■ EXIT      
成人の儀


アリシアの為に執り行われている成人の儀は佳境を迎えようとしていた。
夢魔族の女王リリス・レンフォールの次女、アリシア・レンフォール。 聖女と謳われ、国民から人気の高い彼女にも、成人の儀を受ける日が来たのだ。

夢魔族の掟の一つ。
個体数の少ない夢魔族は次世代を担う子供達を守るために成人の儀を終えていない者は、家督上位者として定められている者の命がない限り戦場に赴いてはならないと 定めている。

アリシアには辛い思い出がある。
敬愛する姉が戦地で戦っている時にも関わらず、家督上位者が身近に居なかった為に 、助けに行く事が出来なかった。

種の保存に関する掟は、王族であっても絶対だ。


アリシアが1日でも早くなりたかった成人。
しかし、「成人」になりたくても、アリシアにとっての「成人の儀」は 恥かしさと緊張で満ちていた。

夢魔族にとっての「成人」とは、少年から男へ、少女から女として移り変わった証を アルマ教の縁の場所にて証明すること。 すなわち…男性ならば、異性の胎内に、自らの命の素(精液)を注がなければ為らない。 そして、女性ならば、己の秘裂に異性の肉塊を受け入れ、胎内に命の素(精液)を満たすことだ。
そう、命の継承に取り掛かることこそ、成人としての証である。


身近な異性、もしくは神殿娼婦か神殿男娼がこの行事を支えることになっている。


夢魔族の大半が性に奔放で開放的だが、アリシアは例外的だった。
同族の女性達が当然のように、高い露出度を誇る服を着る中で、アリシアは控えめな服装を好んでいた。異性の手を繋ぐだけで真っ赤になるぐらいに純情だったのだ。

そんなアリシアであったが、辛い思い出を繰り返さないためにも、勇気を振り絞って成人の儀に立ち向かったのだ。










清らかな絹布のシーツの上に身を投げ出し、儀式の準備でアリシアは身悶えていた。
絹の手袋と絹のニーソックス以外は何も身につけていない。普段ならば高濃度の魔力操作時でも無ければ同時に展開しない、夢魔族に連なるリリムの証である角、翼、尻尾が具現化していた。

儀式中は負担が大きくても本来の姿で行うのが成人の儀での慣わしだ。

羞恥のあまり涙を浮かべ、心が折れそうになりながらも、慣れない手つきで必死に自慰を行い続けて受け入れる準備を整えていく。

『み・・・見られている。 恥かしいよぉ〜 』

髪を割って突き出た耳は羞恥で震えていた。赤らむ頬、熱を帯びて潤んだ瞳。
そんなアリシアを見つめていた少年は見惚れていた。

「綺麗です・・・アリシア様・・・」

緊張と興奮の中、心からの賛辞を送った。
彼の名前はサイ。幼少のころからアリシアに付き従っている執事であった。 アリシアにとってサイは母リリスが連れてきた、異性で始めての遊び相手でもあり、今では最も気になる男の子。

彼もアリシアと同じように夢魔族の証を展開していた。

男性の夢魔族は女性と比べて個体数が少ないにも関わらず、アリシアと同じように成人の儀を受ける年齢になっても童貞という希少性。大抵の夢魔族の女性の場合は、人族、エルフ族などが相手になる。

サイが童貞なのは、外見や性格が悪くて彼女が居ないわけではない。
むしろ女の子に見える綺麗な容姿と、気配りの効く性格だから女性陣から非常に高評価である。 儀式適齢期に入ってからは、成人の儀の相手として数多くの要請があったが、彼はすべての誘いを丁重に断ってきた。

サイはアリシアに惚れてしまったからだ。
リリスもサイを気に入っており、アリシアと 引っ付ける積もりで色々と動き回っていた。 そのお蔭か、初心なアリシアもサイを異性として意識するようになっていた。


好意的に意識するサイからの熱い視線に、愛撫と媚薬によって 点いたアリシアの情欲の火が徐々に煽られていく。

「サイぃ〜  そんなに見ないでぇ・・・はぅ・・・・」

サイの熱い視線に当てられたのか、指の動きに合わせて秘裂が、じわりじわりと今までよりも高い熱を帯びていく。 ぎこちなかった指の動きも、時間と共に滑らかになっていく。

