プリズム 前編
白い小さな素足が、枯葉や草を踏む。
白い、シルクのネグリジェが、闇の中にぼうっと浮かぶ。
光のない目を、朦朧とさまよわせながら、
人気のない公園の奥へ、
ふらふらと歩いていく。
『こっちだ・・・こっち・・・』
誰かが、呼んでる。
誰かが、火を焚いてる。
数人の浮浪者が、闇の中から現れた女性に仰天した。
一人が手を引くと、
何の抵抗もなくイリナは、その中に引き込まれた。
軽く温かい肉体が、ふわりといい香りを漂わせる。
ぼうっとした表情で、しなだれかかる美貌の少女に、
聖人君子でもないただの男たちが、たまるはずがない。
ネグリジェを脱がせていくと、
真っ白い果実のような乳房がポロリとむき出しになる。
清楚な白い下着が、焚き火に妖しいラインを描く。
すんなりとした手足、
細い痛々しげな首筋、
しなやかでほっそりとしたウェスト、
女性らしい豊かさを秘めた腰、
極上の女性の裸身が、揺らめく火の明かりに、淫靡に輝いた。
上気した顔を、うっとりと向けられ、全員がごくりと息を呑んだ。
のしかかる男たちに、イリナの裸身は優雅に広げられた。
可憐な唇が、荒々しく吸われ、
甘い唾液が絡み合う。
無毛のふっくらとした恥丘をキスし、嗅ぎまわり、舌で撫で回す。
喘ぐたびに勃起していく乳首を、咥えられ、つままれ、舌先で嬲り回される。
「うう・・、ん・・んはん・・・、ああん、はううぅ」
切なげな声が、暗闇の中に広がっていく。
唾液がぬらぬらと引かれる、真っ白い内腿を汚すように。
おびただしい雫が、痙攣とともに噴き出し、香りが興奮を掻き立てる。
「も、もうがまんできねえ」
一人がベルトをはずすと、全員が争うように脱ぎ出す。
激しい興奮で反り返ったものが、
上気して桃色に染まったイリナを、一気に貫いた。
「はあああんっ!」
男の、熱くて、固くて、強烈な存在感。
異様で、脈打ち、貪り食う、男根の感触、
深くめり込んできたそれに、身体が引き裂かれるようなイメージ、
眉をしかめ、身体を震わせ、ひしと抱きしめ、絡め取るイリナ。
ズブッ、ズブッ、グリュッ、ズブブッ、
激しい淫音が、肉体の奥まで響き、
熱く、痺れるような快感が、身体の奥を突き上げる。
満たされる、いっぱいに、満たされる。
亀頭が蠢くたびに、イリナは肉感に満たされる。
突き上げる衝撃が、細い身体を上気させ、悶えさせる。
「く、咥えてくれや」
にっこりとして、ぱくりと、躊躇いもなく口にする誰かの肉欲の塊が、舌に、唇に、熱く感じる。
口に、喉に、ヴァギナに、底に、突き上げ、突き入れる律動が、イリナを快感の陶酔へ噴き上げていく。
のけぞり、のたうつ瑞々しい裸身、たまらず自らしごき出したペニスを、やさしく手に取り、指でしごきだす。
突き当たる衝撃が、気持ちよくて、
飲み込まされる味がたまらなくて、
イリナは感じるままに、全力で愛撫し、さすりあげ、締め付けた。
「すっすげえ、だめだっ、」
「おれもっ、だっ、」
うめく男たちの興奮が、膨らみ、膨張し、ぐいとイリナを貫く。
雫に濡れ、白く閃く肌が、
激しく痙攣した。
ドビュウウウウッ、ドビュウウウウッ、ドビュウウウウッ、
子宮にあたる熱い波、
喉を焼くほろ苦いほとばしり、
顔中に浴びる感触、
興奮と悦楽に染まり、悶えるイリナの中に、喉に、身体に、
どくどくと精液がまみれていく。
入れ代わる男たちに、素直に跨り、
ヴァギナに入れ、アナルに受け入れ、口に咥え込む。
同時に激しい凶暴な律動が、
機関車の動輪のように、
激しく蠢動する。
