■ EXIT      
酒と宝石

「はあああ、すごおい」
「あれ、いいですねえ・・」

イリナとベルリナは新作のペンダントと指輪のセットに、 興奮した顔で見入っていた。

ルフィルには、国際都市という名に恥じない数々の名店がある。
中でも超高級服飾デザインの店『グリーンクリスタル』は、 常に注目の的だ。

創業者のすばらしいデザインもあるが、 近年とみに目を引くのが、ドワーフのすばらしい技巧によるアクセサリーだ。

魚と水滴、ブドウの葉と小鳥と朝露、固いプラチナをどう刻んで磨いたのか、 一見地味に見えながら、生き生きとした躍動感と、静謐な輝きを調和させ、 指輪とペンダントが見事に調和している。

ドワーフの工芸に対する執念と感性は、凄まじい。

結婚指輪が1ダースは買えてしまう値段だが、 このすばらしい細工とデザインなら、むしろ良心的だ。

ふっと二人は顔を上げると、 「イリナしゃん、まけませんにょ〜」
「ボクもまけないぞ〜」

にらみ合ったかと思うと、その場でじゃんけんを始めた。
さすがに一点もの、二人とも同じ物を買うことが出来ないのだ。

とはいえ、ひかえていた店員は笑いを堪えるのに必死。
ルフィルの高級妖精といえば、ハイクラスのお客様、 その中でもイリナとベルリナとくれば、VIP待遇になってしまう。 店員の気苦労も並み大抵ではない。

ベルリナはブドウの葉、イリナは魚を買うことにした。


一時は絶滅宣言まで出されかけたドワーフだが、 『ドワーフの石頭』とまであだ名される彼らに、 極めて珍しく、柔軟な思考を持つ王が生まれていたため、 一氏族100名あまりがER、それもラングレー王家を頼って移民した。

本来山付きのドワーフは、群島や海域の多いERには縁が無い。
あの頑固のドワーフたちを、ERに連れて来たというだけでも、 その王エルバッハは相当な傑物と言える。

セシリアもわきまえたもので、 いらぬことは一切いわず、 山地が多く、王室直轄領で鉱物資源の豊富なマナトリア自治区に、特別保護地区を設け、 そこへの行き方と精密地図だけをさっさと渡して送り出した。

一見冷たいように見えるが、 下手にエルフが援助を申し出たりすると、 元々何かとエルフと張り合っているドワーフたち、 たとえ絶滅すると分かっていても、 『エルフの援助は受けん!』とつむじを曲げかねない。
それほど、彼らのプライドは高いのだ。

そして、エルバッハとその氏族のことを聞いて、 少しずつ生き残ったドワーフたちが、集まってきた。

ささやかに故郷の再建に乗り出し、長い苦労の末に、 つい最近、ようやくドワーフたちは、外との交流を始めるようになった。



ドワーフたちの技術に興味があったイリナは、 『グリーンクリスタル』の店長に、工房を見たいと申し出た。 イリナ・クィンスのお願いとあらば、 店長も断るわけにはいかない。ただ、心配もあった。


「し、しかしお客様、危ないですよ」
気難しいドワーフたちは、工房を覗きにきてもほとんど関心を示さない。 機嫌が悪い時は、工具をぶつけられたりすることもある。

「迷惑はかけないようにしますから。」
イリナの輝く瞳に捕らわれ、宝飾店の店長は思わずうなずいてしまった。

五日後、
マナトリア自治区のドワーフ保護区に、 妖精館のティルトローター型ヘリが、静かに着地した。

淡い桃色のジャケットにハーフのパンツ、少しヒールのある上品な靴という、 動きやすくそれでいて落ち着いた感じの服装で、 工房に邪魔にならないよう配慮した服だが、イリナには良く似合っていた。


