花開く少女
僕ラドン・マーフィは、この会社の一般社員でほぼ唯一、まともな魔法を使えた。
とは言っても、できるのは初級の魔法の一部だけ。
今でも練習はしているが、なかなか他の魔法には手が出ない。
できるのは拙い印象魔法と大雑把な魔力の探知くらい。
しかし、これが役に立っていた。
ER社指定の違法な危険物や、博物館に飾られいたような盗品には、盗難防止用に発信装置のような作用がある魔法が施されているのだ。
僕は会社の中で、盗品や違法品の奪還を行うチームにいる。
ギャング時代、裏の流通ルートを仕切っていた『四死竜』の1人、『黒竜』が持つ情報ルートから情報を仕入れ、依頼を待ってそれらを奪還するのが僕達の仕事。
本来、警察や探偵、軍の仕事で、民間人が立ち入っていい仕事ではないんだけど、『警察は仕事が遅すぎる』と社長のウィルがこの仕事を始めた。
「探知するよ、レイ、見張ってて」
「了解」
感情の無い平坦な声で応えるのは、短い銀髪に褐色の肌の少女レイ・アライン。
数ヶ月前にウィルのところに養女として引き取られてきた、17歳の女の子。
身体はほとんど成長していない。
同い年で小さい方の僕でも、ぶつかれば吹き飛んでしまいそうな子供だ。
でも、力は強く、戦闘力はもっと強い。
暇な時の訓練で、軍経験者の『白竜』と互角に見えるほどの組み手を披露してくれる。
「近い・・・4m・・・この辺りだ。部屋はこっちかな?」
「人の気配はない。ドアにチェーンロックがある。オレなら侵入は可能。どうする?」
「誰か来たら合図する。トラップに気をつけて」
「了解」
小声で遣り取りする。
華奢な体躯のレイが、チェーンロックの隙間から部屋に入り、目的のものを手に、同じくドアの隙間から出てきた。
「これだ。OK、脱出しよう」
彼女はたまにターゲットを間違えるので、僕が確認す。
物音を立てずに移動するのも慣れた。
といっても、異邦のブーツ『足袋』なるものを履いているせいで、普通に歩いてもほとんど音は出ないが。
僕達は屋敷の中から無事に脱出した。
外に用意された車でまんまと逃走する。
これが僕達の日常。
盗難事件として被害届けを出せないような品物ばかり。
成功報酬は品物自身に比べれば少ない方だけど、遣り甲斐はある。
また、陳列されている物の場合、盗品が複数並んでいたりすることもあるので、余裕があればそれも頂いてくる。
今回、レイは目についた毒薬の瓶を一緒に盗んできた。
麻薬成分のアルカロイドを含む、濃縮された麻薬だと、ラベルにあった。
「こんな状態で盗んできたの?落としたら大変なことになってたわよ。今度から気をつけなさい」
中身の成分を魔法で一瞬の内に分析したのは、ルフィル中央大学の香月凛(かづき りん)教授。
抜群のプロポーションと美貌を惜し気もなく見せる、肌にぴったりしたシャツを着ていればいい方。
いつも、僕みたいな子供には刺激の強い格好で研究室をうろついている。
彼女はなぜか、ウィルに協力して違法品や盗品の鑑定をしてくれる。
時には探し物を依頼することもある。
「これは私が預かるわ。厳重に保管するから。ウィルにはそう伝えておいて」
「わかりました。多分、ウィルが事情を聞きに来ると思いますけど・・・」
「ええ、構わないわ。いつでも歓迎するわよ」
と、彼女はなぜか頬を赤らめた。
理由は想像できるけど。
ウィルは伝説的な調教師で、その・・・そっちのテクニックは業界でも随一だそうだから。
会社に戻ると、社長に報告する。
「ほぉ、あっちで管理するのか・・・わかった、この件は俺が引き受ける」
ウィルが納得して頷く。