イリナの身体を広げ、えぐりぬき、突き上げる。
イリナは歓喜し、わななき、すすり泣く。
「うぐっ、んっ、んうっ、んっ、んふっ、んんっ!、ふうっ、んううぅ!」
蕩けきった肉体が、甘く、異様なざわめきで包み、絞り上げる。
瑞々しい若さと、どこまでも男を引き込んでいく甘美と、
相反するような女性の美と快楽。
のしかかる尻が震え、広がった脚が痙攣する。
胸板に乳房の針のような快感がなすられ、
舌先の狂おしい刺激が、亀頭を割り、嬲る。
うめきと、絶頂と、快感と、痙攣と、イリナの白い裸身が、ひろがり、のけぞり、痙攣した。
男たちの精を存分に吸い込みながら。
ありったけの精液を吸い込んだ裸身が、しっとりと光る。
虫の声と、月の光、その中でゆっくりと、濡れた裸身がおきあがる。
放出しきった男たちを見もせず、
「いかなきゃ・・・」ふらふらと歩き出した。
暗がりの中で、手を引かれ、痴漢らしい男に抑えこまれる。
「きて・・・」
優しい声に抱きしめられ、狂おしくレイプする男に、
何のためらいもなく、身体を投げ出していった。
早朝の妖精館に、パトロールから連絡が入り、あまり治安の良くない場所の公園で、
イリナが発見され、保護された。ファリアを初め、心配しきっていた妖精館の面々は、
ホッとしたが、イリナの性癖を良く知っている全員が、
首をひねった。
「まだ、時期じゃありませんよね・・・」
ベルリナが不安げに言う。イリナを定期的に襲う猛烈な発情期は、
まだしばらく先の予定だ。
「それに、外に出てまで漁るような人では、無いと思うのですが・・」
クレアも少し赤くなりながら、つぶやく。
ファリアは保護された状況と映像データを見て、
それらの全てが機密扱いとなり消去されたことに感謝せざるえなかった。
それほど凄まじい状態で、数十人の男に輪姦されたとしか見えなかった。
しかもイリナは目を覚まさない。
すぐに妖精館に運び込まれたイリナを見て、ファリアは青くなった。
『妊娠防御魔法が消されてる?!』
即座に膣洗浄を行い、検査をした結果は運良く妊娠していなかったが、
イリナの脳波は恐ろしく深い眠りの中にあった。
「これって・・・呪いかも」
トップレス姿のヴァネーサ・コートがとんでもないことを言い出した。
きれいな赤毛にすらりとした肉体美をさらけ出し、左の乳首に金のピアスがゆれている。
下着同然の服を腰にだけしぶしぶつけているが、
いーかげん見慣れてきた全員は驚かない。
初めは全裸で平然とうろつかれ、すったもんだが絶えなかった。
彼女はエロス系の凄腕カメラマンにして、男女どちらも大好きの両刀使い、それが高じて妖精館に入ったというツワモノである。
加えて、ほとんど裸族と言っていいぐらい、裸になることが好きで好きでたまらず、みんなにも勧めまくるというぶっ飛んだ性格だが、世界中をエロスを求めて駆け巡り、極寒の氷原でアザラシと戯れる写真集を出すかと思えば、大ジャングルの奥地で原始エルフたちと戯れる写真の展覧会を開き、女性スカイダイバーたちを集めて空中写真と、文字通り世界中を股にかけたの経験は、妖精館の全員が一目置いている。
以前に、ラングレー特別保護区の大ジャングルの奥地で、
文明を嫌い、自然に溶け込んだ生活をする原始エルフと呼ばれる特殊な種族に、
気が合い、1年もいりびたっていたことがある。
ほとんど着衣をつけること嫌う風習が、ヴァネーサの好みに合ったからだが、
一族は魔法の他に、今のエルフたちが失っている自然力を動かす“呪術”を、