「失礼します。」
打つ、磨く、削る、熱する、 さまざまな音がにぎやかに絡み合う、巨大な工房。

そのうきうきするような音楽の中で、イリナは元気よくあいさつをした。
職人たちは覇気の無い声を嫌う。
イリナの良く通る声は、ふっとドワーフたちのぎょろ目を引いた。

工房中の音楽が急に静まった。

ガタッ、ガタン、ドタタッ、
ドワーフたちが一斉に駆け寄ってきた。

「え、え?、え??。」

あっという間に背の低く頑丈そうなドワーフに取り囲まれてしまう。

「ちょっと、そこに座ってみてくれ」
「いや、いすに手をかけて立ってくれ」
「ちがうちがう、横になるのがいい」

いきなり、いろいろ要望を言い出し、何がなにやら分からない。

ぎゃあぎゃあ言い合いになり、 見る間につかみ合いからゲンコツやハンマーまでうなりだす。

ゲンコツがハンマー並みに固いのと、 ハンマーで殴ってもコブしか出来ない石頭なので、血は一滴も流れないが、 イリナはおろおろうろたえるばかりだ。

「やめねえか、馬鹿やろうども!!!」

部屋が揺れそうなほどの大声に、ケンカが一斉に静まる。
イリナの耳も、キンキンいっていた。

宝石だらけの一回り大きいドワーフが、のしのしと入ってきた。
肩の筋肉もすごいが、髭がまた黒々として引きずるほど長く見事だ。

「すまねえなお嬢ちゃん、めったに無いモデルに全員興奮しちまったようだ。 俺はこいつらの頭をやってるヴィクトリア・フォン・エルバッハ、バッハと呼んでくんな。」

「え・・・、もしかしてドワーフ王のエルバッハ様ですか?。」

ドワーフは苦笑いをする。
「バッハでいいって。それより、そこの長いすに横になってくれるか?。」

「あーっ、大将ずるいぞ!」
とたんにぶうぶう言い出すドワーフたち。

「やかましい!、そんなことよりさっさと順番決めやがれ。どうせサイコロだろうが。」

サイコロ賭博で順番を決める間、イリナは王のモデルにされてしまった。


ジャケットを脱いで、薄いガウンをはおり、 すばらしい長いすに、身体をもたれさせ、 肘掛に上半身を預けるようにすると、優美なラインが浮き上がる。

「すまねえなあ、嬢ちゃん、名前は?」

鹿の大きな角を、猛スピードで掘りながら、バッハが聞いてきた。

「イリナ・クィンスといいます」

「イリナ嬢ちゃんか、いい名だ。礼はちゃんとするから、すまねえがつきあってくれ。」

あっという間に彫りあげたそれは、 鹿の角のカーブを生かし、 小さいが見事な女性像になっている。

「すっごおおぃ。なんて見事なんでしょう!。」

バッハは、イリナの感嘆の声に、照れくさそうに笑った。

「大将、順番順番!」


イリナが次々とポーズをとっていると、 待っていたり、終わった王や連中は、酒の大樽を持ち出した。

『ほんっとにお酒がすきだなあ・・・』

上等だが強烈な酒の匂いが、くらくらするほど工房に満ち溢れる。
いや、作品を作ってる者すら、いっぱいやりだした。
そのほうがむしろ早いようだ。

「今度はこっちに着替えてくれるか?」

今度は白絹の薄いローブ、襟元に優雅なウェーブが飾られたものだ。 酒の匂いに少し酔ったような気分で、 イリナははいはいと着替えた。 ドワーフたちの強い視線を浴びて、それがひどく感じているのもある。 視線に感じてしまう女性は多い。 ましてドワーフたちの創作意欲に燃え上がった視線は、熱線なみの強烈さだ。

だが、着替えたのがまずかった。


イリナが理想のモデルということは、 ドワーフたちの好みの女性だということ。
しかも、酒が入ってかなり盛り上がっている。

薄い白絹にすんなりと美しい肢体が透けて、どきりとするような色香を見せる。
頬を染めたあどけない笑顔と、なまめかしい白い胸元が、全員の目に焼きつく。

彼女は胸もお尻も、さほど大きくない。
顔つきも、整った美ではなく、可愛らしさが強く出ている。
つまり彼らの好きなロリっぽい。
ドワーフはモロに金○をつかまれたようなものだ。


『あららら・・・』


むくむくドワーフたちの股間が大きくなっていく。

かなり視線が危ない。
だが、何とか耐えているのは、仲間が創作に必死だからだ。
ドワーフはドワーフの仁義がある。

『作っている仲間の邪魔をしてはならない』

だが、かなり苦しそうである。
特にバッハにいたっては、今にも血管が切れそうだ。
さっきの気持ちのいい王様が、気の毒になった。

「あの〜、少し違ったポーズを提案していいですか?」

次のドワーフが入れ代わる時、イリナが申し出た。

「私、ルフィルの妖精館に、妖精として勤めております。
ですから、男性とからむ方が気分が出るのですが、だめですか?」

「え・・・・?、なにいいいっ?!」

妖精という言葉を思い出すのに、 ドワーフたちはしばらくかかった。

全員がのけぞり、2,3人鼻血を吹いたものまでいた。

「まっ、まさか・・・」
「本物の妖精かよ・・・??」
ドワーフたちは酒を飲むことも忘れて、ざわめいた。
これまで、自分たちの国づくりで必死にやってきたドワーフたちだ、 噂に名高いミュルスの妖精は、話題には上っても、行って来た者はいなかった。

