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公爵夫人との遭遇 5


先ほどまで室内にいたバノアットと男たちはテレスから指示で退室しており、少し離れた場所のベットの上では、先程まで寝息を立てていたエリスが起き上がってイリナの様子を尊敬や興奮を交えた表情で見ていた。 イリナは両手を後ろで粘着テープによって拘束されたままで、一心不乱に黒いマット上の各所に点在する複雑な白い精液を舐めとっていく。マットに塗られた無色無臭で見分けのつかない媚薬の効果に併せて、イリナが乱交時などの激しい性交渉の際に見せる精液酔いの症状も出ており、性的な興奮状態も高まる一方だった。室内に設置してあるカメラで撮られている事実もイリナの興奮を更に後押ししているだろう。度重なるAV撮影の経験を経てイリナは自らの卑猥さを見られる喜びにも目覚めていたのだ。このような年端もいかない少女が、しかも美少女といえるイリナが見せる痴態は何とも言えないエロスを醸し出している。

マットに点在していた決して少なくない精液を全て舐め終えたイリナは体を起こす。

「舐め終えましたぁ…全部っ」

「早いわね。待ち遠しかった?
 そうそう…正面にある鏡はマジックミラーで、内部にはカメラが隠されているわ。
 貴方のあられもない部分を映しながら説明を始めるわね」

「お願いします…」

イリナはAV女優としての経験から、相手が意図するカメラ視線や構図をすぐさま理解する。股を開いて薄く開いた陰裂の奥を鏡に映すように姿勢を変更した。少女の艶やかなピンク色の陰裂の奥から白濁液がコポコポと白濁液があふれ出てきており、その白濁液の量からどれだけ中に注がれているかが分かるだろう。

姿勢変更によってイリナの陰裂から溢れできた白濁液を見たテレスは、もったいないと思って指で掬う。最初は自分で舐めようと思ったが、鏡に映る物欲しそうな表情をイリナを見て気が変わった。優しく白濁液が乗った指をイリナの口へと運び込む。イリナはそれを嬉しそうに舐めとった。

濃厚な精液を見てエリスが羨ましそうに視線を向ける。彼女もイリナやテレスと同じように優れた素質と濃厚な経験によって精液で興奮を覚えるようになっていたのだ。

「罰ゲームを始める前に、
 いくつかの条件を飲む必要があるわよ。
 心して聞いてちょうだい」

テレスの問いかけに対して、イリナは"はい"と心の底からの同意を示す。テレスはイリナの背後に回って手を拘束してたテープを外すと、そのまま背後から耳元に呟くように囁き始める。イリナは右手で乳房を優しく揉まれ、左手は秘所を適度に刺激していく。股間から感じる熱い感覚に浸食されているイリナの思考は直ぐにでも犯されたい一心であり、よほどのことがない限り口から出る返答は同意の言葉以外は出ないだろう。

―――この年齢で凄いわね。
普段は清楚でありながらも、行為が始まると濃艶な雰囲気を見せてくる。
これで、4つの条件を全て受け入れられるなら、
夫人が求める人材にピッタリだわ―――

実際のところ、テレスは次の撮影は罰ゲームと言っていたが、流れによっては同じ内容でご褒美という表現にもなっていた。罰ゲームという表現にしたのは、イリナの様子ならば罰で感じる少女の方というスタンスの方が高いエロスを表現できるだろうという判断だ。

「今回のオークとの交わりだけどね…
 大事な条件が4つあるわ。
 まず1つ目だけど、
 儀式の一環で交わるから聖母神殿の見習い巫女になる必要があるの。
 つまり、イリナ・クィンスはAV女優と高級娼婦に加えて、
 見習いだけど巫女としての顔を持つことになるわ」

テレスの説明にあった聖母神殿とは聖母ミューンを崇めているミュルス一族の中で最も歴史が深く、敷居が高い娼婦達を運営している聖母神殿に仕える巫女を中心に運営された娼館系組織だった。娼館と言えば、各地に普及している妖精館の方が知名度は高い。しかし、極論を言えば妖精館はお金さえ出せば基本的に誰でも利用できる一般向けであるが、それに対して聖母神殿は聖母ミューンの教えをより色濃く残している点と、格式が高いために誰もが利用できるわけではなく、幾つかの制約があったのだ。

