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妖艶なる宴 前編

エマージェンシー!
エマージェンシー!

「きゃあああ!」
「いやああああっ!」

緊急の赤ランプが点滅する中、フューリアス級4番機サフィアの内部は、 悲鳴と、それを打ち消す轟音が反響する。 外的な攻撃や、人為ミスならものともしないフューリアス級飛行艇だが、 なすすべなくきりもみになっていく。

大型リゾート地エレリア群島の妖精館へ、定期的に交代要員の妖精を派遣する、本店の妖精派遣専用機、たまたま乗り合わせていたイリナは、白い歯を必死に食いしばった。

パイロットや妖精たちはベルトでシートに固定されているが、 他のあらゆるものが重力のくびきを離れ、 機内を飛び回る。

『くっ、ハンスっ!』
必死にハンスの笑顔を思い浮かべ、 胸の中にカッと火が点る。

ギシギシギシッ!、バキッ、バキッ!

飛行艇の構造材がついに断末魔を上げ始めた。
『ボクの大切な仲間・・・死なせない・・・、誰も、死なせない!!』

イリアの瞳が赤く輝き、 その額が星のような閃光を放った。

だが、同時に極限の魔力集中が、 全身から傷も無いのに血を噴き出していた。

『ハンス・・・ごめんね・・・』
轟音と落雷の中、 サフィアは力尽きた。



ルフィル国際都市と、エレリア諸島間の航空管制はパニックに陥った。

きっかけはわずかな地殻変動でしかなかった。
それが、数百年に一度起こるかどうかという海底ガス層決壊を起こし、 噴き上げた膨大なガスが、瞬間的に超大型台風並みの竜巻を発生させたのだ。

「直撃を受けたサファイアからの連絡が途絶えました?!」
「レーダーから機影消失!」

怒号と命令が飛び交う中、一群の軍靴の音が管制室に飛び込んできた。

「ER軍である!
 シーナ・ラングレー中将の命により、自然災害緊急対策法第3項を発令する。」

ほぼ同時にエレリアの航空管制も航空軍の指揮下に置かれた。 サファイアを初めとする、被害を受けた各種航空機や船舶、沿岸周域への災害出動が一斉に発動した。

「司令官、ルフィルの妖精館から緊急連絡です。」
「連絡?、捜索要請ではないのか。」
「そ、それが・・・、ほとんどの妖精たちと、操縦士からパーサーまで妖精館の真ん中に転送されてきたと・・・」

ただ一人、イリナ・ラングレーを除いては。




「う・・・」

「あ、気がついたよ」
「おとうさん、おとうさん!」

子供の声がひどく頭に響いた。
身体がきしみ、意識が定まらない。

目を開けると、ゆっくりと視点が合っていく。

つぶらな4つの瞳が、じいっとイリナを見ていた。
よく日に焼けた10歳ぐらいの丸い顔の子供たち。

後ろから、人の良さそうな中年の農夫らしい父親がゆっくりと入ってきた。
濃い色のエプロンとナベつかみに、薬草をせんじた匂いがした。

「ああ、気がつかれましたか」
「あの・・・えっと・・・?」
何かを言おうと思うのだが、何を言っていいか分からない。

「ええと、お名前は?」 いくつかの名前が次々とうかんでくる。でも、どれなのか分からなくなる。
イリナ、ラングレー、クィンス、アンリ、スタンザー

「イリナ・・・イリナ・・・スタンザー・・・でも、あれ?、え・・・?」

最初に浮かび上がったイリナ、そして最後のスタンザーだけが言葉になった。
だが、それ以外の事が、全てぼんやりと霧の彼方にあるようなイメージだった。

イリナは記憶を失っていた。


ここは、ER圏外北方のアーシュツ独立都市群に属する小さな村だ。

飛行艇サファイアの機内全員の転移という奇跡は、 イリナのありったけの魔力を振り絞っても万に一つの幸運だった。
一歩間違えば生命力すら枯渇していただろう。

彼女自身の転移は、その場から飛び出すのが精一杯で、 わずかなずれを修正する余裕すら無かった。
方角のほんのわずかなズレ、それが数千キロを飛んだときに、 彼女を北の海へ落としていた。

