■ EXIT      
カウンセラーさん奮戦記『イリナ・クィンスの場合』


ルフィル妖精館に、新しいカウンセラー、 カーリ・ウェブスターが入って5ヶ月がたった。

落ち着いた物腰、 育ちの良さからくる品格と素直さ、 それでいて、どんな相談でも、 動揺一つ見せず、真摯に受け止める姿勢は、 難しい妖精たちの心理安定に、大いに役立っていた。

また、男装の麗人といった風情の美貌は、 女性たちに非常にウケが良かった。

彼女の壮絶な半生は、 どんな惨い相談でも、正面から受け止める力となっている。 まさに、妖精館にうってつけのカウンセラーと言えた。

ある日、一本の予約が入った。
予約者は『イリナ・クィンス』。

ルフィル妖精館、いや現在の全妖精を代表する少女。


イリナの予約が入った直後、 カーリは妖精館館長のファリア・シェリエストに呼ばれた。

ファリアは微笑みながら、前置き無しに始めた。

「イリナの予約の事なんだけど」

『・・・・・それを知っているということは、
 ここの通信が常時見張られているのか、
 ファリア館長ご自身がこの話を進めたかよね。』

盗聴は、まずありえまい。

入ったばかりのカーリに警戒している可能性も無くはないが、 ファリアの人物を見て、そんな考えを抱く者がいたら、 よほどのふし穴眼か、そういう人生しか送れないろくでなしだろう。

だとすれば後者だが、なぜ?。

「そうね、あなたの疑問はもっともだわ。」

目に意識が出ていたのか、あっさりカーリの疑念が読み取られる。

「イリナの存在は、この妖精館、いえ我らがミュルス一族にとって、
 絶対に無くてはならないものなの。
 はっきり言えば、あなたが単なるカウンセラーだったら、
 相談には行かせないわ。
 私も、我らミュルス一族も、総力をあげてサポートするもの。」

数こそ少ないが、世界に多くの拠点を持ち、
夜の世界においてすさまじい影響力をもつミュルス一族。

そしてファリア、予備役とはいえ、ER軍准将の地位にある女性。

にっこりと穏やかに話す言葉、その眼の慈愛の光は優しい。 だが話している事は、普通の人間なら、震え上がるようなプレッシャーだ。

戦う目をして、カーリはそのプレッシャーを受け止め、推測する。

「つまり、私と私のつながりを持つ者、  わが主ウィル・テイラーと関係があると。」

ファリアの緑の目が、肯定していた。

カーリが単なるカウンセラーというだけではなく、 戦力、つまりウィルとその一党を動かせる立場にあるからこそだと。

カーリの目が、半眼に閉じられ、酷薄な光を宿した。

「見くびられたものですね。」

普通の人間、いやよほど豪胆な相手でも、目を剥きそうな答えが返る。

「私が、自分の仕事欲しさに、ウィル様を差し出すとでもお思いか?。」

ファリアのプレッシャーは、同時にこの問題の危険度を表している。
内容こそ分からないが、ウィルをそんな危険な仕事に巻き込めると思っているのか、この女!。

「あら、何か誤解していない?。」

しゃらっとした表情で、ファリアが返す。

「あなたは、あなただけの存在ではないはずよカーリ・ウェブスター。」

あえてファリアはカーリのフルネームを呼んだ。
自らの名前、それは自分だけの物か?。

その名前に振り向き、寄り添う誰かが必ずいる。
壮絶な人生を乗り越えてきたカーリも、それ無しには存在し得ない。

「私たちが、あえてイリナを任せるように、
 あなたもまた全力、それもありとあらゆる力を使ってもらわなければならないわ。
 それに、あなたの主は、そうしないことを望むと思う?」

