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ER戦記 第01話 『世界情勢』


周知の事実の如く、この世界の5つの大陸には科学と魔法が存在し、人と神話上の 生物が存在している。その世界で中央大陸の南東に位置する列島にエンパイアリソース (以後 ER)といわれる勢力があった。


ERはER中央管轄区――――Empire Resource社(以後、ER社)が莫大な資金、資源、工業力 を注ぎ込んで建設したルフィル中央管轄区はER社や各管轄区を統括する総帥府が置かれ ているERの重要な地域――――を拠点に活動する超法的企業勢力を 中核とした勢力である。

それぞれの管轄区内には多数の自治領が存在し、ERが連邦制度を持って統治していた。

ERはER社(総帥府)の支配権が及ぶ経済圏、自治領、軍事力の総称であり、 ダイダストリア帝国(以後、帝国)内に存在する世界有数の大企業である 帝国重工( 軍需、重工業、海運、都市開発事業、等を主に )から発展したものである。


帝国重工とは世界のいかなる勢力よりも先進的で信頼性のある火器の大量生産の 成功し、数多くの戦争を利用したビジネスにより莫大な富を蓄えていった。

勿論、強大な帝国重工であっても、ただ富を蓄えるだけではここまで発展しなかったに違いない。

大きな基礎となったのは、野心家であり稀代の策士あった帝国重工3代目総帥が、バルグ共和国との戦争で帝国が 獲得したばかりのルフィル列島を購入したことである。

流石に列島規模になると帝国も難色を示したが、 気候が温暖であるものの帝国中枢から2000kmも離れている上、エルフ、ハ−フエルフ を含む多種属居住地域のため、支配維持が非常に困難と帝国は判断を下し、3大国(ラングレー王国、レインハイム皇国、佐伯国)の 仲介により帝国重工に対して一部国債の放棄と決して安くない金額により列島の支配権を手放した。

もちろん帝国政府内部の懐柔工作が前もって行われたことも忘れてはならない。

帝国重工がまず行った事は都市開発部と社外警備部(後の警察力)の設置である。
施政において簒奪するだけのバルグ体制に比べて帝国重工は民主的で設備投資とインフラ整備を率先して行ったため、ルフィル列島全域 は確実に豊かになっていった。

住民の生活向上に力を注ぐほかにエルフに配慮して、自然保護や都市部での環境保全と森林充実に努力した結果、帝国重工はルフィル列島全土 のエルフ族の信頼を勝ち得るとともに、世界各地の非人類の信頼と協力をも得る事となる。

それらの列島開発の投資資金を支えたのは、各国間の争いを利用したビジネスであった。
優秀な事で知られる帝国重工が生産する工業製品は無限に近い程の需要があったのだ。
明確な企業戦略と巨大な外需に加え、ルフィル列島の開発という巨大な内需は帝国重工を年率23%の発展率に達し、帝国重工を根底の部分から変えていった。

社とルフィル列島の経済規模が拡大すれば膨大な労働人口が必要となり、その膨大な人材要求に対し帝国重工は 列強国で差別対象であったハ−フエルフ等の混血種族の積極的な移民受け入れを開始した。

大規模な移民による急激な人口増加は、帝国重工であっても経済的圧迫となったが、膨れ上がった内需と外需がもたらす巨大 な利益によって致命的状況に達する前に食い止められた。

それどころか、出自に関係無く才幹と成果により出世していく帝国重工の体制に触発された移民者達は労働意欲をかき立てられ、 徐々に国力を底上げしていく結果となった。

ここで重要なのは、安定した国家発展に必要な中流階級の割合が多くなった事である。
また、長命で一定年齢で老化が止るハ−フエルフ等を社員、研究者として迎えた事で他勢力に比べ知識、技術、経験の損失サイクルが遅くなり、更に科学技術の優越を獲得する事となる。

