不協和音
ポロンポロポロン・・・
エカテリナは一心に、ウェルサンダルスを弾いていた。
羽を広げた鳥のような形と、
低音から高音まで自在に引き出せる音域の広さ、
そして何より、思うがままに引き出せるさまざまな音楽。
なぜこうも自在に弾けるのだろう?。
弾くことが快感であり、奏でるほどに身体が熱くなる。
鉱山王バッハが聞きほれて何度も引いた。
弾いた後の身体の熱さは、ひどく男性を欲し、
自分が淫らに、何度もSEXをせがんだのを恥らった。
だが、また弾きたくなる。
下着が濡れる、汗が身体を伝う。
尾てい骨から這い上がる欲望が、背筋を熱く這い回る。
ドクン、ドクン、
音が肌に這いずり、振動がアヌスから侵入する。
両脚が勝手に震え、あそこがいつの間にかウェルサンダルスの真ん中の柱に当たっていた。
『なんだろう』
脳裏に激しい色彩が浮かぶ。
男女が絡み合う、卑猥で激しい愛欲図が動く。
魔法とからくりで封じられていたウェルサンダルスは、
正統なる持ち主に、その記憶を受け渡す。
エカテリナの魔力と血が、古代の音楽と映像を浮かび上がらせる。
それがますます音楽を美しく磨き上げる。
金や銀の髪を持つエルフたち。
笑いさざめき、日の下でおおらかに裸になり、
草のベッドの上で、お互いの局部を愛し、すすり、もてあそぶ。
複数の男女がからみあい、後から貫かれる女性たちがキスをし、
重なり合う男女を、さらに女性たちがもてあそび、
太陽を振り仰ぎながら、絶頂を受け入れる。
意識が白熱する。
身体が熱い。
いつしか演奏は終わっても、エカテリナはウェルサンダルスにしがみついてた。
あそこに黒い木の枠が食い込む。
こすれ、なすりつけ、淫らに脚を開いていた。
目が朦朧となり、意識が理性を失ってく。
太古の豊穣なる時代、その記憶が身体を悶えさせる。
『欲しい・・・』
強烈な欲望が、エカテリナの胎内に沸いていた。
『お店に・・・お店に・・・』
かすかな理性が、この火を鎮めてくれるルイーデの館を浮かばせる。
あいにくルイーデは視察で2日間いない。
ふらりと立ち上がると、
薄いコートをはおり、外へと歩き出した。
館までは歩いても10分ほど、車を呼ぶより先に、足が勝手に歩いて行く。
ふらり、ふらり、
エカテリナはよろよろと進んだ。
うつろな目、上気した頬、
上質の服は着ていても、ゆらゆらと歩む姿は、どこかふしだらな香りがした。
「おい・・」
薄着で筋肉質の若い男が、白く細い手を掴んだ。
『エルフの豚が、どこ行くんだよ』
そう言おうとした口が凍った。
振り向いた目が、まともに合ったのだ。
ゾクンッ!
深い深い蒼い目。
全身から立ち上る香りとエロス。
男の浅黒い喉がゴクリと鳴る。
細い手がすがりつくように握り、よろよろと若草色のコートが近づく。
柔らかな身体が抱きつき、喘いだ。
甘い甘い吐息が、立ち上り鼻腔を突き上げる。
男根がぎりぎりと立ち上がる。
「んっ、んうっ、んはっ、はっ、んうっ」
細く汚らしい路地で、
エカテリナの喘ぎがかすかに響く。
まるで貪るように、口から喉へ飲み込み、しゃぶり、吸い尽くすようにすすり上げる。
飢えたように頭を振り、無我夢中で男根を味わう。
細く白い耳が、歓喜に反り返る。
男性の味と、熱い脈動、肉の感触、
それが口中いっぱいに広がり、ただ夢中に味わい続ける。
男がなんでたまろう。
うめき声と共に、激しく痙攣した。
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドックッ、
吸い出される、恐ろしく激しく飲み込まれ、吸い出される。
耳が赤く染まり、歓喜に震える。
細い喉を何度も何度も鳴らし、猫がミルクを貪るように、
夢中で濃厚な男性のエキスを飲み込み、貪る。
妖しい妖気を漂わせ、残らずすすり終えるとさらに咥え、しゃぶる。
喉の奥まで飲み込まれ、すすり上げながら舌を這い回らす。
あっという間に膨張した男根、
男はエカテリナを突き飛ばし、その両脚を広げた。
衣服が広がり、下着が剥ぎ取られ、蒼い目が期待に潤む。
「はああっ!」
グリュッ!