艶然とした表情の中に、凄味があった。
こと男と女の関係において、ファリアに太刀打ちできるわけがない。
自分の芯の何かを刺され、思わずカーリも口ごもる。

「最初に言ったでしょう?。
 単なるカウンセリングだったら、イリナを行かせたりしないわ。
 仕事を受けるか受けないかは自由よ、だけど・・・」

きれいなアルト(F3〜B5くらいの声域)のひとつ)の声が、一瞬切れる。

「あなたが、『あなたの主が判断すること』を、勝手に決めていいの?。」

かわいらしく首をかしげ、優しい口調で尋ねられる。

思わず、カーリはうめきそうになった。
強烈なボディブローを食った気分だった。

『信頼に対して全力を上げる』
当たり前の事が、白刃となって突きつけられる。

もしウィルを巻き込みたくないと逃げたなら、 どれほど彼が激怒するか、想像したくない。

身も心も重ねあった日々の中で、 見えてきた彼の誇りは、それほど凄まじく高い。
だからこそカーリは、いつ死んでもいいほど惚れ抜いている。

「それにね、私たちの業界は、当然裏の世界にも詳しいの。」

誇るでもなく、揺さぶるでもなく、ただ淡々と告げる口調。

「あなたの主が、仲間たちを、あるいは孤児たちを、  犯罪ではない仕事につけるために四苦八苦してるのも、  危ない仕事も恐れず挑んでいるのも知っているわ。」

つまり、

カーリが危険を恐れようが恐れまいが、 ウィルは遠慮なく、仲間や子供たちのために、 あるいは、自分の誇りのために、 平然と危険の中に飛び込んでいく。

誰よりカーリ自身、その向こう見ずなウィルに助けられた一人。

同じ危険ならば、ミュルス一族がバックにいる仕事の方が、 どれだけウィルの利益になるか計り知れないだろう。

彼女の口調を聞けば、 そこまで言ってくれているのがよくわかる。

しかも、強制ではなく、 あくまでカーリたち自身で選べと、選択肢を任せている。

完敗だった。

「いいこと、イリナは私たちの希望であり、未来なの。
 それを任せる事の意味、よく考えてちょうだい。
 あなたが、いかに優れたカウンセラーであれ、
 一人で何でも背負い込もうとする愚か者だったら、
 絶対に任せることはできないの。」

「でも、なぜです?」

なぜ、それほど大事なイリナを、他人の手に任せようとするのか?。

「あの子の道は、決して平坦でも穏やかでもないわ。
 天に愛されれば愛されるほど、その道は険しく、苦難と苦悩に満ちている。

 だからこそ、多くの人の助けがいるの。
 それを選び取り、掴み取っていかなければならないのよ。」

表情一つ変えず、 ファリアは静かに、穏やかに言葉をつむぐ。

だが、その言葉の背後には、言葉の裏づけとなる、 多くの苦難と苦悩が積み重なっていた。

イリナにとって、 これはまだ、スタートに過ぎないのだと。









ファリアとの驚愕と衝撃の会見から7日後。

カーリの部屋がノックされた。

「イリナ・クィンスです。」

「お入りください、イリナさん。」

世界に名だたる、ルフィルの妖精たち、 その頂点に位置すると言われるのが、 この可愛らしいハーフエルフの少女、イリナ・クィンスだった。

「正式にお会いするのは、初めてですね。」

「はい、なかなか挨拶に来れず、申し訳ありません。」

この素直で、初々しい女性が、 夜の世界に君臨するミュルスの頂点?。

カーリは驚きを抑えるのに苦労した。

「いえいえ、気にしないでね。
 こうして、会いに来て下さったのだから、嬉しいですわ。」

もちろんカーリは、 妖精名イリナ・クィンスは知っていても、 『イリナ・ラングレー』である事は知らない。

しかし彼女も250年前の名門貴族の娘。 イリナのやわらかな感覚の中に、ある違和感を感じた。 激しい知的鍛錬と、最高の礼儀作法、 そして不動の魂の核。

まるで、自分のいた貴族社会に通じるような何か。

『だめだめ、推測は置いておかなきゃ。』

他愛ない会話から、イリナの日常や大学の話など、 そして、妖精としての生活のこと、 そこまで話が進むと、表情を少し変えた。
なにかを決意した時の表情。

「私がここに来た理由は、生理的なものが大きいのです。」

一定周期で訪れる、凶暴な性欲の嵐。

自分で自分を抑えられなくなり、 淫魔のように大勢の男性を求め、乱交を繰り返していた過去。 それを抑えるために、知り合いから薦められて、 妖精になった事。

それでも抑え切れない部分が、 ここで出合った男性と恋をし、 AVに出演することで、ようやく安定してきたこと。

さすがのカーリも、驚きを隠せない。
これだけの女性、AVに出演したとなると・・・?。

ある直感と同時に、背中に冷たい汗が流れる。
まさか、いや、それ以外考えられない。

「もしかして、アンリ・スタンザーというのは・・・。」

「はい、私のAVでの名前です。」

目がまん丸になったまま、カーリは呆然とした。
開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
今のAV界で、アンリの名は知らない者がいない。