ここまで発展するには多方面から並々ならぬ圧力があったが、帝国重工は膨大な資金力を駆使した政治工作により切りぬけてきた。

だが、経済力で対抗しても過去の歴史を振り返ればに軍事力によって滅ぼされた例が多くある事を熟知していた 帝国重工上層部は事前の計画に従い、3大国の協力の元に独自軍事力の確保に乗り出す。 こうした状況の中、世界各地に支社を持ち巨大複合企業と化した帝国重工は本社機能をルフィル列島に移転してER社と改名し、ルフィル列島の中心地である都市をルフィル国際都市と命名し、その都市を中央管轄区と定め、そこにER最高機間である総帥府を設置し、強大化した社と大国規模に発展した列島全域を統治して行く事になる。



帝国重工がERと変貌し、今にいたるまでの90年の間に3回の世界大戦が起こり世界は5つの巨大勢力によって運営されていた。

第1に通商連合
これは主にリヴァール王国連合を中心に人類国家共同体として成り立っている国家連合である。
最大勢力の人類列強国が中心となって設立されている為に膨大な人口と経済圏、工業力、資源地帯、軍事力を有している。
しかし、繁栄の裏には人類至上主義が横行し深刻な社会問題となっていた。


第2に帝国条約機構(以後、帝国と表記)
列強国の脅威に対抗するために中央大陸にあるダイダストリア帝国を中心として、 その同盟国で構成されている軍事、政治、通貨、司法の統治機構である。
治世は安定しており非人類国家も参入する程に人類と非人類の社会的地位は対等に近かった。 勢力規模は通商連合に劣るが、ERの優秀な兵器の数々で質と数のバランスを取っている。


第3にセヴェロスク連邦
共産主義という資本主義社会とは違う社会形態を行い党選挙によって選ばれる書記長を中心 として複数の共和国で運営されている勢力。膨大な資源地帯とそれを活用した強大な軍事力を誇っているが 厳しい統制経済と民需を無視した軍需により市民生活が圧迫されている。
セヴェロスク連邦は帝国条約機構とは険悪な関係である。


第4に国際連合共同体
通商連合と帝国条約機構の双方の陣営と距離を置き貿易を行い第3勢力として双方貿易で利益を上げていた。 自国の経済規模はそれほどでもないが、多数の経済圏を有している。
中立勢力を維持する必要最低限の軍事力は備えているが、独自の政治的概念から各陣営から供給されている兵器によって編成されている為にとてもアンバランスな編成の軍隊となっている。

第5にER
巨大複合企業から発展したルフィル列島を拠点に、世界各地に進出している独自の経済圏、軍事力を保有する超法的企業勢力。
強力な、経済力、工業力、資源力、人材力を誇り、特に優秀な科学技術を駆使した製品で繁栄している。また、人類、非人類の社会的地位は同じであり、社会・文化レベルでの人類と非人類の種族の交流が盛んである。

これら5つの巨大勢力は時には戦い、和睦し繁栄していった。
そして時は標準暦485年(帝国暦203年)










アルトール・エンシェンバッハ元帥はその手腕で長年にわたって敵性軍事力からERを守るEmpire Resource Force(以後 ER軍)の最高司令官と統合参謀本部長を兼任しERFを支えてきた。

休戦後の変化しつつある世界状況について話し合うために彼は今、セシリア・ラングレーとの極秘会議に臨んでいる。

セシリア・ラングレーはER創設とルフィル列島安定に多大な功績を上げたERを支える3大国の一つのラングレー王国の女王にして、 ER最高権力者である総帥の主席秘書官を務めており、その血筋はエルフの名家中の名家である。

優秀なラングレー一族の中でも238歳の若さにして屈指の実力者であり不老長寿のエルフの証たる長い耳、人間ではなかなか見つけることの出来ない 美しい銀髪、そして整った顔立ちに妖艶な瞳を浮かべている魅力的な女性であった。


「統合参謀本部の見解としましては、先の大戦時にERの支援によって誕生した新興独立国家郡の軍備は訓練不足で装備不十分の2〜4個歩兵師団を常備するのみであります。その状況が続けばゲリラ支援だけに留まらず、通商連合も本格的に介入してくるでしょう。我々も早急に手を打つべきだと判断します。 再びあの地域が通商連合の領土となれば、我が方の軍事的、経済的負担はかなりの額になると判断しております」