指で執拗に弄られている秘裂とクリトリスに張り巡らされている快楽をもたらす神経網が 焦れったい程の熱さをアリシアに与えていた。
むろん、これはサイの視線やアリシアの指だけの効果ではない。

儀式前に飲んだ飲み物が原因だ。
少量の媚薬効果がある飲み物なのだが、リリスがこっそりと違う媚薬と摩り替えていたのだ。
そう、徐々に効果を増してゆく非常に強い媚薬と摩り替えていたのだ。

成人の儀においては、相手の了承を得るまで、女性に触れていけない。
サイの肉棒は限界まで硬くなっていた。

『サイの…立派…はっ入るかなぁ…でも、やらなくちゃ!』

アリシアは決意した。

「サイ…お願いします…」

「うん…判った」

サイは事前の座学で学んだ処女対策にしたがって行動を始めた。
アリシアの体勢を 膣の位置が確認しやすく、また膣口が開き挿入しやすい脚をM字型の体勢にする。 普段のアリシアであったならば、挿入に適しているとはいえM字開脚は羞恥の余り無理であったであろう。

しかし、成人になりたい強い想いと、媚薬の効果によって開放的にアリシアは若干の抵抗を見せただけであった。 体勢の変更を終えるとサイは安心させるためにアリシアに微笑みかけた。 そして、愛液で十分に濡れているのを確認すると、小陰唇と膣に小指を挿入して、 膣の正確な位置を指で確かめながら優しく愛撫して膣を徐々に慣らしていく。

「痛くない?」

「…大丈夫……」

小指から人差し指に切り替えて、 膣口を穴を慎重に掘り進んでいく。膜を確認して指を引き抜くと、慎重に位置を確認しながら、ペニスをあてがう。

濡れに濡れていた秘裂にサイの反りかえった男根が触れると、アリシアの体中に 甘い痺れが広がっていく。

『ついに入っちゃうんだ…サイのが…やっと…』

意を決したサイは、アリシアの痛みと出血を最低限に和らげる為に、 素早く挿入した。

「っ!!」
『痛っ…でも、我慢できる…』

アリシアは突然の痛みに声にならない空気の塊を口から吐く が、サイの背中に回していた両腕の力を強めただけで、一つは泣き言は言わなかった。 破瓜の証、血と愛液が入り混じった赤い染みが、結合部の真下にあった絹布のシーツに出来上がる。

「奥まで入ったよ。良く我慢できたね」

「サイだからぁ…我慢できたの。これでやっと…嬉しい…」

この喜びは成人の儀の峠を越えた事ばかりではない。
サイと一つになれた喜びも含まれていた。

サイはアリシアの緊張がほぐれるまで、動かずじっとしていてた。アリシアが口を開く。

「ね…キスして」

「緊張で順序が逆になったね」

サイは照れながらアリシア顔に唇を近づける。
サイは挿入部分が出来るだけ動かないように心がけながら、優しく口付けを行う。 初々しいフレンチキス。アリシアとサイの心に暖かいものが広がった。


挿入時の緊張が解れ、アリシアの体から力が抜けて来たのを確認すると、 サイは膣壁や処女膜に負担をかけないよう、膣と平行にゆっくりと振動だけ伝えるように動き始める。

童貞とは思えない落ち着いた動作と理論的な手順は、大好きなアリシアの痛みを最小限に抑えたい一心から の心配りだ。

「あ…なんだか…奥が熱いの…」

破瓜の痛みは和らいでくると、今度は体の中から湧き上がってくる熱に 悩まされ始める。 夢魔族としての素質と、リリス特性の媚薬の効果が アリシアに今まで感じたことの無い衝動を感じさせてきたのだ。 無意識のうちに腰が動く。サイが送り出している振動に、アリシアの神経網が反応し始めたのだ。