二条香織に見出され、世界を席巻しているAV女優。
あれだけの記録破りのセールスを誇りながら、 未だに、公式には何一つ公開されていない謎に満ちた女。

だが、それを私に明かしたということは、 相談の内容もそれに関わるはず。

そして同時に、ファリア館長の言った意味も見えてきた。

世界の妖精たちの頂点に存在し、 AV界では世界を席巻してしまう。
文字通り『けた外れ』、いやもうそれ以上。 今や、AV業界はおろか、マスコミでさえ、 血眼になって、謎の女優の正体を探しまくっている。

ネットオークションでさえ極めてまれな、 アンリのサイン入りの商品は、 天井知らずの超レアアイテム。 非公式ファンクラブは、3桁を超すと噂されている。

もしファリアにさんざん脅されて、 覚悟を決めていなかったら、 ここで逃げ出してしまったかもしれない。

「ですが、最近になってある関係が出来てしまいました。」

偶発的に男性を欲する発作が起こり、 それを偶然通りかかった男性に鎮めてもらった事から、 その男性と関係を続けているのだった。

男性はAV男優で、脚本や監督もしばしば勤める。
この手の小さな会社では良くあることだ。

彼も彼女に似た発作を持っていて、 それでAV男優をやっていると聞き、 同情的になったイリナは、彼に協力することを約束してしまい、 リナという名前で、すでに幾つかのAV作品も撮っていた。

印象変化魔法を使っているので、彼はイリナをアンリとは知らない。

『まー、知ってたら無事では済まないわよねえ・・・』

知らないという事は、ある意味無敵だわと、カーリは恐ろしくなってきた。

イリナが隠してつきあってくれて、 ファリアが今のところ静観してくれてるからいいようなものの、

現在のAV業界最強二条プロに、 夜の世界最強のミュルス一族、 3ケタを超えると噂される熱狂的なアンリファンクラブまで、 へたをすると、それ全部を敵に回すことになる。

『猛獣の群れに迷い込んだネズミの方が、まだましよね。』

カーリもまた、イリナの本質は良く分かっていないので、 『この程度』の想像ですんでいるが、 『イリナ・クィンス』の正式なファンクラブは、 世界的な名士、富豪、王侯貴族が名を連ねている。

その影響力は、カーリの想像をはるかにぶっちぎっている。

これに、彼女の正体が『イリナ・ラングレー』であることを知ったら、 卒倒しかねないだろう。

彼は紳士的で、イリナを縛ることはしないし、 様々なSEXすることや、AVに撮られることは、 負担とは思っていない、いや不満すら無い。

だけれど、二条香織とのAVも撮っていて、 別の会社のAVにも協力を続ける、 そんなことでいいのだろうか?。

「なんだか、香織さんに申し訳なくて、
 でも、どなたに相談したらいいかと困ってしまって、
 そしたら、ファリアさんがカーリさんにご相談なさいと・・・。」


あああああ・・・・・。


カーリは脱力感のあまり、ソファから崩れ落ちそうだった。

本気で『ただの相談』。

それこそ、死ぬ気で決めてきた覚悟が、 なんだか馬鹿みたいな・・・・。

カーリは崩壊しそうな気力を、必死にたて直した。

だが、よく考えてみると、これも簡単には返事が出来ない。 何度かAVは出演したこともあるので、 カーリは意外にこの方面は詳しい。

二条プロは、独占契約を結んでいる訳ではない。
というか、謎の女優ということは、 『独占契約』という、表立った行動はムリ。

『誰もこの娘は使えないわよ』と宣伝しなければ、 独占契約の意味が無い。 だから、別の会社のAV(それも別名)へ出たからと言って、 二条プロには何の関わりも無いはず。