アルトール・エンシェンバッハ元帥は要点を的確にセシリア・ラングレーに伝えた。

彼もエルフであり、198歳と若く、優しげで穏やかな外見からは想像できないが実戦からのたたき上げの実力派将官である。気品と礼節を忘れない彼は、男女問わず慕われておりERに属する人からは 「アル」と親しく呼ばれていた。

会議室でセシリア・ラングレ−は魅力的な足を組替えながらアルト−ル・エンシェンバッハの問いに答えた。

「アル、心細いときには貴方ならどの様に対処します?
 やはり、仲間を集めるでしょう」

「仲間…つまり、セヴェロスク連邦と国際連合共同体は現段階は無理として、
 通商連合内部や新興独立国家郡に何らかの工作を?」

「ご名答、情報部は今、新興独立国家郡の体制が安定するまで、
 通商連合内のある地域を反通商連合にしようと画策中なの。
 ただ気になるのはセヴェロスク連邦の動き。

 彼らの領地拡大政策は留まるところを知らないから、
 その状況に応じて必ず何らかの行動を起こすわ。
 そこでERとしては貴方と同じ考えで、それなりの規模の軍事顧問団を早急に、
 新興独立国家郡に送りゲリラ討伐の支援と治安回復を図ろうと考えているの。

 …規模としてははこれくらいが妥当だと思うけれど、どうかしら?」

艶やかに首をかしげながら、鞄の中から分厚い資料をアルトールに手渡す。
セシリア・ラングレ−が提示した書類には必要な規模の軍と補給物資が書かれていた。
F・H装甲軍(フェルト・ヘルンハレ)、第6航空軍、そして起こりうるであろう作戦に備えた物資の量を示す数字の羅列。

F・H装甲軍とは、前の戦争で帝国領に進入した通商連合軍に対し、獅子奮迅の活躍をしたER中央管轄軍の精鋭部隊の事である。F・H装甲軍は、A、B、C、Dの4つの増強装甲師団(合計すると通常の5〜6個装甲師団の規模)に分かれており最新型の戦闘車両を主要装備とした強力な地上軍であった。

第6航空軍はER支配圏のなかで帝国領域に最も近いバグラ−ド地域を担当する航空集団であり、主要装備は殆どが新鋭機であるF-15S/MTDで占められており、派遣される地上軍と比べても恥じる事の無い強力な陣容である。

「予算については保証できるわ。
 時間は余り無いけどビジネスも考慮して、できるかしら?」

「給料分は働いてみせますよ」

「では、アルト−ル・エンシェンバッハ元帥、詳細は後の指令書によって報告します」









セシリア・ラングレーは今、通商連合と帝国・ER連合との戦争の終結に伴い、外交団の責任者として各国を飛び回っていた。 主な行き先は大戦時にERの支援によって誕生した新興独立国家であり、主要随伴員として軍政に長け、優れた話術を誇る佐伯正樹大将が同行していた。

最初に到着したローグ王国での彼らの仕事はリヴァール王国連合から独立したローグ王国との戦略的結びつき強固にする事である。

セシリア・ラングレーと佐伯正樹の人柄を高く評価しているミール・モーリス首相との会談は極めて友好的に終始した。

通商条約、安全保障条約、エルフ社会進出平等を謳った特別法すらもローグ政府は快諾して締結すると、ER側から征海型巡洋艦2隻、葵級護衛艦12隻の無償供与を行い、ローグ海軍は強力な護衛艦隊を保有する事となった。このうち、特別法は人間中心社会の崩壊を招くとして通商連合を烈火の如く怒らせたが、ミール・モーリス首相は内政干渉として無視した。


帰国して総帥へ報告、2日の打ち合わせを終えてセシリア・ラングレーは再び佐伯正樹大将を伴い、 独立した国家の中で最もエルフが多いフェリス氏族連合の元へ向かった。

フェリス氏族連合の代表者であるエル・フェアーリス総裁は、
人間とエルフの友好の証たるハーフエルフである。

ラングレー王室の屈指の実力者であるセシリア・ラングレー自身が赴いての誠意ある交渉は、エル・フェアーリス総裁、しいてはフェリス氏族連合から好意的に受け止められ、交渉全体はスムーズに進み、経済援助条約、通商条約、安全保障条約を締結に成功する。