「やっ、やっ、やってみてくれ」
順番が来ていたドワーフは、思わずどもった。

「それでは、最初にバッハさん〜、ちょっとよろしいですか?。」

「おっ、おう!」

イリナが手馴れた手つきで、ズボンを気持ちよく降ろすのを、 目を見開いてみていた。

皮のズボンから出てきたのは、25センチはある凄まじい剛刀。

『あら〜、これはすごいわ』
本気で限界ぎりぎり、血管が猛烈に浮き出している。
イリナの小さなお口では、亀頭も咥え込めない。

でっかい陰嚢を優しく転がし、可愛らしい舌先がちろちろと舐め上げる。
「ぐっ・・・あっ・・・」
バッハは情け無いが声が出てしまう。
すぐ出してはさすがに立場が無い。しかし、 「ああ・・・すごい香り、男らしいわぁ、はむっ」
可愛らしい顔を、ペニスにこすりつけながら舐め上げ、 首と顎にまでこすらせ、 のびやかな首筋の、白い生唾を飲むような肌が目に焼きつく。

巨大なペニスを玩具のようにもてあそぶ、妖しいあどけなさ。


小さな唇が、懸命に咥え込み、亀頭の敏感な部分を嘗め回される。
バッハもたまったものではない。

これが高名なルフィルの妖精と知らなければ、 男としての面目が立たないところだ。

あっというまに限界が来た。

「だっ、だめだあっ!」

ドバアアアアアッ

猛烈な射精が、イリナの顔にぶちまけられる。

「あはっ・・・んっ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、」

強烈な男性の香りと、粘り気の塊を、イリナはためらいも無く飲み込み吸い出す。
白い喉を反らし、ゴクリと大きく鳴らす。

「いかがですかあ?」

濡れた顔で振り返ると、ドワーフは真っ赤な興奮した顔で、 スケッチを持って金細工を削りだす。

「今度はお二人おねがいしまぁす。」

二人の物を、交互に咥え、しごき、嘗め回す。

「かっ、可愛らしい顔してるのに、なんて凶悪な」
「うおおっ、くっ、くそっ、負けるかあっ」

二人して意地を張り合うのを、同時に口元に寄せ、 こすり合わせるようにして、舌を走らせ、指でしごき上げた。

イリナの輝く銀髪といい、かわいい鼻といい、喉から胸元まで、 飛び散るザーメンでドロドロになる。


モデルに興奮しきったドワーフは、 淫靡な輝きと微笑を、銀細工に狂ったように掘りまくっている。

「うふふ、もうドロドロですねえ。これ脱いじゃいましょうね。」
ローブをゆっくり、優雅な動きで脱ぐと、 白い裸身が脱皮する蝶のように現れる。

「すっ、すまん、今の脱ぐ所もう一回!」
ぷるんと乳房が震えるシーンを目に焼き付けると、 そのドワーフは、象牙を猛スピードで刻みだす。

「ここ、もう、こんなにトロトロなんですよぉ。皆さんの凄そうで、濡れてるんです」

恥じらい気味に、たたんだ脚をずらし、濡れた秘所を光らせると、 理性が持つわけが無かった・・・。



ミチミチミチッ

「くはああああんっ!」

ひときわ大きな剛刀が、イリナの股間を裂かんばかりに押し開く。

猫のように舐めまくっていたペニスをはずし、目を向けると、 バッハの照れたような顔がある。

安心したような微笑を浮かべ、身体をさらに柔らかく、力を抜く。

グウウウッ

イリナの胎内に、剛刀の存在が巨大化する。

「んああああんっ!」

ゴツッ、ゴツゴツッ、

「ああんっ、もぉっ、もういっぱいいいっ、あうっ、あっ、あ〜〜っ」

さすがに入りきれず、激しくぶち当たる。

しなやかな脚が、バッハの銅を激しく絞め、
濡れた粘膜が、膨れ上がった亀頭に引きずり出されそうだ。

それでも、しゃくりあげるリズムがたまらない。

目の前に乱立する凶悪なペニスが、いとおしい。

溺れそうなほどの射精が、顔中に浴びせられ、イリナも息が途切れそうだ。



「す、すごいわねえ・・・」
「うは〜〜、ものすごい眺め」
「ああん、イリナさん抜け駆けなんてひどいいい。」

聞こえてきたのは妖精館の面々、香織と、ヴァネーサ、それにベルリナの声だった。

イリナがお休みを取ってドワーフの工房へ行くことを聞きつけ、 彼女をびっくりさせようと、ヘリで追っかけてきたのだが、 どうやら、びっくりさせられたのは彼女たちの方だった。