あとは気持ちと礼儀の問題だろうが、 カーリの目から見ても、 あれだけ儲けさせてもらい、 衣食住、なんら手間も迷惑もかからない最上級妖精。

普通のAV女優なら、 専属にするには、衣食住の面倒を見ないと逃げられてしまう。

噂では、アンリが出演するというだけで、 安くてもいいからと男優が群がるので、 二条プロは笑いが止まらないという。

二条香織は、イリナに足も向けて寝られないだろう。
とても文句を言えた義理ではない。

問題はAV会社とその男だ。









そこは、明るい大きな部屋だった。

低いソファやテーブルに、 酒やつまみや料理がてんこ盛り。

「かんぱ〜い!」

そして、参加者はなかなかの壮観だった。

青い瞳の、ものすごく可愛いハーフエルフの女性や、 クールで背の高い、スタイリッシュなエルフ男性。

麗人という言葉しか思いつかないような純血のエルフの女性。

白い肌に引き締まりまくった筋肉のゼヴェロスク系の男。

長い黒髪の東方系格闘技型の男性。

メタリックな細いメガネが似合う、 スーツを着崩した知的で短いグレイの髪の男性。

赤のライダースーツに、グラマラスな胸があふれんばかりの赤い髪の美女。

とまあ、ここまでてんでんバラバラで、 一人一人があまりに目立つ組み合わせ。

『ど、どこでどう集めたらこんなになったんだ・・・?』

主催者のキースは、頭を抱えたくなった。

ちなみに、ハーフエルフの女性がリナ(イリナ)。

スタイリッシュな男性エルフが、カーリのご主人様ウィル。
麗人の純血エルフがカーリ。

ゼヴェロスク系の男が、ウィルの親衛隊『四死竜』の白竜、ウルブス・ブレイブ。
東方系格闘技型男性が、黒竜、ゲルトア・キシンジェス。
銀メガネの男が、青竜、ハン・カクリン。
赤い髪の美女が、赤竜、メセトラ・スカイシェス。

ウィルとその親衛隊フルメンバーだったりする。

カーリから相談を受けたウィルは、 いたずら小僧のような笑顔で、ニヤリとわらった。
ウィルたち一党は、 元来AVなどの下請け、機材、人材手配等の仕事をしているので、 キースが主催するAVの撮影も、 彼らが段取りを組むようにするのは簡単だった。