これらのことが分かるのは、ずっと後のなのだが・・・。


イリナが氷のように冷え切って、波間に漂っていたのを、ミュミュとチィシャの姉妹が見つけたのだった。

「あたしねえ、お姉ちゃんを見たとき、人魚姫かとおもっちゃった。」
「うん、びっくりしたのー。」

くったくのない子供たちの声に、 思わず微笑むイリナに、父親はぽっと赤くなる。

「バレン、バレンいるか?」
外からひどく甲高い声がした。

あたふたとドアを開けると、細身で銀髪の仕立てのいい服を着た男がはいってきた。
「ほお、こちらがお前の言っていた記憶を失っている女性か」
「はい、ウデラス様。急ぎ都市の方へ連絡をお願いいたします。」
「わかっておる、お前も支払いの期日が近いんだぞ、忘れるな」
うるさそうに返事をしながら、ひどく冷たい目がイリナを値踏みするように見て、そそくさと出て行った。

ウデラスは、このあたりの資産家で代表者でもある。
貧しく通信網が十分整備されていないこの地域では、 都市との連絡や事件などの簡易裁判、天災への対策など、特別に仕切る権利を持っていた。

バレンとその子供たちの、貧しいが温かいもてなしと雰囲気に、 イリナは心から感謝した。

母親を早くに亡くし、イリナに甘えつくミュミュとチィシャが、夜をとてもにぎやかにしていった。

翌日、ウデラスの執事がイリナを迎えに来た。
「イリナさんの“ご家族”から連絡が入っていたそうです、お急ぎ下さい。」

バレン一家との別れすら急かせ、車に押し込むようにして連れ出された。
もし、本当にイリナの家族から連絡が入れば、こんな出向えなどあるわけが無いのだが。


車は連絡があったという都市へは向おうともせず、 山の上にあるウデラスの屋敷へ入った。

「ほお・・・」
農夫の妻が着ていた服は、地味で華やかさは無かったが、 イリナの輝くような美貌は、それでも隠れることは無かった。

豪奢なガウンをまとったウデラスの、 貴族的な顔立ちも、物腰も、ひどく下卑た感じがした。

「イリナとか言ったな。お前の名前を情報関係に照会してみたが、何の連絡も無かった。」
にやりと笑いながら、歩み寄ってくる
「要するに、お前はこの国の人間ではないらしい。」

危険な匂いを感じて、イリナはドアに走った。

ガチャッ、ガチャッ
ドアは無情な音を立て、びくともしない。

「どこへ行こうというんだ、ええ?」
無造作に髪をつかまれ、後ろに引き倒される。
「ひっ・・・!」

豪奢な絨毯がクッションになり、痛みは感じないが、おびえが足腰を萎えさせる。 すそが乱れ、すらりと美しい脚がむき出しになっていた。

その脚をつかみ、逃げようとするイリナをまた引き倒した。
「亡命者か、スパイか?、それとも輸送途中の商品か?」

ビリビリッ

上着が引き裂かれ、形のいいふくらみがむき出しになる。
「ちょっ・・・いやっ!」
隠そうとする手を左手で押さえ込み、 右手で下着をひきちぎる。

イリナの脳裏に誰かの温かい笑顔が浮かんだ、

必死に暴れ、のたうつ彼女に、男の容赦ない平手が飛んだ。

パン、パンッ

ショックで頭がぼうっとなり、動きが止まった彼女の脚をぐいと広げ、 ねじくれた木の根のような陰茎が無理やりに貫いた。

「ひいっ!」
まだ濡れてもいない膣に、ぎしぎしと押し込まれるそれは、 苦痛と悲しみを身体に割り込ませていく。

「ちっ、処女じゃないじゃないか」
泣きながらまだ力なく抵抗しようとするイリナに、 汚い物を見るような目をむけ、忌々しげに舌打ちした。

だが、涙に濡れた目は恐ろしく麗しく、 しなやかな肢体の動きは、目の覚めるような肌の白さとともに、 男を引き込んでいく。

乾いていた膣も、とうとうと愛液をあふれさせ、 本体の意思とは別に男を絡め取っていく。

「くそ、気品ありげだからとおもったのに、一体どこのオス犬にくれてやりやがった。」
ウデラスも忌々しくも甘美な肉体に、思わず深く埋め込み、 さらにかき回しながら、汚らしい言葉を投げつける。 もう、イリナの返答など聞こうともせず、 腰を乱暴に振りたくり、奥の奥まで陰茎を突っ込ませ、容赦なくむさぼっていく。