「ラドン」
「はい?」
「体の方は大丈夫か?」
「え?あ、はい、大丈夫ですけど・・・」
訳がわからなかったけど、体調は悪くないので、そう返事した。
「レイの様子がおかしい。あの瓶に一番長く触れていたから、もしかしたらと思ったが、そっちじゃないか・・・」
「どういうことですか?」
「ひょっとしたら、麻薬にやられたのかもしれないからな」
「それで・・・僕も影響を受けてるかもしれないということですか・・・」
納得する僕に彼は頷く。
「瓶ってのは結構扱いにくい。今回はレイの仕業だが、あんまり手を出すなよ」
「はい、わかりました」
僕が返事すると、ウィルはにやりと笑みを浮かべて身を乗り出し、耳打ちしてくる。
「それからな、レイの様子を見て来い。今日はもう家に帰してる。そのまま直帰でいい・・・」
最後に、「襲っていいぞ」と小声で、彼は言った。
「社長・・・・」
僕は嫌そうな顔をする。
デスクワークの女子社員達がクスクスと笑うのが背後から聞こえた。
今は冷やかしも下火になってきているけれど、数ヶ月前のクリスマス、僕はパーティでレイと共にお酒を飲まされて前後不覚に陥り、彼女の初めてを奪ってしまったらしいのだ。
僕は全然覚えてないし、密かに彼女を想い続けてきた友人ケインには殴られて絶交を言い渡されるし、他の社員達からは冷やかされるし、本当に散々だった。
今頃蒸し返さなくてもいいじゃないか。
思いながら、僕は今日のスケジュール欄に『直帰』と書き込み、会社の建物を出た。
ウィルは廃ビルを改造したアパートを丸ごと借切り、社員寮として使っている。
主に身寄りのない社員がここに住むことになっている。
僕は親がいるので、仕送りしてもらいながら、隣のアパートに住んでいる。
会社からもある程度給料は出てるけど、会社の経営自体があんまり良くなくて、現実の暮らしは厳しい。
今はお金持ちのスポンサーを探しているという話。
それはウィルの方針にほとんど慈善事業として協力してくれる人でなければならない。
営利目的なら、ほとんど儲けに寄与していない末端の社員を切り捨てれば、少なくとも今の危機的状況は脱することができるはずだから。
ピンポーン
僕はウィルの部屋の呼び鈴を鳴らした。
しばらく待っても返事は無い。
試しにドアノブを回してみると・・・開いた。
玄関にはレイの靴があった。
彼女はよく、こうして玄関に靴を置いて、裸足で家の中を歩き回る。
温かい一部の地域では、靴のままでいると汗をかくので、こうして家の中では靴を脱ぐ習慣があるらしいけど。
でも、鍵もかけないなんて、彼女にしては無用心だな。
ウィルが言うように、ちょっとおかしくなっているのかもしれない。
僕はレイの部屋に向かう。
この部屋には、狭いがキッチンとダイニングがあり、寝室が2つある。
夫婦が住めるようになっているのだが、その寝室の1つに、レイのベッドがあった。
なぜ、彼女1人で寝室1つを占領しているのか、なぜそれができるのか、語るつもりはない。
いつもいつもここの住人がヨロシクやってる証拠だ。
コンコン
「レイ、僕だよ」
ドアをノックし、声をかけるが、返事は無い。
眠っているのだろうか。
レイには昼間に暇だと突然寝入ってしまうという癖があった。
居眠りなどというレベルではなく、容易に起きないほど熟睡してしまうのだ。
「レイ、入るよ?」
もう一度声をかけ、ドアを開ける。
すると、黒く繊細で小さな手が僕の手首を掴み、思い切り中に引っ張り込んだ。
そして、黒い肌の少女は僕の体を軽々と抱え上げるようにベッドに押し倒す。
