裏町の新参者
カーリは後をつけてくる気配を感じ取っていた。
チンピラだろうか。気配を隠しているつもりのようだが、彼女にはまるわかりだ。
この辺りは彼女が知る組織の縄張りだが、組織ではない。
顔を見ると知らない顔だったし、連れ去った後にすることも、欲望にぎらつく目を見ればすぐにわかった。
連合圏から弾かれた元マフィアか何かだ。
女を食い物にすることしか考えていないような男たちである。
彼女はそれをよく知っていた。
余所者にこういう真似を許すわけにはいかない。
幸い人数も少なく、そう時間をかけずに叩きのめせるだろう。
人気の無い路地へ入り込むと、気配が動いた。
素早く背中から襲い掛かってくる。
即座に振り向き、男が持っていた黒いナイフらしきものを手で弾き飛ばす。
バチッ
「つっ!?」
予想外の痛みがあった。
それは全身を駆け抜け、筋肉を弛緩させる。
カーリはそのスタンガンという武器を知らなかった。
「くっ・・・」
「馬鹿が、スタンガンの前に手ェ出してきやがって」
下劣な笑いがある。
なんとか身体を動かして大通りに逃げようと試みるが、動きが緩慢になっており、這って進むしかない。
「まだ動けるのかよ」
男は無造作に近付き、カーリの白い首筋に黒いものを再び押し当てた。
「いぎっ!!」
悲鳴を上げて、彼女は意識を失った。
意識が戻る。
まだ、身体が痺れていた。
というよりも、麻酔でも嗅がされたのか、意識が朦朧とし、正常な思考ができない。
「う・・・」
目が開く。
ぼんやりとブリキの屋根と骨組みが見えた。
その視界に1人の男の姿が入る。
即座に意識がはっきりとする。
あの、カーリを妙な道具で襲った男だ。
「お目覚めかよ」
その男が声をかけてきた。
「くっ――――っ」
身体を動かそうとするが、ほとんどいうことを聞かない。
「クックック、無駄だぜ。クロロホルムを嗅がせたんだ、そうそう動けねえよ」
カーリは歯軋りした。
こんな男に不覚を取るなど、屈辱の極みだ。
同時に、これからされることに身体が期待し、意思に反して身体の奥が疼いてしまう。
服を脱がされ、全裸になる。
レイプは何度も経験した。
だが、最初の理性のあるときだけは慣れることができない。
身体の示す期待に恥じてしまう。
もう、どこをどうされようが、できることはされつくした身体だというのに。
「ひぃっ」
いきなり股間を触られ、小さく息を呑む。
「なんでぇ、もうヌレヌレじゃねえか。この淫乱女が」
男が言った。
その言葉がさらに羞恥心を掻き立てる。
「お、先にやってんな」
ブリキの小屋に、2人の男が入ってきた。
最初の男はそれなりの体格で筋肉質だったが、後の2人はやや小柄なのと、丸々と太った男だった。
「たいして触りもしねえのにもう濡れてやがる。真面目そうな顔して、かなり数こなしてるぜ」
「へっ、メス犬が。どこの国でもエルフはエルフだな」
リヴァール王国連合の領域から来たことを示す偏見に満ちた言葉。
連合の一部では、国家を挙げて他種排斥運動が行われている。
人間以外は、基本的に皆奴隷だ。
侮蔑する言葉に、カーリは身体が興奮していくのを感じた。
「入れた瞬間に逝っちまうぞ、見てな」
さげすむような言い方にゾクリとする。
男たちも裸になっていた。
これから、それぞれ犯す気だ。
頭では何とか身体を動かして、両足を抱える男から逃れようとしていた。
だが、身体が言うことを聞かない。
犯される快楽を望んでしまっている。
「や、やめ、あひぃっ!」
ずぶり、ずぶり、といきり立った肉棒が肉弁を掻き分けて入ってくる。
身体が快感に震えた。
同時に、理性がドロドロに溶けていく。
「ふ、太いぃ、あぁっ!」
子宮の入り口を突付かれ、電気のように身体を駆け巡る快感に軽く達してしまった。
ビクン、と身体が痙攣を起こす。
「ほらな、淫乱なメス豚だからな!」
と、男はピストン運動を始める。
だが、一番欲しい所への刺激がない。
「あぁ、あぁぁ、だめ、お尻が、お尻が切ないのぉ!」
カーリは早くも劣情を訴え始める。
最近はご無沙汰だった強姦に興奮しているのだ。
「ケツにほしいんだとよ、お望みどおり、ぶち込んでやれ!」
気の強そうな、ハスキーな声がねだるのを聞いて、男たちは興奮した。
「へっへっへ、マジでメス豚だな」
繋がったまま身体を入れ替え、後ろからアナルを貫かれる。
「あひぃっ!」
カーリの上げる嬌声がひと際大きくなり、ペニスの締め付けも強くなった。
ぞくり、と背中を快感が突き抜ける。
「じゃあ、俺はこっちの穴だな」
最後の男は髪の毛を掴んで彼女を振り向かせると、欲望の詰まった剛直を必死で喘ぐ口に捻じ込んだ。