聖母神殿は紹介制であり基本的に上流階級や社会的に成功した、
限られた人々しか利用することができない。

そして、聖母神殿は各国の人種・政治に於いては中立である。宗教的、伝承的な繋がりから由来する複雑な政治性から各国の貴族階級に於いては、血筋を残すための緊急避難的な場所にもなっていた。神殿娼婦や神殿男娼(こちらはごく少数)になったものは、神殿によって保護されるので、お家騒動や政変の際でも保護される対象となる。そして神殿娼婦の上位が巫女だった。巫女という女性専用の言葉がある分、聖母神殿では仕える立場として男性が所属するのは極めて珍しい。巫女を目指すとしても基本は神殿娼婦から始まり、そこで認められると巫女として採用されるのだ。

ともあれ、古くには王や貴族階級のものが積極的に自分たちの娘を聖母神殿の神殿娼婦や巫女として送り込んだ例すらあった。近年に於いても貴族の血筋保持や影響力の拡大を狙って三女や四女などを送り込む家もあるのだ。リヴァール王国連合の貴族であっても例外ではない。

また、貴族階級の者が神殿娼婦になった場合は、1年の間は神殿売春の義務は大きく軽減されるのだ。稀にだが、同一の客にだけ神殿売春を行って身請けされる者もいる。自分で自分を買い続けて、政治的状況が改善するまでシェルターとして利用した貴族もいた。もちろん、神殿娼婦として客と交わっても価値は下がらない。そのような者たちが、後に家名を継いだ例はそれなりに存在するし、そうでなくても裕福層からの身請けや側室として招かれた例は、それ以上に存在していた。

「で、でも…
 神殿娼婦でも大変なのに、
 見習いとはいえ、いきなり巫女になるには、
 難しいのではないでしょうか?」

イリナは少しづつ強くなっていく情欲の衝動に耐えながらも疑問を口にする。簡単に神殿娼婦を超えて見習い巫女になれるとは思えなかった。聖母神殿は妖精館とも人員交流などで多少なりとも接点がある。つまり、貧富の差が激しい国、強い階級制が敷かれている国や自然民族が主体の場所では、巫女には及ばない階級の神殿娼婦であっても、その求人倍率が恐ろしいほど高いという程度の知識はイリナは有していた。

「私からの推薦と、推薦状があるから問題はないわ。
 言ってなかったけど、私は聖母神殿では上級巫女なの。
 私から見ても貴方は巫女として相応しい、
 濃厚でありながらも慈愛のある性交を見せてくれたわ。
 今回だけでなく貴方の代表作をいくつか見させてもらったけど…
 人だけでなく、獣とも激しく交われるなんて素敵だわ」

テレスの言葉にイリナは顔を赤らめた。確かにイリナはキースが企画したAV撮影で獣姦をメインにしたものを何度か経験しており、激しさのあまり雌のように腰を振ってしまった事も多い。少女でありながらペニスを前にして雌として振舞えるのは希少な素質なので、テレスの賞賛は心からのものだった。

テレスの言葉が続く。

「少女でそのレベルは本当にすごい。
 既に妖精館で結果を出しているのも大きいわよ。
 此方としては願ったり叶ったりね」

上級巫女ともなれば、見込みのある少女を推薦や教育する資格を有している。そして、テレスや聖母神殿側はイリナは妖精館の高級娼婦であるイリナ・クィンスである事を突き止めていた。つまり、聖母神殿側としては、イリナ級の人材ならば直ぐにで欲しかったので夫人からの推薦状を渡りに船と、快く受け入れていたのだ。

そして聖母神殿では、特別な出資者や支援者らが大きな謝礼を出す代わりに、要望に応じた一般非公開の撮影を行うことがあった。今回の撮影は夫人からのオーダーである。

「今回のオークとの交わりは儀式でもあるけど…
 夫人もカメラを通して見るわ。
 撮影も行うし、夫人の気分次第だけど、
 不特定多数の人々に見られる可能性があるのが条件の2つ目。
 まぁ、見習いとはいえ正式に巫女として認められればね、
 今後を考えれると巫女になってもらった方が都合が良いし、
 夫人も直にイリナと会いたいと言っていたわ。
 リヴァール王国連合であっても、
 それがエルフであっても特権によって審査なしで入国できるようになるわよ。
 もしかして、リヴァール王国連合に行くのは不安かしら?」

イリナはキースが言っていた新しいスポンサーの"夫人"は、リヴァール王国連合であっても、自らの意思を通す力がある人物と理解した。断ればキースの評価も落ちてしまうだろう。どちらにしてもAV女優として活動しているので、撮られることに不安は無い。ピンク色に侵されている思考の影響もあるが、撮られた痴態が不特定多数に見れられる可能性すら、心に甘く響いてしまう。