もちろん、女の子にベッドに押し倒されるなんて初めての経験だ。
「っ――!?」
驚きの声を上げようとすると、小さな手で口を塞がれた。
「ふぅー、ふぅー、ふぅー」
レイの息が荒い。
「レイ?」
少女は全裸だった。
銀色の髪の毛を汗に濡らし、湿っぽい空気と女の子特有の甘酸っぱい体臭が鼻をくすぐる。
彼女は僕の服を剥ぎ取るように脱がせ、自分の肌を僕の身体に擦り付ける。
柔らかで熱く火照った肌の感触が心地よく、下半身が充血するのを感じた。
それが少女の小ぶりなお尻を突付くまでに大きくなる。
レイは僕のズボンをトランクスごと乱暴に脱がし、跳ね上がるペニスを手に取る。
熱く柔らかい手の平の感触に、ペニスは脈打ち硬くなった。
「れ、い・・・!」
何とか逃れようと少女の手を掴んでもがくと、さらに強い力でベッドに押さえつけられる。
はっきり言って、僕の顔を押える手はびくともしなかった。
彼女は腰を浮かし、僕の肉棒を自分の手で股間の中心に押し当てる。
少女のそこは、既に大量の愛液で濡れているのがわかった。
「ん」
レイは躊躇いなく腰を沈め、華奢な腰を艶っぽくくねらせながら、僕の聞かん棒を呑み込んでいく。
「ふああ、うん、ふっ、はぁ・・・」
「うぅ、はぁ、あぁ、きつい・・・」
彼女が上げる嬌声に重ねて、僕も声を上げる。
少女の膣は狭く、拙い動きながら複雑に僕に絡み付いてくる。
あまりの気持ち良さに、僕は思わず腰を突き上げた。
「ひゃあっ!」
レイが背中をぶるっと震わせ、可愛い悲鳴を上げる。
同時に膣内が痛いほど収縮した。
なんだか、感じやすくなっているようだ。
ペニスが入りきると、奥に行き止まりを感じた。
レイの様子を見ると、顔が快楽に蕩け、赤い目が焦点を失い、僕の口を押さえる手がブルブルと震えている。
彼女のこんな顔を見るのは初めてだ。
僕は女の子に押し倒された事実も忘れ、嬉しくなって腰を突き上げた。
「はひぃっ!」
レイの背中がビクッ、と震え、僕を押さえつける手に力が篭る。
「はっ、はっ、はっ、はぁぁ・・・」
彼女は浅く荒い息を落ち着けようと、深呼吸する。
少しきつかったのかな、と、射精をガマンしながらじっと動かずにしばらく耐えていると、今度はレイが動き出した。
「ん、ふぁ・・・く、ふうん・・・」
ゆっくり、腰を浮かせ、ゆっくりと腰を沈める。
必要以上に感じているようにも見え、それに耐えながら動いているように、僕には感じられた。
レイは刺激に身体を慣らすように、次第に動きを速く、激しくしていく。
「んふ、あっ、あっ、あんっ、あっ、あっ」
リズミカルに擦れ、絡み付いてくる感触に、僕も限界に近くなり、腰を突き上げる。
「あっ、あひっ、ひゃうっ、いひっ、りゃめぇ、あぁっっ――!」
暴れ馬になった僕を抑えようと必死になりながら、声を押し殺してレイは絶頂した。
膣が収縮を繰り返し、彼女の華奢な全身が痙攣するようにビクビクと何度も震える。
「ふぅぅ、くぅうううっ!」
最後は少女の手首を握り、脱力して倒れこんでくるレイの華奢な身体を受け止めつつ、僕はその見事にくびれた腰の奥に熱い迸りを注ぎ込んだ。
「うっ、くっ、うぅぅ・・・」
普段の自慰では味わえないような強烈な射精感に、僕の意識は朦朧とする。
「あぁっ、はああああぁぁぁぁぁっ・・・あっ、はぁ・・・」
レイは膣の奥の行き止まりで僕の肉棒の先端から迸る精子を受け止めるたび、全身を震わせた。
完全に脱力した彼女は、僕の体の上で目を閉じ、寝息を立て始める。
僕は少女の華奢な背中を抱き、そのまま余韻に浸る。
この子の様子がおかしいって、こういうことだったのか?