フェリス氏族連合の首都を立つ夜、ER外交団が泊まるホテルにエル・フェアーリス総裁を初めジェイムズ・フォークナー国防相が秘密裏に訪れていた。

ジェイムズ・フォークナー国防相は挨拶もそこそこに話しを切り出し始めた。

「フェリス氏族連合は今、国外に重大な問題を抱えています」

「重大な問題とは?」

フェリス氏族連合との交渉に赴く前に詳細な政治、経済、軍事情報を入手しており、どのような問題か分かり切って いながら佐伯正樹大将はとぼけてみせた。
このあたり駆け引きによって、相手の口から問題を切り出させる話術はセシリア・ラングレーすらも舌を巻くほどの冴えぶりである。

話術に誘導されるように、核心について話し始めた。

「ゲリラです。
 実態はリヴァール王国連合統治時に恩恵を受けていた、
 親リヴァール裕福階級に属する人々や鉱山管理者や農園管理者達が率いる私兵です。
 性質の悪いことに彼らが明確な証拠はありませんが、
 リヴァール王国連合軍からの武器援助を受けているようなのです」

「つまり、我が軍がフェリス氏族連合軍に力を貸せという事ですな」

佐伯正樹の返答に対し無言でエル・フェアーリス総裁、ジェイムズ・フォークナー国防相が頷く。

「分かりました。大規模な正規軍の投入は出来ませんが、
 武器弾薬の援助と軍事顧問団の名目でF・H装甲軍から抽出した、
 1個増強師団と1個航空軍の派遣を行います。
 また、貴軍の作戦指導のために優秀な将校を30名ほど派遣します。これで如何でしょう?」

セシリア・ラングレーは佐伯正樹の言葉に続くように強力なカードを切ってみせた。


ERは建国以来、他国の戦争に干渉する際には軍事顧問団として派遣し、主に帝国領域やER周辺国家に派遣され、戦争や紛争の火消し役として1世紀以上にわたり活躍していた。

軍事顧問団は契約によって派遣先の軍の指揮下に入るが、総指揮権はERFの将校が担当していた。 つまり、表向きは派遣先の軍の一部として行動しているが、ERFから派遣された部隊の指揮権はERFが行う形式を取っている。これもERの長年の国際政治感覚により、得られた知恵のひとつであり、これにより相手国に宣戦布告することなく軍事的に支援できたのである。また、軍事顧問団は貴重な実践経験をERFに積ませる意味においても重要な意味を持っていた。

セシリア・ラングレーの返答にエル・フェアーリス総裁、ジェイムズ・フォークナー国防相が安堵の表情を浮かべた。


その後、ルーベル帝国、リメル共和国、ルマール、イシュタルなどの新興独立国家との会談に臨み、それぞれ通商条約、安全保障条約の締結に成功する。

外交任務を終えて本国に戻るためにセシリア・ラングレーと佐伯正樹が外交官専用機で飛んだ。
ER支配圏に到達し、飛行を続けていると眼下には、首都ルフィル近辺にある美しい森とそれに囲まれた透き通る透明度を誇るルフィニア湖を見え初めた。

佐伯正樹大将はルフィニア湖を見つめながら、セシリア・ラングレーに対して話し始めた。

「この時期に各地の新興独立国家に回って安全保障条約を締結するのは、
 通商連合の軍事工作を防ぐだけではなく、休戦によって生じた過剰な兵器類をばら撒いて、
 経済の他に軍事でもERと新興独立国家郡との関係をより強固にしようと考えているのですな。
 さしずめ…新興国家共同体なるもの構想ですか?」

「なるほどね…総帥が貴方を主要随伴要員に推薦したのは、
 軍事担当専門家だけの理由で無いのが良く分かったわ」

セシリア・ラングレーはしみじみと呟いた。









セシリア・ラングレーの各国訪問後、各地で内乱が続発した。

フェリス氏族連合領内では、フェリス氏族連合政府に反抗するリヴァール王国連合から支援を受けた 武装ゲリラが一斉に蜂起、国土の60%がジャングルと言う特異な地形を駆使して一時は勢力を拡大し たが、ERから派遣された軍事顧問団の本格的介入により、状況は激変した。派遣された軍事顧問団 の指揮を取っているのは、リヴァエラ・フェリシス上級大将である。彼女はエルフの特徴である長い耳の他に褐色の肌を持っていた。