エルフの待遇がよくないリヴァール王国連合だったが、
イリナとしては不思議と悪感情はない。

そして、リヴァール王国連合の有力者とはいえ、ここまで手間をかけて会いたいと思ってくれる事に嬉しさすら感じていた。イリナ自身は覚えていないが、記憶を失って娼婦エカテリナとして活動していたころにお世話になった有力者たちに対する感謝と愛情の気持ちが、無意識ながらも後押ししていたのだ。つまり、不安や断る要素は全くなかった。

「だ、大丈夫です!」

イリナの即答ともいえる反応にテレスは内心は満足していたが、まだ説明を終えていないので苦笑いを浮かべつつ言葉を続ける。

「3つ目の条件は撮影期間は早ければ1日、遅れが出たら2日か3日に及ぶわね。
 セックス中心の撮影だけど大丈夫かしら?」

イリナは問題はないと了承する。今回の撮影は移動時間は別として4日を見越しているので問題はなかった。むしろ、この時間は濃厚なセックスが出来ると心の高まりが始まっている程だ。数日にも及ぶセックスにも積極的なイリナにテレスは内心は満足していたが、まだ最後の条件説明を終えていないので苦笑いを浮かべつつ言葉を続ける。これから説明するのは聖母神殿の教えの根幹にも関わっていた。

「4つ目の条件よ。
 これが最後だから心して聞いてね。
 マッサージを行った時に調べたけど、
 貴方は魔法障壁で完全な避妊を行っているようね。
 見習いとはいえ巫女を目指すのなら聖母神殿では、
 ミューンの教えを尊重する必要があるので、
 完全な受精妨害は好ましくないの」

完全な受精妨害が好ましくないと聞かされたイリナであったが、ミューンの教えに合っていたので納得する。聖母ミューンを崇めている聖母神殿では"種族を増やす喜びと技術"を神聖視しており、完全避妊で勤めを行う娼婦では巫女の道は開かない。むろん無秩序に種を増やすのではなく、強い種を残す事を至上としているので、腟に弱殺精子剤を入れて強い子を宿せるようにふるいに掛けた状態にしている。完全避妊を行うのは経験の浅い娼婦か、巫女を目指さない神殿娼婦のみである。巫女を目指すならば"増やす喜び"に向き合う必要がある。

「受精と妊娠の可能性を受け止めてこその巫女ね。
 だけど…妊娠が不安ならば、障壁を解かなくても構わないわ。
 その時は巫女の道は難しくなると思って欲しい。
 逆に巫女を目指すならば、避妊は弱殺精子剤に絞ってもらうわ。
 使う弱殺精子剤は妖精館で使われているハーブと同系統だから信頼性は高いわよ。
 避妊率はコンドームと同じ位かしら」

妊娠と受精という単語にイリナは"ビクッ"と反応していた。それは恐れによる反応なのか、濃厚な性行為を待ちわびる生殖本能からの刺激なのか、イリナにはわからなかったが、確かなことは子宮から感じられるキュンキュンするような焦れるような感覚は本物だった。受精のリスクは理解しても、ミューンの教えによる受精の肯定の方が強い。

―――コンドームと同じぐらいなら問題はなさそう。
それより、障壁を解いて行うセックスって思うと、ドキドキしてきた…―――

もちろん、この状態のイリナであっても完全な妊娠だったら話は違っていたが、コンドームと同水準の避妊を受けられるなら問題はないと感じていた。それに、撮影中に出来てしまうなら、プロとしては問題がないというか、誇らしいような気持ちも湧いてくる。その相手がオークである事すらも懸念として上がらない。

このような考えに至っていたのは、二つの要因が原因だった。

一つ目はキースによって知らないうちに紡がれた暗示の一つが原因である。イリナを好きになってしまったキースは、いつか彼女を自分のものにするために、慎重かつ細心の注意を払って、これまでの撮影の合間やセックスなどの行為を通じて一つの暗示を掛けていた。

イリナに掛けられた暗示には"ミューンの教えを反映させた撮影の受精・妊娠には忌避を感じない"という内容である。要するにキースは将来的に撮影中の事故を装ってイリナを妊娠・出産させて、それを切っ掛けに自分のものに出来る可能性を作り出したのだ。