その上、すでに工房の中はイリナの特殊能力、 強烈な媚薬効果の体臭が充満している。

元々でかいペニスが、小柄な体格に比べものすごくでかく見え、 それでなくても思わず食指が動いてしまうH大好きな妖精たち、 もう、矢も立てもたまらず、脱ぎだした。


「わっはははは、妖精たちの襲来か。こりゃあ景気がいいなあ。」
バッハは大笑いすると、腰を大胆に打ちつける。

「きゃあんっ!、あんっ!、あっ、ああっ!、こっ、壊れちゃうううっ!」
そういいながら、脚はもう絶対離さないとばかり強くからみつく。
喘ぎと、汗が絡み合い、粘膜が溶け合う。
「いくっ、ぞおおおおおっ!!」
「きてっ、きてっ、きてええええええええっ!!」

細い足が激しく痙攣する。

ドクウウウウウッ、ドクウウウウウッ、ドクウウウウウウッ、

一撃で子宮いっぱいにされ、さらに、のけぞり、のたうつ。

「はいりっ・・、きれな・・・いいいっ!」

目を潤ませ、腹を波打たせ、何度も何度も、中にぶちまけられれて、 何人もの男に射精されているような幻が押し寄せた。

「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、」

喘ぐイリナからようやく引き抜かれると、 おなかいっぱいになっていた精液が、逆流する。

「すごいわねえ。おいしそう」

跨って腰を振っていた香織が、その眺めに欲情する。
彼女は、射精された女性のあそこを舐めるのが、大好きなのだ。
特にイリナのそれには、病的だった。

腰を振りながら、身体をくねらせ、顔をそこに当ててチュウチュウと吸い出す。

「ああんっ、香織さんったらあぁ」
赤らめた顔で、イリナが文句を言うが、身体は言うことを聞かない。
舌が、唇が、指が、イリナの快感をさらに抉り出す。

妖精の凄まじいエロティズムに、ドワーフたちも当てられっぱなしだ。

どうやら飲み込んでいたペニスが、香織の中で一層でかく、そして突き上げた。

「きゃうううっ、ひっ、あっ、あ〜〜〜〜〜っ!!」

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、

鈍く強烈な音と、猛烈な射精感で香織は欲情に染まった頬をのけぞらす。


「あんっ、あんっ、ドワーフさんたちぃ、すごすぎますううっ」

元々小柄なベルリナは、ドワーフの怪力に持ち上げられ、背中を柱にもたせられて、 責めに責めまくられている。

ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ、

身体を突き通す鈍い音に、内蔵まで貫かれるような律動に、 よだれすら垂らし、うつろな目をさまよわせ、快感に蕩けきっている。

だが、その無防備な姿が、無力でか弱げな姿が、 いじめたい欲望を掻きたて、嗜虐の快楽を掻きたてる。

次々と群がり寄るドワーフのそれに、嬉しそうに笑った。

M嬢ベルリナの本領発揮である。



チリッ、チリッ、チリッ、

「ひあんっ、あんっ、ああっ、両方なんて、あんまりよおっ」
口ではそういいながら、 両方を壊れんばかりにえぐられ、突き上げられ、 ヴァネーサは、メロメロに感じている。