イリナの名器は、強烈な締め付けと、無数の快感の波をからめつけ、 一気に吸い上げていった。

「うっ、くそ、出ちまう・・・おらああっ!」
「うく・・・・っ!!」

イリナの細い身体が壊れるぐらい腰を叩きつけ、 最奥の場所へ、ぶちまけた。
涙を流しながら、身体を震わせるイリナに、 さらに突き入れ、射精し、何度もぶち込んでいった。

「はあ・・はあ・・」
まだ遭難から回復しきっていないイリナは、 激しい暴行で意識が朦朧となっていた。 ぼろぼろになって喘ぐイリナを一顧だにせず、 ガウンの前を直すと、優雅なベルをチリンと鳴らした。

「お呼びでございますか」
「あの雌犬を下につないどけ」

執事に連れられた、頭の足りなそうな下僕二人が、 裸のイリナの両脇をそっと抱えていく。 あくどい油絵のような風景が壁一面に書かれた、窓のない部屋。

カチャッ

頑丈な黒い首輪が、軽やかな音を立ててイリナの首にぴたりとはまった。
細いがかなりの強度がありそうな鎖が長く伸びている。

「いぬ、いぬ」
下僕たちがニヤニヤ笑いながら手を叩いた。しきりに自分たちを指差しながら。

「ちっ、壊すなよ」
執事は舌打ちすると、手をふって部屋を出た。

「わんこ、舐めてくれろ」
ズボンを下ろし、それをペロンと出した。
どうやら、犬扱いされた女性は、下僕たちも好きにできるらしい。
だが、イリナは不思議と腹が立たなかった。

まるで宝物をさわるように、そっと運んでくれたのは、 ここの主よりはるかにましだった。

「ご奉仕させていただきますね・・・?」
ふと口について出た言葉に、小首をかしげながらも、 イリナはうやうやしくペニスを手に取り、 自然と体が動くままに、異臭のするそれを恐れ気もなく口にした。

「く・・・う・・・なんて、あばずれだ・・」
モニターの中で、美しい妖精が激しく口を使い、手を滑らせ、 下僕たちの興奮を高めていく。

執事は監視カメラの中の痴態に、口汚く罵りながら、 淫らな唇と美貌の蠢きに目を離すことができない。
長いまつげの何と妖艶なこと・・・
愛らしいバラの蕾のごとき唇が、淫らにああも広がるのか・・・
オスの匂いをかぎ、可愛らしい舌先を伸ばし、 恍惚とした表情がみだら過ぎた。

「うぐっ!」
画面の中で白いほとばしりが、イリナの顔中に飛び散った。 ぐったりと椅子にくず折れる執事。

白い肢体が恥ずかしげに広がり、 のしかかる巨体を受け入れていく。
「はんっ、あっ、ああっ、あ〜〜っ!」
げっそりとした顔の執事が、朝の支度をしている頃、 イリナは窓一つない部屋の中で、安らかに眠っていた。

首輪と鎖こそはめられているが、 部屋にはシャワーもトイレも完備し、 下僕たちはこっそりと毛布や果物などを差し入れ、 イリナをまるでお姫様のように大切に扱った。
これまで女性に暴行したことはあっても、 優しく受け入れられたことは無い下僕たちは、 抱きしめられ、天にも昇る気持ちで何度も昇天し、 イリナの魅力にすっかり魅せられていた。

面食らったのがウデラスだった。
やつれてボロボロになっているはずのイリナが、 来た時よりも艶々とした顔色で、 さげすみの視線が昨日の優位をすっかり帳消しにしてしまった。 腹立たしげに革張りの黒い箱を持ってこさせ、 わけのわからない器具や道具を、整然と並べはじめた。

「犬にはしつけが必要だ。これとあれをはめろ」
おぞましい革張りの器具に、恐れより怒りがイリナに湧き上がった。
人をなんだと思っているのか。
髪が逆立ち、身体の周りに火花が走った。
バチッ、バチバチッ、
「まさか魔女か?!」

目が赤く光り、風が窓の無いはずの部屋を吹き荒れる。 イリナは魔力の使い方こそ忘れているが、わきあがる力を容赦なく、ウデラスへ向けようとした。 本気で恐怖したウデラスは、瞬時に悪辣な一手を思いついた。