目が覚めた。
少し眠っていたらしい。
僕の身体をベッドにする小さくて華奢な少女は口を空け、僕の胸の上に涎を垂らしながら幸せそうに眠っている。
下半身はまだ繋がっていた。
そして、僕の股間はまだ硬く、彼女の奥まで貫いている。
歳のわりに小柄な僕のペニスでも、レイのそこはきつく感じる。
ケインが初めてじゃなくて良かったね。
彼は体格も良く、ペニスも大きいといわれている。
その分、手加減なんて知らない。
さすがにこのまま第2戦に突入してしまうのは気が引けた。
体位を入れ替えて僕が上になり、体を離そうとする。
「ん・・・んふ、あぁ・・・」
引き抜く時に膣が擦れるのか、眠ったままレイはくぐもった声を上げる。
同時に、少しきつめのそこがきゅぅ、と収縮し複雑に絡みついてきた。
「うっ、あっ・・・」
思わぬ刺激に、僕は声を上げ目をきつく閉じ、動きを止めて射精しそうになるのを耐える。
うねりが去り、息を荒くしながら目を開くと・・・赤い瞳とばっちり目が合った。
「レ、レイ!」
思いっきり動揺し、慌てて身体を離す。
「んっ!」
力任せに腰を引いたので、カリの部分が擦れて抜いた後になってうねりが襲ってくる。
しばらくして波が引いていくと、レイがいつもの無表情で僕を見つめていた。
「しないのか?」
少女が下から質問する。
「えっ?」
僕は思わず聞き返した。
「『せっくす』だ。すると気持ち良いんだろ?」
悪びれる風も無く彼女は話す。
「え、レイ?」
「ここをイジってると、電気が流れたみたいに痺れるんだ」
レイは今しがた僕が貫いていた場所に手をやり、中を掻き混ぜ始める。
ビクッ、と彼女の肩が震えるのがわかった。
「オレは、この感じが結構好きだ。だから、毎日してる」
レイは自慰を続けながら話も続ける。
まったく、恥ずかしげも無く。
「ねえさんはウィルに奥の奥までしてもらってる。オレも奥までしたい。けど、指が、届かないん、だっ」
次第に台詞が途切れていくと、唐突にレイはびくりと身体を震わせ、軽く達する。
僕は衝撃を受けた。
彼女は、この少女は、性に関する行為が何を意味するのか、まったく知らないのだ。
性が恥ずかしいとか、嫌だとかそういう感情も知らない。
ただ、快楽を先に知ってしまったために、働くべき理性も無いまま、本能に従っているのである。
「任務から帰ってきてから、変な気分なんだ」
彼女は言った。
「したくてたまらない。だから、帰ってからずっと指でしてた」
その先は言わずともわかった。
体がさらなる肉欲を求めたのだ。
獣欲、と言ってもいい。
「誰でもいいから、したかった。それで外に出ようとしたところに、お前が来た」
だから、押し倒した。
僕が来なければ、外を徘徊し、本能の赴くままに男に襲い掛かっただろう。
そして、この敏感な身体に思う存分快楽を得ただろう。
相手が悪ければ、それでは済まない。
疲れて眠ってしまえば逆に陵辱され、仲間を呼ばれて集団レイプされ、カーリさんのようにセックス無しでは生活すらできなくなってしまうかもしれない。
「まだ、したい?」
僕はこの場で彼女の欲求を解消してしまわなければならなかった。
そうでなければこの少女は誰でもいいからと外に出て、無差別に襲い掛かるだろう。
それは避けなければならなかった。
「ラドンは嫌か?」
「嫌じゃない。けど、レイがしたくないならしない」
「したい。しろ。オレの奥まで入れてごりごりしろ」
擬音語の意味がよくわからなかったが、僕には充分だった。
レイの毛の生えていない股間の中心に狙いを定め、華奢な腰を一気に貫く。
「ふあぁぁっ!」
少女の体が仰け反り、跳ねる。
僕はもう、遠慮しなかった。