密かに受け継いでいる。
彼女も呪術の一部を伝授されていた。
ヴァネーサは、イリナの身体の上を何度も手を滑らせ、
何かを感知すると、形の良い眉をしかめた。
「やっぱり、かなり強い呪いをかけられてる」
額におびただしい汗が噴き出していた。
「個人の魔力に頼る魔法に比べれば、速さや自由度は少ないけど、
自然力や星の配置を基にするだけに、その力は想像を絶するの。」
雨を呼び、嵐を遠ざける現象すら見たことがあるヴァネーサは、
大きくため息をついた。
「本来、人にかけるのはタブーだけど、呪術返しをしてなかったり、
それと知らずにかけられたら、まず抵抗は不可能。
個人の魔力など関係なく、かけた者の意思に支配されて、
自由意志をほとんど奪われてしまうの、イリナみたいに。」
ファリアの目がチカリと光った。
「あなたも、それを教えてもらったの?」
ヴァネーサは少し赤くなり、
「うん、まあ、彼らとも他人じゃないんでね、かけたり消したりはできないけど。」
しっかり肉体交流もしてきたらしい。
「ただねえ、呪術って何の関係も無い相手にはかけづらいんだよね。
触媒にあたる爪や髪か、親族の血か、あるいはその思いがこもった物でもないと。」
ファリアはその言葉が引っかかったが、
今はまずイリナのガードを固めるしかない。
イエッタについてもらい、いざという時は無理やりにでも押さえてもらうことにした。
ドーン!
1時間後、轟音が館中に響き渡った。
「あいたたた・・・」
ファリアたちが駆けつけると、壁にイエッタのスタイルどおりの美しい凹みができ、床にうずくまった彼女がのろのろと起き上がった。
「イリナのフルパワーって、あんなにすごかったの?」
元通商連合の特殊強化人間だったイエッタだからこの程度で済んだが、
普通の人間なら命がないところだ。イリナはベッドに押さえようとしたイエッタを、魔力のこもった腕の一振りで吹き飛ばすと、負担の大きい瞬間移動の魔法を表情を変えず唱えて消えた。
だがイエッタは、重要な手がかりを聞き逃さなかった。
『はい、マチュマティ様・・・』
部屋に設置された情報収集機器を回収して、
イリナのつぶやきや表情をデジタルデータ化すると、大急ぎでラングレー家に連絡した。
後は彼女の髪に仕込まれた発信機が頼りだが、
桁外れの魔力を持つイリナが飛んだ先を追跡するには、
人工衛星からの惑星規模探査を行うしかない。
どれほど時間がかかるか、見当がつかなかった。
・・・・・コツ
金とルビーで作られた、恐ろしく長いキセルが、
灰を落とした。
美しい指先が、新しいタバコの葉をつめ、静かに火をともす。
フウーッ
暗い、静かな空間に、紫煙が立ち昇っていく。
豪奢な、王者だけが使える部屋で、
世にも美しいエルフが、一人でいた。
「マチュマティ・・・」
エルフの女王セシリアは、額をわしづかみにすると、美しい銀髪を乱した。
ヴァネーサは、自分の部屋で一人になると、ここに来て初めて、部屋に鍵をかけた。
下着もはずし、全裸になって脚を組み、形の良い胸の前で手を合わせた。
左の乳首の金のピアスがチリンと鳴った。
『大ばあ様、ごぶさたしております』
瞑想と同時に意識のチャンネルをつなぐと、
そこには籐の椅子に人形のように座っている、10歳ぐらいの女性のエルフがいた。
波打つ黒髪と真っ白い肌と黒いレースの妖しい肌着、
閉じられていた暗い闇色の目が、静かに開いた。
『おお、ヴァネーサや、ひさしぶりではないかぇ。』
幼女のようなエルフが、奇怪なまでの年老いた声をヴァネーサの頭に響かせる。
