルイーデが黒光りする絶倫のペニスを、 丹念に愛撫、興奮させていた。

最近はエカテリナ一辺倒だが、昔はルイーデともよく寝たバッハは、 彼女のご奉仕を平然と受けていた。

だが、そのぐらいしてもバチは当たらない。

遊び人としては超一流のバッハは、エカテリナの変化に目ざとく気づいていた。 悩み、困り果てていたルイーデにとって、 これほどありがたい相談相手はいない。



落とし屋の処刑の時、用心棒の一人が、エカテリナを別室へ連れ出したのだが、

「ごめんなさい」

そうひと言言うと、強烈なキスが用心棒を襲った。
はかなげな色香と、愁いを帯びた瞳に見惚れていた男は、 思わぬ不意打ちに惑乱し、小柄な細い少女に、軽々と押し倒されてしまう。

一体どんな魔術を使われたのか、 キスの瞬間から、意識が朦朧となり、 這い回る細い指先から、すがりつく白い肌から、 快感が理性を瞬時に駆逐してしまった。

夢中で猫のようにペニスをしゃぶり上げ、その花弁を男の口が貪り、 顔中が濡れてしまうほど、滴りを味わい、 後手にベルトで縛り、バックから突き入れていた。

「あひいいんっ、いいっ、ああっ、いいっ、いいよおおおっ!」
強姦同然の行為に、エカテリナは感じ、悶えまくる。

その声に興奮が高まり、強烈にそり切ったペニスが、 激しく膣をこすりたてる。

打ちつけるたびに、腰をくねらせ、 快感でこすれる箇所をさまざまに変え、 犬のように這わされたまま、滴りを激しく腿に伝わせる。


ズブッ、ズブッ、ジュブッ、ギュブッ、ズッ、ズッ、ズブッ、

肉欲が音を立てて突き刺さる。
縛られた苦痛が、甘美な嗜虐となり、手を震わせ、身体をのけぞらす。

両脚がひろがり、痙攣した。

「ひあああああぁぁぁぁぁっ!!」

絶頂の収縮が、男を搾り取る。

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、

膣にほとばしる咆哮に、エカテリナはのけぞり、陶酔した。

だが、さらに締め付け、繰り返し蠕動して萎えさせない。
横倒しにされた身体に、勢いよく喰らいつき、打ち込む。

「あひっ、ひっ、深い、深いいっ、あっあんっ、あたるっ、ひっ、あたるうっ、」
縛られたまま、片脚を担がれ、絡み合う粘膜に、痺れと興奮がまといつく。

「な、なにやってるんだお前」
別の用心棒二人が、声に驚いて入ってきたが、その瞬間蒼い目が光った。

後日、二人は催眠術にでも掛けられたようだったと言う。

「お願い・・・来て・・・」

喘ぐような声が、脳髄を蕩かし、腕っ節自慢の用心棒たちがふらふらと入った。

両手を解かれ、3人の男相手に、エカテリナは乱れきった声を上げた。

「んうっ、んっ、んっ、んああんっ、いいっ、はあんっ、いいよおっ」

白い脚に挟まれ、誰も抵抗できずその花芯に己の全てを突き入れる。

赤い唇に絡まれ、身体中が縛られるような快感が、まといつき、舐め上げる。

白い尻をつかみ、その襞を広げ、深くえぐる、白い肌の震え、締め付ける妖しい菊座、強烈で甘いアヌスに痺れる。

乱れる金髪に、目を奪われ、 打ち振られる腰に、熱く蕩ける膣に、突き入れ、こね回し、叫ぶ甘い声に痺れる。 尻に指を食い込ませ、背筋を突き上げ、全身を犯し、わななかせる。

興奮と陶酔に、我を忘れ、エカテリナの口に、アヌスに、ヴァギナに、繰り返し立たされ輪姦し続けた。

「んあっ、んっんっ、んふっ、んっ、んふううううううっ!!!!」

白い喉が飲み干し、尻が震え、なめらかな腹が波打つ。

快楽が、興奮が、ペニスを萎えさせぬまま搾り取っていく。


2時間後、泣きながら眠っているエカテリナと、げっそりとやつれきった男3人が見つかり、男たちは即座に入院せざる得なかった。

今回の事件で、エカテリナのゆらぎが大きくなりだしている。
用心棒の入院ぐらいならまだしも、これ以上となると、想像がつかない。
かといって、エカテリナのゆらぎも、止める手段が無い。


「よりにもよって、そういう時期に落とし屋とはな・・・」

「申し訳ございません、バッハ様。」

淫らに濡れた口を離し、ルイーデがわびる。
エカテリナの決意に、止めようが無かった事を。

「いや、ルイーデが謝ることではない。あの娘はそう言うだろうしな。」

バッハのエカテリナへの愛着は、リヴァールでは常軌を逸してると言っていい。
それだけに、彼女の心の動きをルイーデに次いでよく理解していた。

「ワシすら断られたのだ、無理もあるまい。」

とんでもない告白に、ルイーデともあろうものが、あやうく歯を立てそうになった。 「バッハ様、困ります。」


エカテリナをひっさらわれたらと思うと、目の前が暗くなる。

「怒るなルイーデ、惚れたものはしかたないのだ。」

豊満な胸を露にし、その間でこすりながら、亀頭を咥えた。

「ワシもやれることはやる。しかし、最後はあの娘の運に頼るしかあるまい。 祈ろう、エカテリナの運に。」

激しくこすり上げ、すすり上げられ、バッハは呻いた。
次の話
前の話