「や、止めろ!、バレンたちがどうなってもいいのか!」

つぶらな4つの瞳が、ふっと浮かんだ。
風船がしぼむように、怒りが萎んでいく。風が止まった。 そして、見知らぬ私に、温かいもてなしを施してくれた、あの家族に害が及ぶと考えただけで恐れが湧き上がってくる。

「あいつらは借金があるんだ、女房が病気の時に半端じゃない額を借りている。 お前が暴れたり、私に何かあったら、私の忠実な部下達が娘たちに何をすると思う?」

「く・・・、卑怯者」
「ふん、主人に歯向かうとは、なんともしつけの悪い雌犬だ、はめろ!」

おぞましい拘束具は、口に輪をはめ、 両手を後ろに組ませ、ヒザの間にパイプをはめ、 ベルトと皮ひもが身体をからめていく。

そして、目をふさぎ、不安を駆り立てる。

「しつけはまずこれだ」
尻を高く上げさせ、 美しい盛り上がりへ振り下ろす。

パアン

「ひうっ!」
無数の皮ひもをつけた短いムチが、 派手な音と皮膚を叩く痛みを食い込ませる。

音と痛みの割には、ほんのりと赤くなるだけの衝撃しかない。
だが、目が見えないイリナには、数倍強く感じてしまう。

「痛いだろう」

だが、一度叩いた尻をゆっくりとさすり、 痛みの中にじわりと快感が混ざり合う。 もじもじし出す可愛らしい尻に、 「女は従順で男の喜ぶことだけ考えればいい」

パン

「きゃうっ!」
いきなり強めにはたく。

痛みと快感が混ざり合い、苦しげにもじもじする様をにやりと笑った。 赤くはれてきた尻を見て、ふさふさとした尻尾を取り出す。

「犬には尻尾が当然だな」
小ぶりな卵型のローターが根っ子になっていて、振動するそれを、 肌の触るか触らぬかのぎりぎりでゆっくりと、嬲るようになぞっていく。

「う、ううっ、んふっ、んんっ!」
閉じようが無い脚が、ローターの振動に触られるたびに、びくびくと震える。 腿の内側から、花弁ぎりぎりのラインを、 ぴくり、ぴくり、イリナの白い肌が泡立つ様に嬲り、責める。 さらに尻尾のフワフワが、さらり、さらりと尻の張れたところを撫で回す。

ブルッ

思わず身を震わすイリナ、 その花弁がおびただしい雫を滴らせた。

その雫をローターに触らせ、前へ、 滑る先に気づいて思わず逃げようとする。 だが、脚がしっかりと広げられ、動くに動けない。

「ひぐうううううっ!」

もっとも敏感なクリトリスへ、 強烈な振動が触れ、痺れ、のたうつ。 すっとそれを引くと、イリナはがくりとくず折れる。 喘ぎ、力の抜けたイリナのすぼまりへそれがぐいと押し込まれた。

「あぐっ」

ブブブブ・・・

「うぐうっ、うっ、うう〜っ」
『抜いてえっ、いやあっ、抜いてええっ!』

じいん、じいん、と振動が暴れる。
ふさふさした尻尾が、周りにさわさわと当たりまくる。 イリナがのたうっている間に、 大ぶりの男性器に模したバイブレーターを取り出し、 それを前に当てた。

「んふううっ!」
お尻すら刺激にのたうっているのに、 前に振動するものが当てられ、 イリナが跳ねる。

それが、ずるりと、胎内に滑り込んだ。
「XXX!、・・・!!、んぶうううっ!」

のた打ち回る裸身が上気し、血の色を強く浮かせる。
痙攣しかけた尻に、ムチが飛んだ。

パアン

いきかけた意識が引き戻される。 息が止まりそうな快感が、一瞬苦痛にごまかされ、 それが引くとともにまた刺激がジンジンと前後に動き出す。 絶頂に失神しそうな頃を見計らい、絶妙なムチを飛ばし、 快感と苦痛の倒錯に乱し、狂わせていく。

「ひあっ!、あっ!、ああっ!、あうううっ!」
いつの間にか、脚と手の拘束が解かれ、 イリナは節くれ立ったペニスに跨り、必死に腰を振っていた。 散々に高ぶらされ、今にも失神しそうな所まで追い込まれた彼女は、 屹立するペニスに、狂ったように腰を打ちつけ、己の絶頂をむさぼっていた。