彼女こそ、原始エルフ一族の長老にして、二千歳とも三千歳とも言われる大ばあ様だ。
あらゆる場所から、いかなる障壁も突き抜けて会話する秘儀、
これは原始エルフ一族だけの秘儀であり、
誰にも話すことは許されていない。
ヴァネーサ自身は単なる気まぐれだったが、原始エルフの何人もの男女と関係して、
彼らの一族として受け入れられたヴァネーサは、特別に許されて伝えられていた。
彼女は、特に大ばあ様から気に入られている。
『大変失礼とは思いましたが、大ばあ様にぜひとも教えを請いたく・・・』
『ああ、分かってるよ。それにラングレー王家にはいろいろ借りもあるしねぇ、ふぇふぇふぇ』
みなも言わせず、大ばあ様は奇怪に笑った。
意識のチャンネルをつなぐと、説明していないことでも猛スピードで伝わっていく。
ヴァネーサは、原始エルフたちが、広大なラングレー特別保護区に保護されていることを言ってるのだと思った。だが、大ばあ様は早くもイリナがラングレー王家とかかわりがあることを悟っていた。命ぜられるままに、ヴァネーサは意識のチャンネルをつなげたまま、イリナが飛び出した医務室へ移動した。
ふっと目を閉じると、人形のようなエルフは静かにつぶやいた。
『こりゃあ、かなり厄介な相手だねえ、痕跡をほとんど消してあるよ。
イリナという娘が大事にしているものを持って、こちらへきなさい。』
ヴァネーサは妖精館のヘリで、特別保護区へ急いだ。
イリナは、昨晩と同じ、白いシルクのネグリジェ一枚で、
暗い部屋の中にぼんやりと立っていた。
命ぜられるままに、自分の子宮に張られた妊娠防御魔法を解き、そのまま、美しい彫像のように静かに立っていた。黒い、闇が凝ったような黒いマントとフードをかぶった男が、金の鎖に下げた水晶にささやきかける。
「さあ・・・、あちらの部屋へお行き、お友達が待っているからね。」
水晶の中に封じられた、輝くような銀色の髪がボオッと光り、イリナが、うなずいた。
「はい・・・」
水晶の中の髪は、セシリア・ラングレーの銀髪だった。
親族の強い呪力のこもった髪を媒体に、イリナは意思を奪われていた。
「そうそう、君の意識も、戻してあげよう・・・自分が何をしているのか、
そして、自分の血がどれほど呪われているか分かるようにね。」
冷え切った風のような、憎悪に満ちた声が、イリナを押した。
今は禁呪とされる、ゾンビ.スリープと呼ばれる魔法がある。
眠っている人間を対象とし、
特定のキーワードや条件を満たさない限り、その眠りは覚めることがなく、
ゾンビ同様にパワーが増大し、衝撃や苦痛は感じず、命ぜられた行動か、
欲望のままに動き回る。
さすがに増殖はしないし、ある程度魔法の知識があるものが見れば、
生気の失せたまなざしや、理性のない行動から分かるのだが。
ふっと目を覚ましたイリナは、身体がひどく重いのに気づいた。
拘束具をつけられたような重苦しさが、首と両手首と両足首にある。
「これは・・・封印冠?」
黒い皮を黒犬の血で煮しめ、処女の髪を編みこんで魔法儀式を施した輪は、
つけられると、魔力のほとんどを押さえ込んでしまう。
イリナのように完璧に両手足と首に、五方陣の形でつけられては、
彼女の力もゼロに等しかった。
「なぜ、ボクは、こんなところに・・・、ひっ!」
暗い、窓のない部屋に、獣脂を使った灯明の匂いが漂う。
部屋の隅に、ゆらゆらと立つ10人あまりの人影。
それらは全員男で、生気のない姿は、まるでゾンビのようだった。