で、内容を調べてみると、 酒と女が飲み放題という企画だものだから、 喜んで全員参加してきた。 のっとられたキースは、 すっかりダシにされてしまったようなものだ。


宴会が始まるや、すごい騒ぎ。
ビールが、ウォッカが、ブランデーが、 ものすごい勢いで空になる。

その上で始まる宴会芸。

頭に何個グラスを重ねられるか競ったり、 全員が投げたピーナッツを、口で奪い合ったり、 逆立ちしたまま、イッキに挑んだり、 もうむちゃくちゃ。

特に、東方伝来アッチャムイテホイは、 熾烈を極め、血を見なかったのが不思議なぐらいの白熱ぶり。

盛り上がる要因がもう一つ。

勝った人が、誰かを指名して、 そいつは一枚脱ぐのである。
もちろん、男性が目を血走らせて必死になるのは、 当然であろう。

「やああん、もう脱ぐ物なああい!」

酒か羞恥か、真っ赤になって叫ぶ少女は、 一番人気で指名されまくっていた。
というか、リナは応援で白熱して、 脱いでることすら忘れていた。

ゼヴェロスク系の筋肉男ウルブス・ブレイブに指名され、 応援していたウルブスが勝ったのは喜んだが、 脱ぐ物が無いことに気がついたのだった。

回りも今頃どよめいたりする。

「脱ぐ物無い子は罰ゲーム!」

やんややんやとはしゃがれ、

「あ〜ん、もうしょうがないなあ。」

真っ赤な顔で、胸と前を隠して、 ふらふら前に出た、相当酔ってる。

「んじゃあ、勝利のキスね、あなたのおち○ち○に。」

いたずらな小悪魔の笑みをうかべ、 ウォッカのグラスを傾けるや、 そそり立つ逸物を引っ張り出す。

「うひいいいっ!」

が、その瞬間悲鳴を上げたのは、ウルブスの方。
口に含んだ氷のかけらを、舌で押し当て、なぞりあげられたのだ。

その上、冷たい舌が、尿道をクリクリ、 いきなり達しなかったのは、ウルブスの方が見事と言っていい。

とはいえ、日ごろこわもてのウルブスの情けない顔は、 メンバーに大ウケ。

「あらあ、がんばりますねえ。それじゃあ、今度は中にいれてみましょうか?」

舌先で針状に溶かされた、 5センチ近い氷のかけらが、チカリと光った。

「ま、マジかんべんしてくれ、頼むからっ。」

白竜とまで呼ばれ、恐れられている男が、 本気で泣きそうだったりする。
そのくせリナの絶妙のマッサージで、萎えるに萎えられない。

冷たいお口にすすりあげられ、煮えたぎったザーメンを爆発させたのは一分後。

「んじゃ罰ゲーム2号っ」

黒髪格闘系の東方人が挑んできたが、

「ひいいいいっ!」

お口の氷シェイクに転がされ、 亀頭が痺れる感覚に悲鳴をあげる。
喉を鳴らして、氷ごと飲み込みながら、 喉での、口での、唇での三段責め。
その上左手での陰嚢マッサージと、 右手の中指を肛門へ突っ込み、 前立腺をこねくられるという荒技が炸裂。 魂の抜けた顔であっという間にのけぞり、 ゴン、と音を立ててぶっ倒れた。

「うっそおおおおっ!」

絶倫でも知られた黒竜ゲルトアだったが、 他のメンバーが驚愕するほどの轟沈ぶり。

しかし、イリナは最後の一滴までおいしそうにすすり上げる。

その上、ひっくり返った黒竜の陰茎が、 カチカチのまま全然萎えない。

「あっらら〜、ちょっと効きすぎたかしらぁ。」

金冷法といって、絶妙な冷やし方をすると、 勃起の持続が伸びたり、硬さが高まったりするのだ。

かわいそうなので、リナがその上にまたがると、 冷たい亀頭を熱いつぼみの中に沈めていく。

滴りにまみれながら、広がり、貫かれる淫の花。

「んはあああ、冷たあい、きもちいいい。」

「むむむ、罰ゲーム3号っ」

スタイリッシュで背の高いエルフが、 可愛い尻を掴むや、黒光りする物を押し当てる。

「んっはあああっ!」

このまま仲間がやられっぱなしでは、 リーダーとしても悔しい。

と、思ったのもつかの間。

「んぎっ、んんあああっ、ぐぐぐ、」

うふ、と淫魔のような笑みをうかべ、 リナのアナルが、イソギンチャクも真っ青の動き方、 カリ首をぎゅうっ、と絞られるかと思うと、 可愛い真っ白な尻肉が、くねるように動き、 尻肉で、括約筋で、無数の触手が絡み取り、こすり付ける感覚。

背筋がそそけ立ち、 戦慄が手足を震わせそうになる。

その上、ガチガチの黒竜のペニスが、 リナのあえぎと共に、 薄い肉を隔ててぶつかり合い、 誘導され、操られて快感が二層倍三層倍。

柔らかい体がよじれ、 歯を食いしばるウィルの頭を捕え、 熔けそうな唇が、視界いっぱいに広がった。 よじれた白い裸身の中、 甘く熔けるキスに、意識が真っ白になる。

「んっ、んんっ!!」

ドビュグッドビュグッドビュグッ、

白い果肉に痕がつくほど掴み、 腰が別の生き物のように叩きつけ、ぶちまける。

白目を剥いている黒竜が、うめいて腰を振るわせる。

「んんっ、あああんっ、出てるううっ、」

可憐な裸身をあえがせ、 細い腰が、淫らにくねり動き、 前と後ろに撃ち込められる精液を、 存分に受け止め、飲み込んだ。

「お、お、俺もどうにかしてくれぇ。」

そういえば、白竜も金冷法を真っ先にされたので、 痛そうなほどギンギンに立ちっぱなし。

「はあ・・・あんたも覚悟をきめな。」

青ざめてる銀ぶちメガネ、 青竜ことハン・カクリンも、赤毛の美女メセトラに言われて、 二人まとめて、お口に責められることになった。

ここで逃げたら、あとでメンバーたちから、 何を言われるか分かったものじゃない。

「いひーーっ」
「おああっ、まっまてっそれはっ」

嬉しそうにリナにしゃぶられる男たちの、 実に情けない声が響く。

ちなみに、黒竜はまだ抜いてもらえない。 彼女の腰も、弾むように激しく動きまくっている。

対して、ウィルの落ち込みようときたら。

あの二条香織ですら撃沈したプライドが、 完全に粉砕されていた。

「ほら、元気出しなさい。」
「ウィル様、がんばって。」

メセトラとカーリ、妙齢の美女二人がヌードになって、 裸身をくねらせ、彼のあぐらの中に顔を突っ込んだ。 萎えかけている彼のペニスを、赤く熱い舌が、 両方から元気づける。