お腹が裂けたような突入、柔らかい粘膜を突き通し、
杭を打ち込まれたような征服。
グリュッグリュッ、ズブッ、ズッ、ズブッズッ、
性急な突入が、細い裸身を乱暴に突き上げ、
エカテリナの欲しがった物が、猛っていた。
細い足首が絡み合い、腿がぐいと締め付ける。
まるで蜘蛛が獲物を捕らえるように、
襞が脈打ってる男根を、からめとった。
「あっ、やっ、だめええっ!」
ドクンッ、ドクンンッ、ドクンッ、ドクンッ、
あっけなく弾けたものが、エカテリナの中に放出する。
「だめ、もっと・・だめ・・・」
うつろな目で、身体をからみつけ、放出する精液を搾り取り、さらにしごき上げる。
膣の強烈な蠕動と、甘美な弾力、白い肌の魔力に、
男が再度、膨張するが、あっという間に射精してしまう。
「かっ、かっ、かんべんしてくれええ・・・」
もはや一方的に絞られ続け、男が半泣きになって這って逃げた。
「なっ、なんだおい」
「どうしたい」
すでに日が落ちかけていた。
腰が立たず、はいずって出てきた男に、酒を飲みに連れ立っていた3人の男が気づいた。
「ま、魔女だ、搾り取られた・・・」
顔を見合わせた男たちが、暗い路地を覗くと、
細いすすり泣きが聞こえ、白い肌が暗がりに浮かび上がる。
半裸のほっそりとしたエルフの娘が、座り込んで泣いていた。
リヴァール王国連合は、エルフへの弾圧で有名な地域。
エルフへの差別意識も深く染み込んでいる。
ぞくり、背筋が震えた。
憎悪と恐怖は裏表の感情だ。
エルフへの憎悪は、同時に理解不能の事態には恐怖になる。
ただ、連中は酒の勢いもあった。
「おい、エルフやろう、何しやがった?!」
びくりと震えたエカテリナが、恐る恐る顔を上げた。
ゴクリ、
誰かの、いや全員の喉が鳴った。
潤んだ蒼い目が、身体から立ち上る異様な甘い香りが、
ドクドクと血を滾らせた。
「こっちこい」
一人の外套をひっかぶされ、両手首をベルトで縛られ、
エカテリナは引っ張られた。
すでに街は闇が降り、あたりは暗く様子は分からない。
エルフやその血を引くものは必ず4級市民であり、
かれら2級市民がリンチをしても、犯罪になることはまず無い。
怯えるエカテリナは、か弱い一人のハーフエルフの娘でしかなかった。
ホコリくさい古びた倉庫は、知り合いの守衛にひとこと言えば、
たいていの荒事には目をつぶってもらえる。
すけべそうな初老の守衛と若い守衛は、自分も入れろとついて来た。
ここはエルフへのリンチに、よく使われる場所なのだ。
薄暗い明かりが、倉庫についた。
「おめえ魔女なんだってな。」
エカテリナには、何を言われているのか分からない。
ビリビリビリッ、
むんずと胸元をつかまれ、引き裂かれた。
「ひ・・・・っ!」
全員が目をぎらつかせた。
輝く肌が、暗がりに異様に白く浮かぶ。
「どんなもんかしらべなきゃあな。」
荒い穀物袋の山に突き倒すと、手が押さえ、服をむしり、下着をひきちぎる。
「ひ・・・あ・・・い・・あ・・・」
エカテリナは恐怖で声が出ない。
もがいても、力が出ない、そしてあまりに非力だった。
もがく動きが、恐ろしく柔らかい弾力を、吸いつく手触りと熱を、
怯える表情の興奮を、どんどん掻き立てる。
とにかく最初が楽しいのだと、
男たちは夢中で剥ぎ取り、広げさせた。
ズボンを下ろし、乾きかけた小さな花弁を突き上げた。
「ひい・・・・っ!」
ミシミシミシッ、
痛みがエカテリナの中を走る。
乾きかけたヴァギナは、興奮しきったペニスに痛みを覚えた。
「うへへへ、かなり、きついぜっ!」
男は無理やりに突き上げる感覚に、興奮していた。
怯え、いやがるエルフを、晒し、絶望させ、無理やり犯す。
どうせそのうち、絶望と疲労で人形のようになる。
そうなったら、首でも絞めるぐらいしか楽しめない。
だが、相手はエカテリナだった。