ただ死んではいない、それだけは感知できた。
「目が覚めたようだな。」
黒いフード姿の男が、椅子から立ち上がった。
まだひどく若い、16,7歳ぐらいだろうか。
果物とパンとスープののった盆を、がちゃんと置いた。
「食え」
イリナが声をかけても、返事一つせず、暗いドアの向こうへ消えた。
食欲がわくような環境ではなかったが、
とにかくイリナは食べ物を粗末にできない。
粗末な食事を丁寧に噛んで食べ、静かにごちそう様と手を合わせた。
食事がおわってしばらくすると、戻ってきた。
彼女に近寄らず、顔も上げず、ただ粗末な椅子に座り、ゆらゆらと立っている人影にあごをしゃくった。
「そこの連中の向こうに、ここから出る道がある。」
そして、にやりと笑った。
「そいつらを倒すもよし、押しのけるもよし、だが半端なことでは動かぬ。」
一瞬、困り果てた顔をするイリナ、魔法はほぼ完全に押さえ込まれている。
「ただ、そいつらはゾンビじゃないから、満足すればそこからどくよ。」
悪魔が親切げにささやくと、こんな声になるのだろうか。
満足の意味を悟り、赤くなるイリナを憎悪の目がちらりと見た。
そして即座にドアから出て行った。
イリナは、おそるおそる男たちに近づいた。
この手の禁呪になっている魔法のことは、聞いたことがある。
ただ、実際に見るのは初めてだった。
イリナが近づくと、目が動く。
だが自分から動こうとはしない。
本当にこの人たちが感じてくれるのだろうか、と疑念を抱きながらも、
イリナがジッパーを下げ、引き出すと、大ぶりのペニスが出てきた。
『大きいなあ・・・』
ちょっと頬を赤らめながら、
それをくちづけする。びくんっ、
ペニスが震え、一回り大きくなった。
イリナが舐め上げると、たちまち竿のように水平に立ち、
唾液で濡らしながら裏から表から責めると、さらに高くそそり立った。
ぶるっと身体を震わすと、
のろのろと手を上げ、イリナを押し倒し、のしかかってきた。
『う〜ん、ちょっときもちわるいなあ』
空ろな目で、歯を食いしばってペニスをイリナの足の間へ押し込んでいく。
ぎらぎらしてても、Hそうな目つきでも、
意思のある目ならイリナは納得できるが、
こんな空ろな目をした相手とは、初体験だった。
チュク、すでに濡れている花弁に、亀頭があたり、狙いを定めるように動いた。
その時、イリナは気づいた。自分の妊娠防御魔法の結界がなくなっていることを。
「え??、あ、ちょ、ちょっとまって・・ひいっ!」
ズブウウウッ
容赦ない一撃が、一気にイリナの細い裸身を突き通す。
「ちょっと・・いや、やめて・・・あうっ!、あっ、あぐっ!」
バンバンバンバン
凶暴な律動が、イリナをめちゃくちゃに突き上げる。
焼けるような貫通が、中を焦がし、えぐりまくった。力が半端でないのか、イリナの腰を持ち上げ、
空中でのけぞったままの彼女を、突いて突いて突きまくる。
ビリッ、ビリッ、
「ひぐっ!、ひいっ!」
意思にかかわり無く、開発され尽くした身体は、
凶悪な欲望の感触に、強烈な快感を走らせる。
背筋に、腰に、乳房に、
脳髄へとつきぬけ、全身を痺れさせる。
力なく手が男の胸板を押しのけようとしても、そんなものはカが刺したほどもなく、子宮まで突き通される感覚が、意識も理性も白く濁らせていく。
「あぐっ、あっ、ああ・・っ!、ひっ!、ぐっ!、あうっ!、あっ!」
しぶきを上げて突入するペニスに、理性が危険に怯え、押しのけようともがく手と、本能の悦びと興奮に支配されて、次第に絡みついていく脚と、意識も身体も股裂き状態になっていく。