「無理は駄目だよ!」

サイは心配になって声をかけるが、アリシアの動きは弱くなるどころか、徐々に強くなっていく。 振動に脚を震わせ、声をくぐもらせる。

「い…いいの…へっ…平気だからぁ」

可愛らしい声に、普段では感じることの出来ない、何とも言えない艶が入っていた。 アリシアが夢魔族の少女から女としの階段を上り始めた瞬間だ。

アリシアの腰使いを止める事は誰にも出来ない。
「サイ、サイ、サイ、サイ、サィ〜」

「アリシアっ! そんなに激しいとっ!」

「だ…出して、出してぇ…中っ…にぃ…」

優しい腰使いは、時間が流れるにつれて、パン パン パン パン、と激しく腰を打ち付けるような音が響くような 激しいものに成り代わっていた。淫靡な音を立てながら少女の肉穴が、サイ の亀頭を生暖かい粘液と共に優しく包み込む。

徐々に高まる精射欲求に働きかけられ、サイの腰使いも激しさを増していく。

「で、出ます!」

鋭い吸引感、硬く強張った肉棒の先端が、アリシアの柔らかな膣奥に触れると、 感極まり、膣内の奥に精巣に溜まり溜まった己の精液を注ぎ込む。

「命の素が・・・中にぃぃ!
 何かが来るっ! あっ
 あ…ああああああああっっ!」

尿道を駆け巡っていく熱い粘液質の奔流が快楽と共に 迸り、白い渦となって少女の子宮の中を一杯に満たしていく。 二人は閃光のよう弾けた甘い快楽にビクン、ビクンと痙攣しながら初めての余韻に浸り始めた。気怠くも、心地よい充実感に満たされながら……



精射からどれだけの時間が経ったであろうか。
二人でベットの上で横になってお互いの温もりを感じあっていた。

「…さっき…アリシアって呼び捨てで呼んでくれた。嬉しかった・・・
 だから…こっこれからは、ベットの上では『様』付けないで呼んで・・・ね」
アリシアは恥ずかしながらも告白ともいえる内容を言った。

「わ…わかった…あっアリシア…」

アリシアに負けず劣らず純情なサイも恥ずかしながらも応えた。 言葉と心を交えた会話はお互いの距離を限りないほど近いものに変えていた。

僅かな沈黙。
それは不快なものではなく、ゆっくりと流れるの時に身を委ねる様な 心地良いものであった。

アリシアは、決心と共にその沈黙を破る。

絶頂を迎えたアリシアは余韻に浸ろうとするが、切なげな吐息と共に懇願した。

「ねぇ…私…まだ体が熱いの…」

アリシアは想いの人と感じる女の喜びに目覚め、その感動を再び感じるために 、最初の時と同じ体勢になってサイに懇願した。

「お…
 お願いしますぅ…

 アリシアの…ここに…
 あ…貴方の…お…おちんぽ…い…入れて下さい」

荒い呼吸と共に紡ぎ出されたその言葉。切なげな吐息のように小さかったが、男を惹きつける魅力に満ちていた。 サイの若い男根は見る見る元気を取り戻していく。



アリシアの決意に応えるべく、サイは再び動き出す。

「アリシア…いくよ!」

「はい!」

アリシアの嬉しそうな言葉は、少女そのもの響きであった。

精液と愛液によって濡れていた秘裂に再びサイの男根が触れるだけで アリシアの体中に快楽の波が広がっていく。

再び挿入されるサイの肉棒。その衝撃に脚を震わせ、声をくぐもらせる。
しかし、アリシアの声は決して苦しそうではなかった。

そして、アリシアもサイも知る由も無かったが…リリスの媚薬はこれからが本番であった。
アリシアとサイの成人の儀は翌日まで続くことになる。










「ふう…夏のイベントに向けての原稿も大分出来たわ♪」

リリスは一息つくためにペンの動きを止めて、侍女に紅茶の用意を命じた。
書斎の隣にある画面を見つめながら呟く。

「ふふっ…
この調子だとアリシアちゃんの成人の儀は明日まで続くわね〜♪
二人とも頑張ってるから質の高い映像コレクションも増えて嬉しいし、アリシアちゃんが子供を授かる可能性もある・・・
ほんとっ、私の趣味って一度で二度美味しくて非の打ち所の無い素晴らしいものね」

アリシアやサイの知らないところで暗躍するレンフォール国の名君にして迷君の女王リリス。
彼女の善意有る悪巧みは、知らないうちに仕掛けられていく…
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