「くくく・・・」
下でウデラスがいやらしく笑った。


「まずは、魔力を何とかしないとな・・・」
その後も続けられた激しい調教によって、精根尽き果てたイリナに、再び、目も手も足も拘束し、睡眠薬を投与する。 それを終えると直ぐに、インターホンで執事に私兵による警備強化と執事に何かの調達を指示する。

黒いコネによって2時間あまりで執事に用意させたモノとは、魔力抑制剤である。 魔力抑制剤―――主に魔法を使える犯罪者を結界設備の無い刑務所に収容する際に使用する、投与対象の魔力構築を抑制する薬。―――を念の為に原液をイリナに注射し、ウデラスは明日のいたぶり方を考えながらドアを閉じた。

「魔女か・・・、一筋縄ではいかんな」
一歩間違うと、こちらがまずいことになるが、 そう思った時から、ニタリと、本当に楽しそうないやらしい笑みを浮かべた。

ウデラスは女を調教、堕落させるのが道楽。
それもこれまでは処女に限っていた。 その理由というのが『男ズレした女はすぐ落ちてしまうので、つまらん』 だが、通常の女ではない魔女、 これほどの獲物にめぐり合えるチャンスが、またとあろうか。 初めての獲物に、強烈な興奮を覚えていた。


ウデラスが出てすぐに鍵が開き、下僕たちがのっそりと入ってきた。
あらゆる汚い仕事をさせられる彼らは、実はどの部屋も入ることができる。 ただ、主や執事の命令を聞かずに入るのは、これが初めてだった。

おろおろとして急いでイリナの拘束を解き、 持ってきた湯で、汚された身体をそっと、丁寧にぬぐっていく。 そうっと毛布でくるみ、部屋を出ようとした下僕の手を、イリナの細い手が掴む。

「まって・・・、このままじゃ、おかしくなっちゃう、おねがい」
どんな男もひとたまりも無い潤んだ目が、下僕たちをじっと見つめた。

「んあっ!、あっ!、あふっ、いっ!、いいっ!、あううっ!」
巨体に跨り、野太い陰茎を深く受け入れながら、 後ろからアナルをえぐるペニスにのたうちながら、 イリナは二人の男性のそれに、夢中で快感を満たしていく。

血の通ったSEXの、 身体が沸き踊るような快感と満足、 イリナは上気した顔で、醜い下僕の唇をやさしく吸い、 後ろの男も寄せて、身体を柔らかくひねり、またキスをした。 気が狂うような血の通わぬ快感など、 満ち、満たされる充足するこのリズムに比べれば、何ほどのもない。

太古のリズムに突き上げられ、 狂喜する肉体に笑みを浮かべ、 身体中を滾る絶頂に存分に身を任せ、 イリナは思う存分に達した。

「いく、いく、いくううううううううっ!!」
胎内にほとばしるおびただしい精に、 イリナは歓喜に震えながら、のけぞった。









早朝、ウデラスはドアのロックを解いた。
昨日と同じ姿勢、同じ姿で、 イリナは横たわっていた。


下僕たちと激しく情を交わした後、 イリナが願って、元のようにはめてもらったのだ。 もしばれれば、彼らがどんな目に会うか分からない。

あれだけ責めまくられたあと、一晩放置されたのだ、 もう意地も張りも無くなっているはず。 ほとんどの女は、泣いて足元に身を投げる。

『普通の女ならな・・・』

目隠しをむしりとると、 やつれてはいるが、 力のある意思のこもった目が、きらりと光った。

「ふふふ・・・いい目だ。」
ぞくぞくする興奮が、背筋を這い登る。

『そうだ、この目、折れそうにない意思、いいぞ、これはいいぞ。』

「どうだ、イリナとやら。お前次第では、バレンの借金を帳消しにしてやってもよいし、おまえ自身も解き放ってやろうではないか。」

「私次第では、借金が彼らを殺すということですか」

ウデラスが苦笑した。
選択の余地など初めから無い訳である。
「なに、働いて返せば良いのだ」






ジャラ・・・
イリナは首輪と鎖をつけたまま、 フード付きマントをかぶせられ、 近くの港へと連れて行かれた。 独立領というのは、密貿易中継基地のメッカでもある。 安心できる中継基地が無ければ、 どこへ荷を運ぶのも採算が合いにくいからだ。