「ふぐぅぅ!」
また、快感が背筋を駆け上る。
濡れた音が激しくなり、小屋の中はピンク色の香りでいっぱいになる。
「出すぞ、出すぞ、そらっ、孕んじまえ!!」
濁りきった欲望が子宮を直撃し、カーリはくぐもった声を上げて痙攣した。
「うっ、すげえ、俺も!」
「うおおっ!」
後の2人も、急に強まった締め付けにたまらず彼女の体内に欲望を迸らせる。
彼女は3人分の欲望を受け止め、飲み込んだ。
息をするたびに鼻腔をくすぐる男の匂いが、彼女の脳を犯していく。
「まだ物欲しそうにヒクついてやがる、待ってろよ」
いったん身体を離した筋肉質の男が、小屋の奥から注射器と薬をいくらか持ってきた。
「もうそれ使うのか?」
「記念すべき最初の獲物だ、派手に壊してやろうぜ」
カーリの腕を取り、男は注射器の針をその血管に刺し込み、内容物を残らず注ぎ込む。
そして、自分や仲間の腕にもそれを注入した。
「こいつはな、最高にイける媚薬だ。男でも、女でもな」
口がまだ塞がれているので返事はできないが、期待に胸が震える。
そして次第に、目の前が赤く染まっていくのを感じた。
獣の饗宴。
カーリの豊かな乳房が激しく揺れていた。
男たちのペニスが一回り大きくなったように思える。
もちろん、快感、密着感は数倍に増していた。
カーリの細く引き締まった腰に、一回り大きくなって血管が浮き出ている肉棒が激しく叩きつけられる。
「ふうぅぅぅぅんっっ!!」
激しい行為に痙攣し始める彼女にもお構いなしで、ただ男たちは快楽を貪るためにそれを続ける。
彼女も、快楽に蕩けきった顔で必死に彼らの獣欲に応えた。
3つのピストンがエンジンのように暴れ、彼女の身体を蹂躙していく。
「うおおおっ!!」
ブリキの小屋の中に咆哮が轟き、ガクガクと痙攣し続ける彼女の咽に白濁した体液を迸らせる。
カーリは無意識にそれを飲み込み、胃袋へ流し込んだ。
「ぐおおおおっ!!」
子宮にも熱い欲望が吐き出された。
膣が収縮して硬いペニスを締め上げ、尿道に残っているものを残らず搾り出す。
「おおおおおっ!!」
3つ目咆哮が上がり、直腸に子種が吐き出される。
「んむぅぅぅぅっ!!」
焦点の合わない目が虚空を彷徨い、ひと際大きな、くぐもった声を上げて、痙攣がより大きくなった。
だが、媚薬の効果で男たちのペニスはまったく萎えず、彼女も気絶することを許されない。
翌朝、まだ獣の饗宴は続いていた。
白い精液で全身ドロドロになりながら、カーリは痙攣し続ける。
「ぐぅっ!」
彼女のアナルに熱い迸りが吐き出された。
「たすけ・・・しぬ・・・だれか・・・」
口で吸い上げられている男が誰かに助けを求めた。
体力が尽き、げっそりと痩せ細って、カーリの腕が腰にしがみついたまま、前のめりに倒れている。
秘所を貫いている男は、彼女の長い脚に腰を絡み取られ、同じく折り重なるように倒れている。
アナルを貫いていた男は、彼女の下敷きになり、撥ね退ける元気もなく絞られ続けていた。
立場は完全に逆転していた。
気付いたときは、既に遅かった。
激しく身体を痙攣させながらも、離れようとする男たちを、物凄い力で掴んで離さないのだ。
犯され慣れているだけではない。
肉体は調教され、異性のものに凄まじい快楽を与えられるようになっている。
それに、この体力だ。
性欲に狂ってしまうと、常人のテクニックでは気絶するまで丸10時間以上かかる。
少しでも下調べをしていれば、彼女がどんな女性かわかっただろう。
後悔しながら、男たちはそれぞれ意識を失っていった。
「カーリ、そろそろ放してやれ」
虚空から、男の声が聞こえた。
すぅ、と何もないところから長い金髪に白いスーツのエルフ男が姿を現す。
快楽ではなく、女性の身体がビクッと震え、緩慢な動きでしがみついていた腕を放し、飲み切れずに漏れた精液でベトベトになっている口から、ずるりと萎えたペニスを吐き出した。
脚も解き、乗っかっていた男2人の身体を意外な力強さで押しのけ、両腕をベッドの上に突っ張って前後の穴から力尽きたペニスを引き抜く。
後半はほぼ入れっ放しで射精されていたため、顔と股間を中心に白濁した体液がこびり付いていた。
塞いでいたものが引き抜かれ、ごぽっ、と秘所とアナルから大量の愛液の混じった精液が漏れ出し、ベッドのシーツを汚す。
「う、あぁ・・・あぁっ」
体を起こし、下腹を押さえると、白濁した体液が出てくる勢いが増す。
全身が敏感になっている彼女は、内股を伝い落ちる熱い感触にひくっ、と身体を震わせ、喘いだ。
かなり大量の体液がシーツを汚した後、彼女は脚に力を込めてベッドから降りようとする。