「おらっ、口を開けやがれ」
無理やり口を犯そうとした男は、つるりと飲み込まれた。
乱暴に突き上げられる腰が、動きにすっとあわせ、くねり、ひねる。
ジュンッ
舌先に感じる味が、身体に触れる男の肌が、
熱い雫をあふれさせる。
縛られた両手が、チャックをはずし、中の物を蜘蛛のような動きで掴んだ。
「んっ、んっ、んふ、むん、んんっ、んふんっ」
「う、ぐ、ううおっ、」
「なっ、なんだっ?!」
美しいつま先が絡み合う。
ぽおっと血の色が走った頬が緩む。
細い指先が、ウェルサンダルスを弾くかのように、恐ろしく繊細にさすり、撫で回し、しごいた。
乱暴に膣を突き上げていたペニスは、
のみこまれ、絡みつかれ、次第に快感に引きずり込まれた。
細い舌先が、異様な快楽で亀頭を絡め、舐め上げる。
腿に指が食い込み、男の腰ががくがくと壊れたように動いて痙攣した。
エカテリナに目いっぱい突っ込み、
幾重にも重なる快楽の蠕動、どうにもならない絶頂が暴発する。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
ぶわっと膣にあふれる精液に、甘く妖しい喘ぎが漏れる。
その吐息で陰嚢を舐め上げられ、ひきつけでも起こしたかのように、男が呻いた。
ビュウウウッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、
痙攣と共に、男性の濃厚なエキスが口と喉に広がる。
舌を鳴らし、喉を動かし、髪がキラキラとゆれた。
きゅっと指が陰嚢と肉茎をしごいた。
ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、
熱い精液が、顔に飛び、喉を濡らし、乳首を汚した。
浴びるシャワーに、さらにエカテリナが気持ちよげにしごき、絞った。
「んああっ!、んうっ!」
入れ代わった男のペニスが、あふれる胎内を貫いた。
精液に汚れ、歓喜に光る顔が、嬉しげにのけぞる。
その口をペニスがふさぎ、深く飲み込ませる。
だが、白い脚にからみつかれ、手と唇で吸われ、転がされる。
「ぐあっ、こっ、このっ」
「なっ、なな、なんだこいつ、ぎっ」
守衛コンビは、引きずり込まれる快感に、本能をわしづかみにされた。
二人で前後から犯しているのに、
エカテリナの裸身は、楽器を鳴らすように身体を蠢かせ、
興奮した顔が淫らに、美しく輝いた。
リズムのように合わされ、エカテリナの動きに、快楽に、身体が止まらない。
白い裸身がくねり、足のいやらしい動きが男の腰を引き込み、
のけぞり動く顔が、指先が、たくましい亀頭をもてあそび、しゃぶりぬき、すすり上げる。
年も忘れ、夢中で腰を突き上げる。
濡れた花弁が雫を散らし、喘ぐ唇が、銀の糸を伸ばす。
飲みたい、締めたい、絞りたい。
男根が突っ込んでくるたびに、突き当たる快感が強烈に走る。
すすり上げる亀頭が、カウパーを漏らし、その味がたまらない。
脚をひねり、唇をすぼませた。
「うぐっ!」
「がっ!!」
老醜の腰が、瑞々しい腿の間で激しく痙攣する。
赤いペニスが、激しく口に放つ。
ドクンドクン、ドクンドクン、ドクンドクン、
ビュッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、
子宮が震えた、喉が飲み干した。
エカテリナは、何度も絞り上げ、すすり上げる。
熱い体液が、たっぷりと身体に満たされていく。
本能が歓喜し、性欲が求め喘ぐ。
「くそっ、くそっ、ちったあ痛そうな顔しやがれっ」
手首のベルトをワイヤーにひっかけ、
両膝がつかない程度の高さで、エカテリナは口とアヌスを犯される。
犬のように後から、そして口から、
「んんっ、んふんっ、んんっ、うふんっ、んっんううんっ」
蕩けきった顔には、一片の苦痛も無く、