そこでは、酒と女は代償に良く使われる手段だ。
ただ、普通は添え物的な意味合いが多いのだが・・・。

「精一杯ご奉仕させていただきます」
ひざまづく極上の美女に、凶悪なボンテージスタイルが、 海千山千の船長すら生唾を飲ませた。 たった一人ということに激怒しかけた船長は、 イリナの香りに囚われ、 優雅なしぐさに魂を奪われ、 己の分身を包み込む快感に、童貞の少年のように興奮させられていた。

チュッ、チュッ、チュバ、
イリナは思い出すままに動いた。
自分が一番したい形を、 相手の喜びを自分のものとする喜びを。

「こんなに、興奮していただけるのですね。」
自然に、自分の喜びが言葉になる。

記憶を失うといっても、 それは本当に無くなるわけではない。 人格が変わるわけでもない。 イリナは自分の中にいる記憶のおぼろげな形に、 心静かに従っていく。

ほおずりされて、 この言葉の快感に直撃されて、 イリナの顔中にほとばしらせてしまった。
だが、その恍惚とした顔。
「ああ・・すごく濃いです・・うれしい・・」
その言葉と表情だけで、船長は魅せられてしまった。 他の船員たちも、 すでに座り込んでしまったやつすらいた。 まるで媚薬の海に叩き込まれたような興奮、 そして、微笑み。

「さあ、遠慮なさらないで、私はあなた方のものです」
群がって突き出されるペニスを、嬉しげにほおばりつかみ、こすりながら、 愛らしい美麗な尻を突き出し、濡れた花びらを震わせた。

グリュッ、
「あっ、はあああんっ!」

生温かい強烈な感触が、しなやかな身体の中を突き刺す。
パンパンパンパン
激しく暴れまわるそれに、上気した顔を振り、 恍惚とした目を男たちに向け、 イリナは悦びと歓喜を身体中で表現する。

「ううっ、でちまううっ」
喉まで飲み込み、吸い上げる麗しい唇。 細いあごが動き、白い喉が激しく飲み込む。 快感が、身体の全てが、そこから吸い出されるような戦慄。 残らず吸い出され、飲み込まれた男が、へたへたと腰を抜かした。

「ああ・・・おいしい・・・」
後ろから強烈に突き上げられながら、 唇に滴る雫を、チロリと舐めるしぐさに、
ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、

一斉に数人の男が、ありったけの精液を放出し、のけぞるイリナを白く穢した。

「はああああああっ!!」
イリナの最奥へ突っ込んだまま、激しく男が痙攣する。
なめらかな腹部が震え、さざなみ立つ。

快楽と満足に蕩けきった美貌が、輝くような色香を解き放つ。

「はっ、はっ、はっ・・・まっ、魔女め、魔女めがああっ!」
はうようにして酒場を抜け出し、出口でヒザを震わせながら、 ウデラスは “心底楽しげに”イリナを罵った。

「クっ、くっ、くっ、くっ、くっ、」
自分が屈服するか、イリナを屈服させるか、 ウデラスは必死に耐えようとした。
だが、落ち着くまでに1時間以上かかった。


「はあっ、あっ、あんっ、ああっ、いいです、いいですわあっ、もっと、もっとくださいいっ」
人形のように跳ね上がる男に跨りながら、 後ろからもアナルを突き刺され、両手にもしごきながら、 イリナは、思うままに、感じるままに、自分の本性を解き放ち、したがっていく。

20人あまりの船員たち全員が、 粉も出なくなるほどに尽き果てたのは、 わずか3時間後にすぎなかった。

車に乗り込むと、ウラデスはつくづくとイリナを見た。
『まさにバケモノ、魔女だな・・・』

首には首輪を、そして鎖で引かれながら、 20人あまりの男と奮闘して、平然と、いや来る前より顔色が良くなっているイリナに、ウラデスは己の気の弱りを必死に押さえつけた。

「ふふふ・・・すばらしいショーだったな。私も興奮してしまったよ。 沈めてもらえるとありがたいな。」

ウラデスの節くれ立った男根は、ぎりぎりといきり立っていた。

「ご奉仕、させていただきます」
わずかな、奉仕という言葉へのためらい。 しかし、恩のあるバレン一家の事を想うとウラデスの機嫌を損ねるわけにはいかない・・・ 数瞬の躊躇いがイリナの心情を物語っている。

