■ EXIT      
移動

『記憶』、自分が自分であるための、基本となるもの。
それがぽっかりと空虚になると、誰しも恐ろしい不安に駆られていく。

痛みや苦しみには耐えられても、孤独に耐えられる人は極めて少ない。

イリナもまた、記憶の暗がりに激しい不安を抱いた。
その不安を覆うように、初体験の強烈な経験と衝撃がきた。

何かに満たされる感覚、特に女性のそれは、苦痛をともないながらも、
本能を満たすことで、彼女の孤独を覆い隠した。


まして肉体こそ成長したものの、精神は成熟をみない12歳、
不安を紛らわせ、安堵させる『男性』に、すがりついてしまっても不思議は無かった。

だが、それがまたぽっかりと抜け落ちる。
車の中で、ひざを抱え、下腹部をなでた。
イリナははじめての男が残した感覚に逃避していた。


「ここらで、いいか」
エージェントの男は、にやにや笑いながら、
人気の無い枝道に車を入れ、避妊薬を取り出した。

男は商品を仕入れる専門家であり、商品の検品は当然の仕事と心得ている。
まして、これほどの上玉は見たことが無い。
小型のキャンピングカーのような後ろのドアを開けた。

「おい、出な。」



ふうむ、と男は柔らかい桃のような頬をとらえ、じっくりとその顔から耳や首筋を観察する。
決して荒っぽくはなく、やさしげですらあるが、どこか冷たい感覚が走る。

白く長いドレスを着せられ、恥ずかしげに頬を染めるイリナは、日の下で燦然と輝いている。

このドレスも、目立ち、逃げづらく、見る者に高く見せるためのものだが、
この少女についてはドレスがくすんで見えかねなかった。

「う〜む、すごいな。整形など全く無い。」
指の爪、肘から肩の形、骨格、全身を舐めるように見られ、イリナはくすぐったいような気持ちだ。

「じっとしてろ」
平然とスカートをまくりあげ、あたふたするイリナに冷たく言うと、
下半身も前から後ろから丹念に見られていく。視線がちくちくと肌に刺さる。
なんだか妙な気分になってくる。

「ひ・・・」
下着までずらされ、男の鼻がその中の香りを嗅ぎ分ける。

「ううむ、最高級か・・・」
この男は、女性本来の香りをひどく気にする。
だが、イリナの香りには陶然となった。

「まだ女になったばかりだな、どれ。」

「あひっ!」

舌先がザラリとクリトリスを舐め上げる。
先ほどから視線で嬲られていたイリナは、愛らしい豆粒を膨らませてしまっていた。

細い足ががくがくと震える。
ちりちりと走る電気に、唇を噛む。

指先がもぞりと這いこみ、柔らかい優雅な襞をゆるりと開いた。
艶やかなピンクが、ぬらりと光を放つ。

「すごく感じやすいようだな。」




「ぐうっ!、ひっ!、あああっ!」

イリナの悲鳴が、人気の無い林に響く。
ボンネットに手をつかされ、捲り上げた尻が激しく揺れる。

隆々とした男根が、柔らかな肉を、強引に押し開いていく。

まくり上げたスカートがひらめき、広げさせられた脚が、
突き上げる動きにあわせ、がくがくと揺れる。


イリナが処女でないことを確かめると、男は遠慮なく味見することに決めた。
細い身体に、酷なほどの男根がぎしぎしとめり込む。強烈な追突が、
ごりごりとこすり、狭い膣をみちり、みちりと犯していく。

だが、その柔らかさ、収縮の具合、そして立ち上る香気、まるで全てが男を吸い尽くさんばかり。
『やべえ、やべえぞ、これは。すぐいっちまいそうだ。』

女を商売にしているプライドが、かろうじて歯を食いしばり、
輝くような尻をつかみ、イリナが感じる場所を腰をひねり、探り当てる。

「ひっ!、ひあっ!、ひああっ!」

目が星が散る。
イリナの胎内、敏感な粘膜を探られ、快楽をほじくりだされ、思わずのけぞる。
前の数倍の快感が、重い槍の様に突き上げてくる。

ズブッ、ズブッ、ズッブッ、

おびただしい女を食い物にしてきたテクニックが、イリナの性感帯をさぐりあて、
指が、舌が、ペニスが、みずみずしい肉体全てを嬲り尽くしていく。

木の葉の間から光が漏れ、目がちかちかする。
服の上からも乳首が激しく隆起し、快楽の津波に、初めて、飲み込まれていく。

身体が乱れ、汗ばみ、胸がはだけ、指先がもてあそぶ。

意識が遠くなり、快感が無理やりに突き上げ、唇が喘ぎ、
よだれすら零し、全身が激しくわなないた。

「ひあっ、あ・・っく!、あああああぁぁぁぁ!!」

雷が走った。
身体が白く弾けた。

ドクウウウウッ、ドクウウウッ、ドクウウウウッ、
熱い濃厚な快楽が、イリナの胎内を荒れ狂う。

「ああ・・・っ、はあ・・っ、ああ・・・」
快楽に満たされ、上気した顔が強烈な色香を放つ。
不安が消え、穏やかに満たされていく。

熱い頬が、ボンネットにすりよる。
冷たい感触が気持ちよかった。
そして、どろりとあふれる感覚に満たされていた。


喘ぎながら、無意識に、己を犯したものを締め付け、それに絡み付いていた。
ほとんどすがりついていたというべきだろうか。

吸い付き、絡み付いてくるそれに、ペニスが萎える間もなく充血させられていく。

「うっ、こ、こいつ・・・」
女の扱いではプロのはずの男がうろたえた。
単なるSEXなら、複数相手でも無造作に一方的に嬲れる。

だが、思わず全力で相手をしてしまい、しかも抜くに抜けないような甘美な興奮が、 あらゆるテクニックを駆逐してしまう。

目に喘ぐ美しい髪、ひたむきにすがりつくような目、一方的に嬲っただけなのに、
何かに捕らえられるような歓喜、引けばびりびりと快感が走り、突き上げると、
呻きそうなほどのざわめきがからみつく。

腰が、勝手に動き出す。

パンッ、パンッパンッ、パンッ、
片脚を引き上げ、横から突き上げるように腰を振るう。

青い目が朦朧と輝き、柔らかな身体を引き寄せられて、唇が激しく貪りあう。
快楽の律動が、深く、胎内を荒れ狂う。
おびただしい精液で、濡れた膣は、むしろすべりがよくなり、快感を深く求めさせる。

男はいつしか我を忘れていた。
唇を何度も貪りあい、肌を合わせあう悦びに埋め込み、抱き合い、撫で回していた。
小さな身体が、震え、熱く火照る。
ひたむきにすがりつく身体が、何かを心の底から引きずり出す。

はるか昔、闇に入るとき捨てた女。
血を吐く思いで、置いてきた最初の女だった。

枯れ切っていたはずの涙が、いつしか男の目に流れていた。
快感がとてつもなく高く、激しく、わき上がっていく。


車がきしむ。
小さな足先が激しく曲がる。

白い手が何度も鉄板を掻き、美しい横顔が、のけぞり、絶叫する。

「ひあんっ!、あんっ!、ああっ!、あたるっ!、あたる!」
身体が浮く、脚が宙を掻く、律動が全身を突き上げ、女の快感が開花する。
がくがくがくっ、がくっ、がくっ、

白い裸身が、激しい痙攣を繰り返した。

どくどくと、熱いものが、繰り返しお腹に噴き上げてくる。
イリナは目を潤ませ、男にひたむきにすがり続けた。
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