本能の赴くままに腰を動かし、徹底的に彼女を陵辱した。
こうしなければ、もっと酷い目に遭うのだ。
「んんっ、あっ、あひっ、いっ、いぃっ、おなかっ、あふっ、ふああああっ!」
レイの身体は突き上げるたびに跳ね、ほどなく絶頂した。
膣が強く僕を締め付け、肉襞が複雑に絡みつき、僕も限界を超える。
「うあっ、レイぃぃぃっ!」
僕は少女の身体に圧し掛かり、強く強くその背中を抱き締め、一番奥で射精する。
「くふっ、はああぁぁっ、あっ、ふっ、あつい、いっぱい出てる・・・」
狭い膣は僕を締め付け、尿道に残った精液を搾り出すように収縮を繰り返す。
その心地よい感触に身を任せ、しばらくそのまま抱き合う。
僕は萎えなかった。
ゆったりとした時間の中、生まれて初めて異性と肉体で交わる歓びに、体が興奮しきっていた。
繋がったまま、3戦目を始める。
「よく来たわね。ウィル」
深夜、誰もいない大学の門前で、凛はウィルを迎え入れた。
大胆に胸元が開いた服の上に白衣を羽織っている。
「大体見当は付くが、瓶の中身は?」
研究室に場所を移し、彼が尋ねる。
「スタールビーアルカロイドの濃縮液ね。薬で揮発性を高めてある。単純だけど、スポーツドリンクも入れてあるわ」
美女が答える。
スポーツドリンクは人体への吸収を早める作用があり、度の強いお酒に一滴たらしたものは、一口飲むと必ず救急車を呼ぶということからついた『ピーポー』という名のカクテルがあるほど。
「密閉状態は?」
「今は密閉容器に瓶ごと入れてあるけど、少し漏れていたわ。といっても、ちょっとエッチな気分になる程度だと思うけど・・・」
「なるほどな。それでラドンが平気で、レイがやられたわけか」
ウィルは現状について納得した。
「問題は、これをどこで手に入れたか、よ」
「どういうことだ?」
尋ねると、凛は肩を竦めた。
「どうもこうも無いわ。安定性は悪くて個人差はあるけど、これは立派な化学兵器よ。明らかにエルフを狙ったものね。
出所は連合かセ連ってところかしら」
「この話は警察の方に通したのか?」
「ファリア館長の方に連絡したわ」
「それで正解だな。警察を通せば、上に上がるのに早くて2日はかかる」
「そうね、残念ながら正解よ」
研究室のドアが静かに開く。
入ってきたのはスーツ姿の銀髪の美女だった。
「あんたか。シーナ王女」
ウィルが声をかけると、美女シーナ・ラングレーは彼を一瞥し、こう訊いた。
「これをどこで手に入れたの?社員のために、あなたには答える義務があります」
ピン、と緊張の糸が張り詰める。
彼は言い返す。
「社員の為じゃない。『民』の為だ」
「この件、『ニーベルンゲン』に出動要請が出たわ。後はあなたの情報を待つだけ」
シーナはすぅ、と目を細める。
ウィルは溜息をついた。
あまり張り合っても益は無さそうだと思ったのだ。
「コーネル通り2丁目のデカイ屋敷だ。見取り図は無いが、そう複雑な造りじゃないって話だ」
「ありがとう、協力に感謝するわ」
シーナはにっこりと笑顔を見せ、張り詰めていた緊張の糸が解れていくのが、凛には感じ取れた。
「動いてる『ニーベルンゲン』はどのくらいの規模だ?」
ウィルはこの状況で尋ねる。
「言う必要があるかしら?」
「ナム通り1丁目の古い廃ビル。ノーストリア駅からウェストルフィル駅の間、『ハイツルブリア』・・・」
彼は他数箇所の住所を告げた。
シーナは首を傾げる。
「裏の仕事で2回以上入ったことのある場所。その中で、ギャング勢力の空白地にある場所だ。調べる価値はあると思うぜ」
「大規模な作戦の可能性があるということ?」
ウィルは頷いた。