「ううう・・・すまん。」

さらに、二人で豊満で柔らかな膨らみ4つ、 乳房をこすり合わせるようにして、ペニスを刺激した。

柔らかさと、肌合い、 そして美女二人の競演で、 見る見る勢いを取り戻す。

「さあリナちゃん、リベンジよお。」

メセトラが右脇、カーリが左脇から抱え上げ、 ようやく抜いてもらえた黒竜は、 ほんの数分でげっそり頬がこけ、泡を吹いていたりする。

小柄なリナは、嬉しげにウィルのひざの上に跨り、 トロトロの蕩け切ったヴァギナで、 ウィルのいきり立ったペニスを受け入れた。

「んはっ、あああんっ、さっきより元気なっ、ああっ。」

『この位置からなら、負けはねえ!』

小柄なイリナを抱え込み、 彼女のGスポットを探り出して、自在に責め立てる。

俄然張り切るウィルだったが、 今日のリナは一味ちがった。

すらりとした足が、はっしと絡み、 蕩けた笑顔が、身体を何倍も柔らかく絡み付けてくる。

下腹から身体をくねらせ、 胎内の蠢きを何倍も激しくし、 ドロドロの柔らかい粘膜が、 無数の触手と吸盤でしゃぶりついてくるような、 壮絶な快感に、ウィルは意識がぶんどられた。

腰のくねりが足から身体に、ウィルの全身を走り出す。

『あ、あれ・・・熱い』

カーリとメセトラが、なんだかひどく火照りだし、 手が、身体が密着、そして絡み合った。

「はふっ、はあっ、ああんっ。」
「んあっ、ああっ、身体っ、熱いのおっ。」

豊満な肉体の美女同士、 あそこをしとどに濡らし、激しくキスをし、すすりあう。

『あ・・・そういえば・・・たしかイリナって・・・』

彼女の、媚薬効果をもつ特殊な体臭の話を、 やっと思い出した時は、すでに手遅れだった。

不幸中の幸いは、 他の男3人が、絞りつくされて轟沈していたことだろう。
でなければ、さぞ後でもめたはずだ。

お互いの秘所に顔をうずめ、 舌先がクリトリスを探り出し、 唇が蜜を絡めとリ、 柔らかな内腿に、キスを激しく刻みあう。

「んああっ、あんっ、だめえんっ、」
「お姉様あっ、いいっ、そこっ、そこおおっ、」

淫らな声を上げて、濡れに濡れあう女二人。
もつれ合い、絡み合い、身体が止まらない。

そして、

「あんっ、ああっ、いいですうっ。  もっと、もっと出してくださあい。」

愛らしい美貌を、 恍惚とした色に染め上げ、 色欲に染まった肌は、薄桃色の輝きを放つ。

うめきとほとばしりが、 その色をさらに鮮やかに、震わせ、あえがせ、喜ばせる。

完全に主導権を握り、 イリナは存分にウィルのたくましい身体を貪っていた。

壊れた人形のように、 激しく跳ね上がる快感と、衝撃。

蠢く襞が、嘗め尽くす舌が、 甘く痺れるキスが、 理性と精力を根こそぎ奪い、 それでも身体が止められない。

「あはああああんっ。」









半月後、こういう題名でAVが売り出された。

『私は見た!、狂乱の大乱交
 脅威の新人、リナ嬢の壮絶テクニックと犠牲者たち』

ちなみに、キースのボスは、 腹がよじれるほど笑い、えらくご満悦だったらしい。

もちろん、印象変化は全員に施され、 誰とは分からないようにはしてあった。 (普通は女優だけで、男の顔はそのまま)

このAV、売り上げもさることながら、 やたらウケが良かったらしく、 ベスト10最長記録を更新するほどだった。

おかげで、イリナも他の出演者たちも、 このAVの話題が出るたびに、 『穴があったら入りたい』ぐらい、 恥ずかしい思いをするはめになった。

ただ一つだけ良かった事は、 ウィルや『四死竜』たちが、 イリナに非常に近くなれた事だろう。

ウルブス、ゲルトア、ハンは、 イリナのファンクラブに入ったらしい。

メセトラは、カーリと共に、 『打倒イリナ嬢』に燃えるウィルに、 たっぷりと可愛がってもらえて、ご満悦のようである。
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