だが、まだ残っていた精液の流れる感触で、くたっ、と膝が砕け、コンクリートの床の上にへたり込んでしまう。
その様子を眺めていた金髪の男は裸のままのカーリを軽々と横抱きに抱え上げた。
スーツが汚れるのはお構いなしだ。
「御主人様・・・」
彼女の目は恋人を見つめるように潤んでいる。
途中から、彼女は彼が魔法で姿を隠して見ていることに気付いていた。
3人組が気付かない方法で送られた指示に従い、四肢に力を入れてしがみつき、決して放さなかったのだ。
男たち3人組は、病院の一室で目を覚ました。
極度の衰弱でしばらく点滴生活だったが、若さもあり、数日で退院する。
そんな彼らを待っていたのは、現地のギャングが隠れ蓑にしているという人材派遣会社の社員たちだった。
ボスのウィルは、彼らの行いをすべて知っていた。
なんと、3人が襲った女性は、彼の愛人だったのだ。
これをウィル本人から知らされたとき、震え上がった。
連合圏のマフィアならば、どれだけ逃げても追い詰められ、死よりも過酷な私刑が待っている。
その後は、裸で路地裏に転がされ、身元不明の死体として処理されるだけだ。
失禁しながら怯える3人を、ウィルは笑って赦した。
「ああいう女だからな。久々にレイプされて悦んでたぜ」
と、彼は話し、安心させたところで、彼らの最初の仕事を言い渡す。
AV撮影だった。
近隣で名を馳せる調教師として、直々にテクニックを伝授しようという。
明日までにしっかりと栄養をつけるように言われた彼らは、もしかしてボスが甘く、社員が好き勝手できる所なのでは、と思い始めた。
それに、ER圏のAV女優は人間エルフ共に容姿レベルが高いという。
このままAV男優としてデビューできれば、連合圏では考えられないほどの上玉ばかりを抱く機会に恵まれることになる。
まったく懲りていない3人は、夢のような話が実現しようとしているのだと確信していた。
ラブホテルの一室、そこで、ウィルがニヤニヤしながら話す。
「喜べ、妖精でもなかなかいない極上の女だぞ。今夜は好きにさせてやる!」
「うおお!」
「いいんすか!」
それぞれ、色めき立つ。
最高の気分だった。
目隠しをされて入ってきた裸のエルフ女性は、確かに絶世の美女だった。
漆黒の長い髪の毛をポニーテールにしている。
バストは形良く大きく突き出ていて、ウェストは見事なくびれを見せて引き締まり、ヒップも豊満でありながら良い形を保っている。
手足はすらりと長く、比例して身長も高く、180cm近くある。
連合圏で雑誌のグラビアに載っている女性が意識の脇に押しやられるほどの美女。
好き放題にできるなど夢のようだ。
彼女の方は、準備万端とばかりに股間から愛液を太股へ伝わせている。
バイブに前後を貫かれているようだ。
見ているだけで、かなりエロティックである。
初対面なら、鼻息を荒くして飛び付いただろう。
「俺が目隠しを外したら、明日の朝6時まで好きにしていいぞ」
ウィルはニヤニヤしながら三脚で設置されたデジタルビデオカメラを作動させ、女性の目隠しを外した。
3人は後ずさった。
3人とも、先ほどの様子とはうって変わって股間が萎え、顔が真っ青だ。
ERにおけるギャングのやり方というものを、彼らはこの上なく実感する。
これは、社員教育という名の処刑だと思う。
美女の名は、カーリ・ウェブスターといった。
「じゃあ、達者でな」
ウィルが部屋を出て、外から鍵を閉める。
内側から鍵が開けられるが、時間が来るまでは出るなという意思表示だった。
逆らえば・・・・
「あぁ・・・私のマ○コとアナルに・・・どうぞ、お慈悲を・・・」
理性などまったく感じられない顔で、時折ピクピクと身体を震わせながら、彼女はゆっくりとした動きで3人を追い詰めようと手を伸ばしていた。
普段、真面目なだけに、気の強そうなハスキーな声で懇願された男性は、思わず襲い掛かっただろう。
それほどに蠱惑的で、妖艶なエロティックさを醸し出していた。
ただし、当の3人にそれを吟味するほどの余裕はない。
「く、来るなぁぁぁっ!!」
ベッド脇のテーブルには、4人の1日分の食事の入ったビニール袋が置かれていた。
かなり量があったが、彼らの胃袋に収まることはついになかった。
合掌。
現在彼らは、それぞれの職場で働いている。
連合のマフィアにすら追い出されたとはとても思えない精勤ぶりで、派遣先の企業から高い評価を得ている。
ただ、最近、同性に興味を持ち始めたとか・・・
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