「レイとラドンが難なく忍び込めた。直属のアジトにしちゃ、管理が雑すぎる。端末の組織だ」
「それなら他に複数の端末組織があると考えるのが妥当・・・ってところかしら。明日は雪ね」
シーナは言って去っていった。
僕は何度もレイの細い腰の中に熱い迸りを放った。
「ひっ、あっ、ああぁっ、あぁ、はぁ・・・」
そのたびに華奢な体躯が痙攣し、僕にしがみついてくる。
大量に中出しされ、繋がっている僕とレイの隙間から、白濁した精液と透明な愛液が混ざり合って漏れてくる。
体を離すと、ごぽっ、と音を立てて粘っこい体液が吹き出てきた。
さすがに僕も消耗し、動き続けるのが辛くなってきた。
でも、組み敷いている少女の方はもっと凄いことになっていることに、ようやく気付く。
「あっ、あぁっ、い、あ、あぅ・・・」
もう体を離しているのに、レイの華奢な肩は痙攣し続けている。
目は白目を剥いて、口は半開き、だらしなく涎が垂れていた。
「うそ・・・」
僕はつぶやく。
知らず知らずのうちにやりすぎていたのだ。
というか、僕は確かに欲望に任せて放ち続けたけど、それでも合計5、6回だ。
最後の方は精子の量も大分少なくなっていたし、そんなに激しく動いていなかった。
そもそも、僕以上に力があって体力もあるのに、僕より先にダウンするだなんて思いもしなかった。
ウィルみたいなテクニックも無い僕で。
「レイ、レイ?」
レイの身体を抱き起こし、声をかけながら揺さぶる。
「ねえ、レイ、大丈夫?」
何度か頬を軽く叩いたりしていると、少女は腕を伸ばし僕の首にしがみついてきた。
「え、ちょっと・・・」
戸惑っていると、彼女の体の痙攣が治まり、赤い瞳は眠そうに僕の顔を見上げる。
「お腹の中、ジンジンして、気持ちよかったぁ・・・」
とつぶやくとレイは僕の唇にキスをしてきた。
「――!!」
柔らかくて、温かい。
これが初めてのキスなんだと思う間もなく、僕は仰向けにひっくり返り、レイの体をお腹の辺りに乗せたまま、深い闇の中に沈んでいった。
翌日にはすべてが片付いていた。
まるでそんな事件、テロリストは存在していなかったかのように。
テロ計画は押収した資料から全容が解明され、首謀者である連合から人身御供が差し出され、一応の決着がついた。
すべては、レイが気まぐれを起こして依頼品と一緒に取ってきた一本の瓶から。
なお、そんな大事になっていたとはまったく知らなかった僕は、レイに中出ししまくったことをカーリさんから叱られた。
今度、他のAV男優と一緒に、ウィルのセックステクニックの講座を受けることになってしまう。
あの・・・僕、まだ一般人で居たいんですけど・・・
「こらぁ、また中で出しちゃってぇ。自分で外に出せるようになるまで続けるわよぉ」
講座では、凛教授が1人で男達の相手をした。
僕は彼女の膣が気持ち良過ぎて、ほとんど入れた瞬間に射精してしまい、それでも強制的に続けられて、乾涸びる頃にはようやく自分の射精の瞬間がわかるようになった。
でも・・・
「ああっ、おなかあついっ、ふあぁぁぁっ!」
レイは簡単に外に出させてくれないんだよね。
僕より力強いし、中出しの味を覚えちゃってて、押さえ込まれると自由が利かないんだ。
足を絡めて離れないようにしてくることもあるし。
というわけで、未だにレイとするときは半分が膣内射精だったりする。
ゴメン、先にレイの方を教育してください。
僕じゃ、もうコントロールしきれません・・・
今日もレイはお腹にたっぷり精子を詰め込んで、僕の腕を枕に寝息を立てる。
こうしてると・・・かわいいんだよな〜・・・
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