馬鹿でかい男根が、動くたびに、 豊満な乳房が激しくゆれ、左の乳首のピアスが音を立てる。

チリッ、チリッ、チリッ、
「ひっ、あっ、ああっ!、こっ、こすれるうっ」

その音が、リズムが、彼女を快感に引きずり込み、 普通は感じないほど強烈な快感に溺れていた。

ズブッ、ズブッ、ズブッ、

グリュッ、ズッ、グリュッ、ググッ、

アヌスが熔けそう、
ヴァギナが裂けちゃう、

内蔵が引き出されそう、膣が裂けちゃいそう、
喘ぎ、涙をこぼし、それでも、音が響く、

チリッ、チリッ、チリッ、

意識が蕩ける、身体がドロドロになる、
痙攣が全身を走った。

「だっ、だめえええぇぇぇ〜〜〜〜っ!!」

白い豊かな裸身が、何度も痙攣し、のけぞる。
ヴァネーサが絶頂に達してしまった。


「うへへへ、思った以上に効いてるな。」
「このピアスの細工はお前だったよな。」

実はこのピアス、ドワーフの細工で、一定のリズムを与えると、 女を激しく感じさせる音波が出るのだ。
たまたま、作成者がそれを見つけたからたまらない。

「うりゃっ、まだまだああっ」

「ひあっ、だめっ、感じすぎてっ、死ぬ、死んじゃうっ」

涙声で喘ぐヴァネーサに、容赦ない律動が、激しく突っ込まれる。
脚が広がる、身体が痙攣を繰り返す、 真っ白い放出が、身体中を穢しつくした。

「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ドクッ、ドクンッ、ドクンッ、ビュグッ、ズブッ、ビュウウッ、ビュグッ、・・・



「ヴァネーサさん、ヴァネーサさん、だいじょうぶですか。」

ベルリナが心配そうに覗き込むと、 ようやく意識が戻った彼女は、起き上がろうとする。
しかし、身体中がガクガクしていた。

「あっ、あたしとしたことが・・・」

感じすぎて、身体が言うことをきかない。
実際ベルリナが身体を拭く前は、凄まじかった。

他の女性たちは、それなりに主導権を握って楽しんでいたのだが、 ヴァネーサは完全に堕ちてしまい、陥落したあとは、 もうドワーフの猛烈な性欲にしたい放題させてしまっていた。
あそこもアナルもひりひりするし、 さすがに恥ずかしかった。

「いやぁ、すまねえな。こんなに効くとは思わなかったんでな。」

白髭のドワーフがニヤニヤ笑いながら声をかけた。
彼女のピアスの秘密を教えられ、ふくれるヴァネーサであった。





「どっ、どうしたのこれ??」
さすがの妖精館館長ファリアも、声が裏返りそうになった。
厳重に梱包された大量の荷物は、凄まじい輝きを放つ工芸品。

イリナは困ったような笑いを浮かべながら、 「ボクはいいって言ったんですが、ドワーフさんたちがどうしても一点ずつ持っていけって。」


あそこにいたドワーフ全員が、4人のモデル料として払ったのだ。
『ドワーフのドケチ』というのも有名な言葉だが、
どう見ても超一流の工芸品ばかり、どれだけの金額になるのか想像もつかない。 ファリアは開いた口が塞がらない。



ドワーフたちはイリナたちの痴態に、創作意欲を猛烈に掻き立てられ、 全員が複数の作品を創造した。

狂ったように作り上げられたそれらは、 むしろ集中と力が満ち、へたに時間をかけたものより、 はるかに見事な出来になっていた。


特にイリナに渡された物は、猛烈な色香と淫靡に染まり、 興奮を掻き立てられるものばかり。

小さめの象牙の女人像すら、ちらつくエロスと、妖しい微笑みに思わず赤面してしまう。

『ボクとしては、もう少しかわいいのが良かったんだけどなあ・・・』

値段など付けようが無いのだが、さすがにルフィル妖精館。
王族、貴族、大富豪ETC、 遊びに来る人は、目が肥えている。

毎月一点ずつ、正面玄関に展示ケースを設けて置くと、 2日と持たずに買い上げられていく。

いくらで買われたか、これは書かずにおきたい。
ただ、あまりの金額に、ERの金融経済担当省庁は、 納税庁と連日会議に追われる羽目となった。
ドワーフが送った『モデル料』を、どう判断するかで大もめにもめたのだ。

さらに発生する税金と、妖精館から流れ込む膨大な資金について、 議会への根回しと、予算の調整は並大抵ではなかった。
妖精館からのそれが莫大過ぎては、国家の運営上いろいろと支障がでるからだ。

ようやく調整が終わる頃には、担当者が軒並み入院してしまったそうである。

ドワーフたちが手元に残した代物も、普通の宝飾店に並ぶことは無かった。
好事家たちが狂ったように奪い合ったからだ。

『寝室に置くと、燃える』と評判で、さぞかし悩ましいことだったろうと思われる。

偶然1点だけ、超一流品だけが選ばれるラングレーササヴィスオークションに出展された。


けだるげに顔を上げる少女、 濡れて輝く身体と酔い痴れる淫靡な微笑みが、妖しい光芒を放った。


ドワーフの新境地と、すばらしいできばえに、 どよめきと賞賛が、会場に響いた。
ただ一人、お忍びで来ていた女性を除いては。

『あ、あれって・・・イリナよねえ。』

お忍びでのぞきにきていたセシリアは、 美しい眉間にしわを寄せて、ただ首を振るばかりであった。
次の話
前の話