この暗示の優秀な点は、キースのみ有効という限定を持たせないことで、暗示の痕跡を残さずに深く深く働きかける点であった。必ず作用するものでもないが、正しい手順を採れば高い効果が見込める点も強みであろう。濃厚なセックスを好むイリナならば、避妊手段を軽減なし無効化してしまえば、撮影を介していくらでも孕ませられる機会が生じる。キースが企画する最近のAV撮影ではミューンの教えを散りばめた企画も幾つも仕込んでおり、イリナのミューンの教えを自覚させつつ、暗示を踏まえて妊娠を喜んで受け入れていく土壌を作っている時期だった。

幾つもの女性を堕としてきたキースの欲望と執念、そして性に関して防御が甘いイリナが招いた結果とも言えるだろう。

なにより、イリナは自分に向けられる執着じみた色情であっても特に問題として捉えていなかった。イリナは日常的に高級娼婦として働いていたので、そのような感情を向けられることは珍しくない。これもイリナならではの不幸であったが、そのような気持ちはセックスさえ行えば緩和できるとイリナは信じていたし、事実としてセックス後のキースや客達は満足して穏やかに気持ちになっている。それにイリナは発作を防ぐためにセックスをし貰っているという"感謝"の気持ちを常に感じていた点も大きいだろう。

ともあれ、キースは同じ手段で、イリナの少し前に出会った一人の少女を、イリナへのテストケースとして妊娠させており、ノウハウの確立が進んでいた。

二つ目の理由は、この地に来てから濃厚な性交を味わい続けて特異な環境で常に性的興奮が後押しされてた事によって、イリナの奥底に眠っていたエカテリナの思考が認知的・情動的な意思決定の過程で影響が、知らず知らずに浸透していた点である。何しろエカテリナだった頃は、砂エルフの集団と大乱交(投稿作品の"軌跡")で、父親がわからない妊娠を経験していたが、それすらも喜ぶほどに妊娠に忌避感はなかった。

また、夫人が企画した催し物でエカテリナはオークとの乱交を幾度も何度も経験している。夫人の愛人になっていたエカテリナは、情の深さもあって夫人が求めるプレイは全て受けいれていた。その経験の中には"緊張感のあるセックス"が見たいとの夫人からの要望で、エカテリナは避妊を行わない状態でオークと交わった経験すらある。

これらの暗示と無意識からの強い後押しによって今のイリナは妊娠に対する禁忌は無いに等しいものになっている。加えて、快楽にめっぽう弱いイリナは、状況さえ整えば獣人だろうが動物であろうと腰を振ってしまう淫らな雌として、頭の天辺から爪先まで開発済みだった。調教済みの思考と開発済みの体ともなれば、こうなってしまうのも致し方ない。

―――間違いないよ。これって興奮だよね…
僅とはいえ可能性を受け入れたセックスを行うと思うだけで高まりが止まらない…
もしかしてボクって自分が思っている以上に
ここ最近になって聖母ミューンの教えに惹かれていたのかも…―――


かつて、監禁されて封印冠で魔法を封じられて、更に障壁を解かれた状態で多数の男たちに凌辱された時(投稿作品の"プリズム")では、見知らぬ男性との間に子どもが出来てしまうかもしれない可能性に涙を流して怯えた事もあったのも事実だ。あれから妖精やAV女優として頑張ってきた日々が影響したのか、一定の避妊を乗り越えた強い精子を受け入れるミューンの教えがとても素晴らしいものに思えるようになっていた。イリナは自分の知らなかった気持ちに驚くも、考えても考えても、良い感情しか湧かない。

「貴方の決断を教えてほしいわ」

「目指します!
 巫女を目指したいので、よろしくお願いします」

イリナがオークとの性行為を同意し、僅とはいえ孕む危険性を受け入れていた返答にテレスは心底感動する。ミューンの教えに対する親和性の高さも素晴らしいし、妊娠と受精を受け入れた本物のセックスで感じる少女を求めていた夫人のオーダーも満たせる逸材に出会えたことに感謝すら感じていた。皮肉というべきか、キースがイリナをより自分側に寄せようと仕掛けた暗示が、結果として夫人側との接点を強めてしまい、イリナに接する機会を減らしてしまう事になるのだが、仕掛けてきた罠を考えると皮肉と言えるだろう。
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【あとがき】
久しぶりの更新になります(汗)
イリナに仕掛けられた暗示が特異な環境によって強く作用することに…。

かなりぶっ飛んだ設定ですが、現実世界のイシュタル神殿ではもっとすごいケースがあったりw


意見、ご感想を心よりお待ちしております。

(2022年10月30日)

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