グリュッ、グリュッ、
最奥に突き入れられ、こねまくられる感触が、
もがいていた手を、快感にのたうつ頭に押さえつける。
抵抗すら麻痺し、涙を流しながら、地につかぬ身体が激しく揺れ続ける。
ジンッ、ジンッ、ジンッ、
肉が突き抜ける感覚が、膨張し、制圧する。
それが起こす恐怖が、イリナの身体を震わせ、怯えさせ、
ジュブッ、ジュブッ、ズブッズブッ、ジュブッ、ズブブッ、ジュッ、ジュブッ、
濡れる、絞る、絡みつく。
下腹部が、胎内が、欲望に正直に喜悦し、締め付け、絞り上げた。
「だめ、いや!、だめえ!」
首を打ち振り、髪をかき乱し、身体の奥へ灼熱したものが、
根元まで押し入り、痙攣した。
「いや・・ひ、だめ・・、ひっ!、あ!、ああ!、いやああああああああっ!!」
ドビュウウウウウウウッ、ドビュウウウウウウウッ、ドビュウウウウウウッ、
脚が軋むほど締め付ける。
喘ぐ乳房が震え、
絶叫する喉がわななく。
生々しい男の精液が、
イリナの子宮を襲い、征服する。
『感じちゃう、だめえっ!、感じちゃうううっ!』
歯を噛みしめ、涙を流しながら、快感に服従してしまうイリナに、容赦のない突き上げがめり込む。
ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、
ありったけの性欲をぶちまけ、注ぎ込んでいく。
「ああ・・いや・・だめ・・・やめて・・・」
なきながら、幼子のようにいやいやするイリナ、
締め付ける膣に、わななき歓喜する子宮に、烙印のように焼きついていく。
「他の者も姦ってよいぞ」
ドアのむこうから許可の命令が出る。
ヒクッ
声もなく喘ぐイリナの身体が震え、
おびただしい男性たちは、
己の欲望を満たすだけの存在と化した。
「ヒッ・・・・ヒッ・・・・、」
イリナの美しい裸身は、全身ドロドロにまみれ、
かすかな泣き声が上がるたびに、開いた脚の間から、注ぎに注がれた精液が、
あふれ、逆流する。
もう、数人目からは理性すら失っていた。
無数の男たちの欲望に、快感に、
狂い、乱れ、欲しがり、
自分から次々と跨り、受け入れ、飲み込んでいた。
愛らしい乳房には、無数の歯形や指の跡がつき、
顔から髪まで雫でドロドロに濡れつくしていた。
腿や尻も指の跡や穢された雫がまみれ、光っていた。
「身体を拭くぐらいは許してやるよ」
わずかな水の入った桶と、清浄な2枚のタオルを置いて、
イリナを置き捨てて再びいなくなる。
心が痛い・・・。
彼女の一番深いところにある窓が開かない。
いや、開けない。あの優しい微笑を思い出すのが怖い。
ほぼ不老不死のエルフは、超寿命を誇る反面、出生率が異常に低い。
生涯せいぜい2人、セシリアの3人というのは立派なものだ。
そして繊細な子宮内膜は、着床(受精した卵子が内膜に落ち着くこと)から3日以上たつと、
堕胎に耐えられない。
無理におろさせると、母体が危険な上に、ほぼ確実に二度と妊娠できない。
つまり一度出来た子供は、生むしかないのである。
ハーフエルフですら、堕胎は非常に危険だが、、
異常に血の濃いイリナは、エルフと同じ運命を背負っていた。
『ハンス・・・ごめんなさい・・・』
涙が後から後から、
イリナの頬を真珠のように伝い落ちる。
快楽を止められない自分を呪い、
淫乱でどうしようもないことをハンスにただ謝り続けた。
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