身体は蠢きと律動を、快楽にすり替え、
唇から顔、喉まで使い、ペニスを猫がすりつくようにもてあそぶ。
がくんがくんと、身体が折れそうに突き上げられ、
口が裂けてしまいそう、でも、それがいい。
ドクッドクッドクッドクッ、
顔に、飲みきれなかった残渣が激しく飛んで、汚した。
アナルに痛いほど締め付けられ、しごき上げられ、中にぶちまけた。
両手が解かれ、自在に、陰嚢をもてあそび、肛門から前立腺までしごき上げて、
興奮を無理やりに引き出す。
前からも後からも、立て続けに輪姦され、
「ああああんっ!、あんっ!、ひああっ!、すごっ、くっ!、いいいっ!」
汚れ、滴る身体を、震わせ、のけぞらせる。
胎内に狂うペニスが、前後から突っ込まれ、
裂けて、壊れてしまいそうな律動が、脚を広げ、あそこを晒す。
顔に、胸に、熱い精液がかかり、
次の男が、口に、手に、押し込み、握らせる。
警備の交代員が、さらに3人くわわり、
倉庫は精液と愛液のにおいで充満する。
跨った男が、軽い身体を突き上げる。
後から突き入れる男根が、腸をこね回し、肉茎をこすりたてる。
子宮が小突かれ、亀頭が膣をえぐり、こすりつける。
尻に指が食い込み、赤く指の跡を残し、さらに突きこねる。
口に激しく咥え、前後にゆすり上げ、
指に挟み、しごき、掌に揉み、ころがし、耳にこすられ、中をこねられる。
「んううっ!、んっ!、んふっ!、ふううんっ!、んんっ!、ふうんっ!、んふうううんっ!」
感極まったような、淫らな声。
突き上げ、突き入れ、押し込み、嬲り、
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
荒い息が、甘く、饐えた匂いの中に弾ける。
ビクビクビクッ、
痙攣が立て続けに、エカテリナを襲った。
「んんん−−−−−−−−−−−−っ!!!」
ドクンンンンンッ、ドクンンンンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、
ドビュウウッ、ドビュウウッ、ドビュウウッ、ドビュウウッ、
ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、
子宮めがけて、爆発するようにほとばしる。
アヌスの中が、灼熱し、煮えたぎる。
喉があふれ、口が滴り、白い肌を伝い落ちた。
金髪が次々と汚され、なめらかな背筋も、愛らしい乳房も、トロトロの白濁に染まり、濡れた。
ぼおっとした顔で、エカテリナは起き上がった。
入り口の隙間から、月光が差し込んでいた。
身体のほてりが気持ちよく、やっと満たされた安堵で、笑い出したいような気分だった。
汚れきった身体だが、月は月光で白く飾り、
妖しい妖精がふらりと立ち上がったかのようだった。
倉庫の中で、げっそりと頬をこけさせ、土気色の顔の男たちは、
丸1日ほとんど動けなかった。
翌日、
夜遅く戻ったルイーデは、ふと眉を寄せた。
「エンジェス様、いやですわ。アハハハ」
エカテリナの声が、普通とどこか違っていた。
シアンに目配せすると、隅に寄せた。
「エカテリナ、何かあったの?」
シアンも違和感は感じていたが、暗くなったりしょげたりしていたわけではないので、
特には気にとめなかった。
ルイーデは本気で顔をしかめた。
「まずい、まずいわ・・・」
裏稼業マツグランの風俗を取り仕切り、
長年、おびただしい女を見てきたルイーデは、ある事に気づき、愕然とした。
「シアン、私が言ったこと、忘れてちょうだい。」
強烈な殺気に、シアンも黙らざるえなかった。
ルイーデの気づいたこと、それは彼女にも、他の誰にもどうしようもない問題だった。
彼女は祈るような思いで、エカテリナを見ていた。
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