そう、彼女はダークエルフであり、しかも、その血筋はダークエルフの発展に多大な功績を成した伝説の暗殺一族である フェリシス家の一員で、正規戦と不正規戦の双方に長け経験豊かな将軍でもある。

彼女の指揮は卓越していた。人民に溶け込み、神出鬼没の戦いを行うゲリラに対しては 正規軍で通用した方法が通用しないことを熟知していた。そしてゲリラとの長期にわたる消耗戦が行われた際、民間生活レベルの高い方が不利になる事も過去の歴史や戦史から知り得ていたので、可能な限り無駄を減らし地味だが確実な方法で対処していった。


まずは、戦略村構想の実施である。

戦略村構想とは、孤立した集落を村単位で統合し、防御陣地で囲った地域へ移住させる事である。移住を拒む村もあったが、野戦病院が設置されゲリラや魔獣の襲撃を防げる治安の安定した地域という事を説得されると移住を拒んでいた村も相次いで指示に従った。

成功の理由は警備自体をER軍が執り行った時点であるだろう。
犯すな、殺すな、奪うな、を兵の末端まで厳守させている事を広く知られているのも助け舟となった。それでも移住を拒む村が若干あったが、過半数が移住が終えた時点でリヴァエラ将軍の目的を達していた。

資金や武器はリヴァール王国連合や支援者から受け取っていたゲリラであったが、補給上の問題から食料、生活必需品は近辺の村々から調達していたので、数多くの村々との接触を絶たれた事は大半の補給拠点を失ったと同意語であった。

ER軍が防備を固めた各戦略村に攻撃を仕掛けたゲリラ部隊は、付近の基地から駆けつける重ガンシップや戦闘爆撃機によって強烈な洗礼を浴びる事となった。


その一方でERはゲリラが協力を拒んだ有力者に対して暗殺や爆弾テロそして略奪を行った事実を中立国メディアを通して全世界に公表。

リヴァール王国連合もテロ支援国家とレッテルを貼られるのを避けるために、ゲリラに対する支援を打ち切る。ここには、リヴァール王国連合とERとの密約があった。今ここでフェリス氏族連合から手を引けば、このゲリラを結び付ける最有力な証拠と、フェリス氏族連合領で行おうとした、その他の作戦計画は公表しないと…

これによって、ゲリラの各部隊は次第に隔離され遊離された状態になり、
徐々に徐々にと辺境に追いやられていった。

リヴァエラ・フェリシス上級大将によって追い詰められたゲリラは彼女に対して暗殺者を差し向けるが、リヴァエラ自身、高度な魔力と高い格闘能力を有する元・暗殺者であるために、彼女を襲撃した暗殺者は自決することも封じられ全て生きたまま捕らえられた。

フェリス氏族連合領辺境に追いやられ、万策尽きたゲリラ各部隊は、軍事顧問団とフェリス氏族連合軍の激しく容赦無い攻撃と追跡を受け続ける。
激しい攻撃を避けるよう後退しつづけたゲリラ達は驚愕した。

そこにはリヴァエラ・フェリシス上級大将に命じられた、防御戦闘に定評のあるユーリー・カリウス大佐が指揮する部隊が既に展開を終えていたのだ。リヴァエラは手薄な個所をあえて作ることによって、敵を意図する場所に後退させ完全に半包囲の罠に誘い込んだのである。
ゲリラ達は絶望的な戦いを2日戦い続けた後に完全に包囲され全滅した。

ルマール国では赤軍パルチザンが蜂起。ルマール軍はERから派遣された軍事顧問団の他に近辺のリメル共和国、イシュタルからの援軍を得て、セヴェロスク連邦が介入する前に赤軍パルチザンを苦戦しながらも全滅させる。

そして、半年の歳月が流れた。
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