身体を折るイリナのマントがさっと剥がれ、 全裸のまま、イリナは車の中でウラデスの股間に顔を埋めていた。 わずかに震える白い背筋、 だが、それだけで、みだらな蠢きが静かにまといつく。

車のウィンドウはわずかな偏光になっているが、 外の光景は異様にはっきりと見えている。

「ん・・んふ・・・ん・・」
声を殺し、意識を潰し、ただ、ペニスへ奉仕を続ける。
光が背に当たる感触、 人の歩く足音、ざわめき、 車の移動する感覚。 じっと隣のトラックからの視線を感じながら、 イリナは顔に浴びせられる感触に意識を沈めていった。

「ふむ・・・なかなかよかったよ。お礼にいい物を見せてやろう。」
丁寧に舐められ、きれいにされながら、ウデラスは、さも恩着せがましく言う。
屋敷の一室、 そこは庭に面したガラス張りの部屋だった。

「うんしょ、うんしょ」
ミュミュが水のツボを一生懸命運んでいた。 チイシャが泥だらけになりながら、雑草を抜いている。 だが、ガラスが偏光ミラーなのか、イリナが顔を向けても、少しも手を緩めようとはしない。

「父親の借金を少しでも減らそうと、一生懸命ご奉仕に来ているのだよ二人とも。」
庭掃除、ゴミ捨て、水くみ・・・
きつい畑仕事の合間をぬって、けなげに、一生懸命に働く姉妹。

地元では名士で通っているウデラスは、姉妹の願いを受け入れて、 『働かせてあげている』のだった。

「くくくく・・・二人のけなげな努力を、無駄にしたくはないだろう。」
そういうと、イリナのマントを再び剥ぎ、 白い汚れた裸身をむき出しにさせる。

「う・・・」
見えないのは分かっている。
でも、懸命に働く二人の少女に、自分の汚れきった身体が怯えを感じていた。

後ろからきれいな乳房を痛いほどつままれる。 ヌルヌルの秘所から、掻き出されたザーメンを顔になすられる。 指先が、唇を割り、その味をイリナは黙って味わう。

自分と、無数の男性の味。
ガラスに手を突く形で、後ろからウデラスが貫いた。
「うぐ・・っ!」

ガラスから、二人の声が聞こえる。
イリナは指を噛み、肉襞をこすりつける姦悪に、声を殺した。

だが、ウデラスはさらに腰を叩きつけ、 細い裸身が浮き上がるほどに突き上げる。

「うぐっ、うっ、あ、あ、だめ・・、いや・・、声が・・・」
「遠慮、することは、無いだろう・・・ええ!」

ズンッ
子宮口をえぐられる。

「あひいっ!」

チイシャがふと首をかしげたが、 また必死で草を抜き始めた。

ガラスにのたうち、胸をこすりつけ、 くねる腰をいやいやと振りながら、 イリナは声を出そうとする狂おしい快感にのたうつ。

爪先がうきあがる。
背筋が何度も痙攣する。

のけぞる身体が、閃光に突きぬかれる。
「く・・・・・だ、め、あ・あ・あ・・・!!」

ドビュウウウウウウッ、ドビュウウウウウウウッ、

イリナの子宮に濃厚な射精感が飛び散り、注ぎ込まれていく。
「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

うめきながら、イリナに何度も突き入れ、中にぶちまけていく。
感じているのに、声を出すことの出来ない現実がイリナを追い詰めていく。



夜中、ぐったりとしているイリナに、 下僕たちが小ぶりなワイングラスを持ってきた。
なみなみと注がれた極上の赤ワインと、小さな薬の包み。
ウデラス秘蔵の年代ものと精力剤をくすねてきたらしい。

飲むと、身体がかあっと熱くなり、元気が出てきた。

「ここなら、声をいくら上げてもいいわね。」

昼間のような気を殺すSEXはまっぴらだった。
イリナを本気で気遣う下僕たちに、彼女も本気で迫った。

「んっ!、あっ!、ンっ!、んうんっ!、んふううんっ!」
肉厚のペニスを口とヴァギナに同時に受け入れながら、 イリナは身体を深くからめ、声を上げて楽しい悦びを心から貪っていた。
次の話
前の話